旅レポ

JR東海の「いざいざ奈良」キャンペーン第5弾は大和四寺をピックアップ。長谷寺・岡寺・室生寺・安倍文殊院を見てきた!

歴史のあるお寺は自然豊かな山間にも数多くある

 奈良の魅力を伝える「いざいざ奈良」キャンペーンは今回で5回目となる。イチオシの観光スポットとして紹介するのは奈良県中南和地域に位置する「長谷寺」「岡寺」「室生寺」「安倍文殊院」の4つのお寺で、「大和四寺編」として見どころや最新情報を2回に分けてお届けする。

 なお、普段は撮影NGな場所も特別に許可をいただいているので、あらかじめお断りしておく。

 今回のキャンペーンでは特設サイトや駅のポスターは3月26日から公開され、テレビCMは4月1日から首都圏・静岡地区を中心に放映する。案内役はもちろん、人気俳優の鈴木亮平さんだ。

JR東海の「いざいざ奈良」キャンペーン第5弾は大和四寺

斜面に咲き誇る花に囲まれた長谷寺はこれからが見ごろ

 最初に紹介するのは真言宗豊山派の総本山である「長谷寺」。

 創建は686年と歴史があり、道明上人が天武天皇の銅板法華説相図(千仏多宝仏塔)を西の岡に安置したことが始まりと言われている。入山料は500円。

 見どころは数多くあるが、仁王門をくぐり抜けて最初に目にする登廊の美しさにまずは目が奪われるだろう。本堂まで続く長い石段を一歩、そしてまた一歩と進んで行くのだが、山肌を抜ける草木の匂いや境内に植えられたさまざまな花の香りに包まれるのが気持ちよく、目に映る勾配を忘れてしまう不思議な空間だ。

「花の御寺」と形容される長谷寺では、牡丹、椿、梅、桜、シャクナゲ、ヤマブキなど、美しい花を目当てに訪れる人も多い。5月25日からは嵐の坂に「あじさい回廊」を設置する予定で、地植えと鉢植えの紫陽花で階段が色鮮やかに彩られるそうだ。

斜面に建てられている長谷寺の本堂(国宝)
本堂までは3か所ある登廊を進む
境内の梅は終わりを迎え、桜はこれからという時期

 1650年に建立された本堂も圧巻のたたずまいで、清水寺のように斜面に建てられているので景観は素晴らしい。張り出した舞台からは山の空気がすがすがしく感じられる。こちらの本堂では現在、本尊大観音特別拝観(拝観料1000円)が実施されており、普段は立ち入り禁止である本堂のなかに入って、観音様のお御足に直接触れて願掛けができるのもポイントだ。

 このほか、重要文化財に指定されている本坊(大講堂)に入って見学できる本坊大講堂特別拝観(拝観料500円)も実施している。

懸造り(舞台造)によって建てられた本堂
本堂からの景色は格別
本尊十一面観世音菩薩立像(重要文化財)は全高10.18mと大きく、日本最大の木造観音像として知られている
特別拝観では間近で見ることができ、お御足に触れるといった貴重な体験もできる
本坊でも特別拝観を実施しているので、普段は見ることのできないなかを見学できる

1300年前に土で作られた大仏像が今に残る岡寺

 明日香村の東にある岡山の中腹に位置するのが「岡寺」で、古くは「龍蓋寺」と呼ばれていたお寺だ。日本で最初の僧正と言われている義淵僧正が、この地に住むわるい龍を封印するために建立したのが始まりとして今に伝えられている。

 境内には封印したとされる「龍蓋池」があり、大きな要石を触ると雨が降るという言い伝えも残されており、雨ごいの法要も行なわれていたそうだ。この悪龍から飛鳥の地を守ったことから厄除け信仰が始まり、今では厄除けのお寺として知れわたっている。入山料は400円。

岡寺の仁王門(重要文化財)。四隅には、阿獅子、吽獅子、龍、虎の装飾が施されている
仁王門には龍蓋寺の名が掲げられている
飛檐垂木や地垂木が扇のように美しく配置されているのも見どころの一つ
龍を封印したとされる龍蓋池

 岡寺は現在SNSでも人気になっているのだが、それが「華の池~水面に浮かぶ天竺牡丹~」だ。GW期間中(公式Facebookに詳細な予定を掲載)に手水舍や池、本堂前の鉢にダリア(天竺牡丹)を浮かべ、訪れる人に楽しんでもらっている。また、境内には3000株のシャクナゲが植えてあり、こちらも大変美しいと評判だ。

SNSで人気を集めている華手水舍。地元農家の売れ残りの花を活用することから始まったそうだ
実施期間中は隣の池もダリアで埋め尽くされる

 本堂には奈良時代に製作された如意輪観音座像が鎮座している。こちらの仏様は塑像(土でできた仏像)としては日本最大であり、現代にまで残っているのが驚きだ。光沢が美しい銅像、温かみのある質感の木造、それらとは異なる土という素材が醸し出す雰囲気はまた独特で、めずらしさもあって釘付けになることは間違いない。

 鈴木亮平さんがメイキングビデオで「土で作った大仏が残っているというのはとんでもないことですよね。岡寺のあの仏像も衝撃的でした」と話しているように、現地に行って貴重な体験をぜひしてもらいたい。

時代を感じさせる岡寺の本堂
本尊の如意輪観音座像(重要文化財)。1300年の時を経て、塑像が今に残っていることに感動する
全高は4.85m。自重で崩れないようになかは空洞にしてある部分が多いそうだ
戦時中の供出を免れた幸運な鐘は厄除けとして自由に撞ける

奈良の南エリアを観光するのに便利なホテル

 大和四寺や今井町の観光に便利なのが、近鉄の大和八木駅から徒歩2分の場所にある「カンデオホテルズ奈良橿原」だ。

 行き届いたサービスと設備、それに立地のよさを備えており、安心して泊まれるホテルだ。和とモダンを融合させた客室が特徴になっており、扉を開けると小上がりで靴を脱いで室内に入るようになっている。自宅にいるのと変わらない感覚で過ごすことができ、窓辺に置いてあるフラットソファでゆったりとくつろげるのも同ホテルならではの心地よさだ。

 最上階には露天風呂を用意しており、昼間は大和三山の眺望、夜間は星空を眺めながら湯舟に浸かることができるのも推しておきたいポイントだ。

スタンダードのダブルルーム
窓辺のフラットソファや実用的で洒落た家具などはとても使いやすい

140年以上地元で愛されている和スイーツ

 大和八木駅の周辺には魅力的な飲食店もあるが、そのなかで今回紹介するのは明治11年創業の「だんご庄 八木店」だ。140年前の製法を今に伝え、看板商品の「きな粉だんご」は特製の蜜による適度な甘さとふんわりとした食感が人を引き付けてやまない。出来立てが一番というだんごは賞味期限はその日までであり、通信販売も行なってない。そう、ここでしか味わえないご当地スイーツなのである。

特製の蜜ときな粉をたっぷりとまぶした「きな粉だんご」
大和八木駅からすぐの場所にある「だんご庄 八木店」。本店は近鉄南大阪線・坊城駅の近くにある
自慢の商品は店内で熟練スタッフが丁寧に製造している

EX旅先予約ではスペシャルなプランを今回も用意

 今回のキャンペーンに合わせて、EXサービス会員向けに大和四寺(長谷寺、室生寺、岡寺、安倍文殊院)エリアを楽しめる特別プランもいくつか用意している。

「ご本尊オリジナルアクスタ&拝観券」は、本尊をモチーフにしたアクリルスタンドと拝観券がセットになったお得なプラン。料金は1200円~1600円と寺によって異なる。4月8日~6月30日まで実施。

アクリルスタンドはそれぞれを連結できるので、コンプリートを目指して巡礼するのもおもしろい

「奈良大和巡礼スタンプラリー 東海道新幹線デザインのミニ巡礼札付き!」は、スタンプ帳、東海道新幹線デザインのミニ巡礼札、約40施設の対象店舗で利用できる“おもてなし券”がセットになったもの。拝観料は含まれていない点に注意。料金は1800円で、4月1日~6月30日まで実施。

スタンプ帳とミニ巡礼札

 鈴木亮平さんが描き下ろした「鹿」を刺繍であしらったオリジナル御朱印帳も用意されている。価格は2500円で、鶯色と蜜色の2色を用意している。こちらの受け渡しは奈良 蔦屋書店にて行なうので、大和四寺方面に向かう方は旅程を考慮しておきたい。

いざいざ奈良オリジナル御朱印帳

 このほか、「長谷寺・天空の本堂で源氏物語『玉鬘』朗読劇」「仏様になれちゃう!光背の前で記念撮影&金堂を僧侶の案内付きで拝観(室生寺)」「1日1組限定!あなたのお話、僧侶がお聞きします(室生寺)」「僧侶の案内付き!岡寺を彩る花手水づくり&重要文化財『書院』特別拝観(岡寺)」「国宝・文殊菩薩をお祀りする奥内陣貸切参拝と夕刻限定朱印(安倍文殊院)」といった特別な旅行プランを設定しているので、興味ある方は特設サイトもチェックしておこう。

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。