旅レポ

「箱根 ゆとわ」泊まってみた。居心地のいいライブラリ、焚き火のある中庭でワーケーションが捗る!

箱根登山鉄道「強羅駅」から平坦路を歩いて5分のところにある「箱根 ゆとわ」。クルマがなくても簡単アクセスです

「箱根のりものパス Lite」を体験した日は、箱根・強羅に2019年8月にオープンした「箱根 ゆとわ」に宿泊してきました(関連記事「クルマで箱根行くなら! 観光船・ロープウェイ・ケーブルカー・登山電車/バスにスマホで乗れる『箱根のりものパス Lite』使ってみた」)。

 ご紹介したとおり「箱根のりものパス Lite」は利用可能範囲内ならどこからでもスタートできるので、この「箱根 ゆとわ」を予約した場合、強羅駅からスタートできます(箱根登山電車で宮ノ下駅へ)。その場合、1日目でも翌日チェックアウト後でもOK。宿の駐車場はどちらの日でも無料で利用できるそうですよ。

1分でも長くここに居たい!と思ってしまったほど居心地のよかったパブリックスペース
エントランス
フロント・ロビー
チェックインが済んだら浴衣と帯を持ってお部屋へGO!

 さて、こちらの宿は『箱根・強羅から始まる新たな旅』をコンセプトにしたリノベーションホテル。“新たな旅”についてはのちほどご紹介するとして、リノベーションする前は何だったのかしら?と思って聞いてみると、企業の保養所・研修所として使用されていた建物なのだとか。それでは、ホテル西棟と東棟、そしてコンドミニアム棟からなる「箱根 ゆとわ」をご紹介します。

チェックイン時にもらえる館内マップ。もともと研修・保養施設だったからなのか、広くて少々複雑な館内は慣れるまでちょっと時間がかかります。方向音痴気味の私はしばらく回遊してました

和モダンがコンセプト、ホテルタイプの「東棟」と「西棟」

お部屋には丹前が用意されています
シンプルで落ち着く和モダンのゲストルーム

「箱根 ゆとわ」のホテルタイプのお部屋は、東棟と西棟に全62室。スタンダードツインルームを中心に、スーペリアツインルーム(AとB)、セミダブルルーム、トリプルルーム、車椅子利用のできるアクセシブルルームがあります。今回私は西棟4階のスタンダードツインルーム(約30m 2 )を利用しました。さっそく浴衣に着替えると、畳敷きがしっくりなじんでよい感じ。館内はレストラン・ラウンジを含めて浴衣&スリッパでOK。また全館Wi-Fi利用可能で、パスワードは客室のテレビ画面で確認できます。

畳に低いベッドがホテルと旅館の中間的な雰囲気
ベッドまわりはいたってシンプル、好きな感じでした
窓側にはロングソファとラウンドテーブル。空気清浄機も
冷蔵庫や金庫、それから温泉セットなど。足袋も入っています
洗面所、トイレ、シャワーブース。ガラス張りで清潔感あり
歯ブラシやヘアゴムなどのアメニティ類

パブリックスペースその1、約700冊の蔵書を揃えるライブラリーラウンジ

壁一面の本棚のなかにある丸いくり抜きスペースは館内一の映えスポット!ということで私も記念にパチリ

「箱根 ゆとわ」は、ゲストの誰もが自由に使えるパブリックスペースが超充実しています。これこそが“新たな旅”をコンセプトとするゆえん。家族連れや女性グループ、カップル、仲よしグループと、さまざまなタイプのゲストが同じ空間に集い、よい距離感を保って楽しんでいるのが好印象でした。そのパブリックスペースの1つが東棟2階にある「ライブラリーラウンジ」です。

「四季」をテーマとした本がずらり。写真集、エッセイ、小説などさまざまな本があってワクワクします。お気に入りクッションなどを選んで自分が一番くつろげる場所を見つけるのも楽しい
窓の外には緑があって明るい雰囲気

 この「ライブラリーラウンジ」は、人と人との交流の輪がつながるようにと作られたスペース。700冊の蔵書からお気に入りの1冊を探してソファで読み耽るのもよいし、カウンター席ではノートPCを広げてリモートワークも可能。そしてなんとここ、コーヒーや紅茶、ジュースや炭酸飲料など飲み物がすべてフリー! 客室にお茶セットがないなと思ったのですが、ここに来ればたくさんの種類のなかから好きなものを飲めるのです。さらに19~22時はウイスキーなどのアルコールもフリーで提供されます。

12人ほどが座れる長いテーブル席も
各種ドリンクは利用時間内(6~24時)なら飲み放題。紙コップがあるので部屋に持ち帰りもOK
カウンター席にはUSB充電器を完備
ワーケーションも快適に。滞在中もここでノートPCを広げているゲストの姿がありました
夜のライブラリーラウンジは、スナックとともにアルコールの提供も
ライブラリーラウンジの奥は約500冊のコミックがずらりの魅惑のコーナーとマッサージチェアを置いたくつろぎスペース

パブリックスペースその2、焚き火と足湯が楽しめる「スパラウンジ・ナカニワ」

「ナカニワ」はウッドデッキで作られたパブリックスペース。浴衣で足湯が楽しめます

「ずっといたい!」と思ってしまうパブリックスペースはもう1つ。それが西棟2階にある「スパラウンジ」と「ナカニワ」です。スパラウンジは男女別大浴場を出たところにあるので、湯上がり後の待ち合わせ場所にもぴったり。ローテーブルとローチェアが置かれていて、デトックスウォーターのサービスも。アイスキャンディもあってお風呂上がりに最高です。

スパラウンジにはオリジナルのデトックスウォーターも。雑誌も置いてあります

 スパラウンジから見える外のウッドデッキのテラス「ナカニワ」も“映える”パブリックスペースです。自家源泉の足湯、焚き火炉、スィングチェアもあって、焚き火炉に火がつく夜はまるで森のなかでキャンプファイヤーをしているかのような雰囲気に。そんな焚き火を前にノートPCを広げているゲストもいたりして、自由で新しい旅のスタイルがとにかく新鮮に映りました。

朝風呂のあとにこのスウィングチェアに揺られながら風にあたるのが気持ちよかった!
焚き火炉もあって、夜はよい雰囲気に
デトックスウォーターを飲みながら足湯でまったり。ここは最大14人ほどが座れる大きさです
夜のナカニワ。揺れる炎をただぼ~っと見つめる時間もよいものです
カードゲームやジェンガ、オセロなどを用意したプレイラウンジも
キッズエリアには安心してお子さんが遊べるグッズが揃っています

温泉は大浴場のほかに貸切風呂も。日帰りの立ち寄り温泉としてもコスパ最高

「箱根 ゆとわ」の温泉は、ナトリウム・塩化物泉で“美肌の湯”と呼ばれている自家源泉。露天風呂はありませんが、ドライサウナもある大浴場で日頃の疲れを癒やすことができます。そしてこの温泉、日帰り温泉利用が可能で、ここ最近は強羅の立ち寄り湯として大人気なのだとか。

女性大浴場はカラフルなアクリルを通して自然光が入る幻想的な雰囲気
脱衣場も広々。化粧水なども完備しています

 立ち寄り湯は予約不要で1名1200円(しかも駐車場無料!)。料金のなかにはバスタオルやフェイスタオルのレンタル、スパラウンジやナカニワ、ライブラリーラウンジの利用が含まれるというからびっくり。宿泊しなくても充実のパブリックスペースを使えて、コーヒーなども飲み放題、ナカニワの足湯にも入れちゃいます。立ち寄り湯の場合でも有料(250円)で浴衣レンタル可能です。

「箱根 ゆとわ」には「癒」と「和」という2つの貸切風呂もあって、こちらは宿泊者専用。1回45分の予約制でチェックイン時に予約します
リラクゼーションサロン「湯るりと」もあります。今回は時間がなくてできませんでしたが「ゆとわ現代湯治(9800円)」が気になるメニュー

夕食は90分制のハーフビュッフェ。アルコールも飲み放題のオールインクルーシブ

4種類から選べるメインは「合鴨とフォアグラのソテー 山椒バルサミコソース」にしました

 レストランは東棟3階にあって、食事付きのプランの人は夕・朝食ともにこちらでいただきます。夕食は一部ビュッフェスタイルの和食で、季節によって替わる八寸と造里、メインディッシュはテーブルまで持ってきてもらえます。食事付きのプランは各種あるので予約時にご確認を。

胡桃豆腐やむかご真丈が美味だった八寸。お造りは3種盛りでした

 好きなものを好きなだけ食べられるビュッフェコーナーには、サラダをはじめ茶碗蒸しやグラタン、蕎麦、天ぷら、お茶漬けやちらし寿司などなど。ケーキや水菓子、ソフトクリームなどスイーツもいろいろありました。

充実のビュッフェコーナー。ビニール手袋とマスク着用で感染対策も万全

 ソフトドリンクはもちろん生ビールやワイン、日本酒などのアルコール類もフリードリンクという、いわゆるオールインクルーシブなのでお酒の好きな人にはたまりません。

ビールに日本酒はもちろん、ウイスキー、ワイン、焼酎、カクテルとアルコール類も飲み放題
朝食は完全ビュッフェスタイルで和洋どちらもあります

東棟は箱根登山電車が見えるトレインビューの部屋も

車椅子利用もできるユニバーサル仕様のツインルーム

 最後に、泊まったお部屋以外も見せていただけたのでご紹介しましょう。こちらは東棟2階の角部屋にあたるユニバーサル仕様のアクセシブルルーム。段差のない作りになっているのでバスルームをふくめ車椅子のまま利用可能です。

カーペットを使用で車椅子のまま利用可能
窓が多い角部屋。箱根登山電車も見えます
毎年お盆に開催される箱根強羅「大文字焼」の明星ヶ岳がよく見えました

“暮らすように泊まれる”コンドミニアムタイプは全10室

大きなダイニングテーブルで、女子旅などのグループ旅行や3世代家族旅行に向いているコンドミニアムタイプ

 コンドミニアム棟は、ホテル西棟・東棟とは別の建物になりますが、足湯のある「ナカニワ」などから小道に沿ってアクセス可能です。お部屋はA~Dと定員別(4~5名)に全10室。コンドミニアムのゲスト専用にランドリーと製氷機が完備されています。自家源泉のバスタブがあるので、西棟の大浴場に行かなくても温泉を楽しめるのはよいですね。

室内はシンプルでモダンなしつらえ
IHコンロに電気ポット、コーヒーメーカーなどのほかに、引き出しには食卓器材一式も
ソファベッドを使って最大5名まで宿泊可能のコンドミニアムC
バスルーム。外の緑を見ながら自家源泉につかれる贅沢なビューバスです
お部屋によってはバルコニー付きも
紅葉とトレインビューを楽しめるタイプのお部屋もありました
「箱根のりものパスLite」で秋の箱根をスマートに周遊したら、滞在を楽しむ施設が充実の「箱根 ゆとわ」で思い出を作ってみてはいかが?
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。