旅レポ
長崎旅行でGo To トラベル「地域共通クーポン」電子版を使ってみた
2020年10月23日 07:00
- 2020年10月1日~ 実施
10月1日から配布が始まった、Go To トラベルの「地域共通クーポン」。
筆者は、10月18日~19日の日程で長崎県で取材の予定があり、10月1日から東京発着の旅行についてもGo To トラベルの対象となったため、その取材旅行の足と宿をGo To トラベルを活用して確保。もちろん地域共通クーポンが付与されたので、長崎県で地域共通クーポンを使ってきた様子を紹介したいと思う。
JALダイナミックパッケージのGo To トラベルキャンペーンを利用
今回の取材旅行は、長崎県長崎市で10月19日午後に取材を行なうことがメインの目的。筆者は東京在住なので、長崎までの足は飛行機が基本になる。
取材の日程的には、日帰りも可能だった。ただ、現地までの交通費を自分で負担する必要があるので、できるだけコストを抑えたいし、せっかくなら現地の観光も楽しみたい。そこで考えたのが、航空券と宿泊プランを自分で組み合わせる「ダイナミックパッケージ」と呼ばれる旅行商品だ。今回はジャルパックが提供する「JALダイナミックパッケージ」を利用した。
旅程は、10月18日のJAL605便(羽田7時30分発~長崎9時25分着)、長崎市内のホテル1泊、10月19日のJAL616便(長崎20時30分発~羽田22時10分着)の組み合わせで、代金は2万6500円。ここから、Go To トラベルによって9200円の割引き(26500×0.35)が発生し、実際の支払代金は1万7300円となった。長崎までの往復航空券に1泊分の代金が入った金額なので、納得の安さだ。しかも、地域共通クーポンが4000円分(26500×0.15)付与されるので、実質半額と言える。
JALダイナミックパッケージでは地域共通クーポンを電子で付与
すでに本誌でも紹介しているが、地域共通クーポンには紙クーポンと電子クーポンの2種類が用意されている。どちらになるかは、Go To トラベル対象の旅行商品を販売する旅行会社によって異なっており、JALダイナミックパッケージでは電子クーポンで付与する。
なお、電子クーポンを発行するにはツアーを予約した旅行会社のIDと予約番号が必要で、利用期間は宿泊当日の15時~翌日23時59分(日帰りは当日の12時~23時59分)と決まっているので注意してほしい(関連記事「Go To トラベルの地域共通クーポン、電子クーポン使用時の注意点」)。同一施設に連泊する場合は、初日にまとめて付与されて、旅程最終日の23時59分が期限になる。
今回は1泊2日の旅程だったので、出発日の15時過ぎに地域共通クーポンの電子クーポンサイトにアクセスし、無事4000円分のクーポンを入手できた。
お土産需要が期待できる店は多くがクーポンに対応。紙クーポンのみ対応の店も多い
今回宿泊したホテルは、長崎市中心部の浜町商店街に面した場所にあったので、まずは商店街の店をチェックしてみたところ、地元の人の利用が多いこともあってか、クーポンが利用できる店はかなり少数だった。
それでも、全国的に名の知れたカステラの販売店や角煮まんじゅうの販売店など、観光客もよく利用しそうな店では利用できるところが多かった。同様に、グラバー園に向かう道に面した土産物店などは、ほとんどが利用可能。やはり、観光客のお土産需要が十分に期待できる店では積極的に利用できるよう準備していたのだろう。
とはいえ、使える店でも紙クーポンのみ対応となってる店が結構あり、すべての店で電子クーポンが使えるわけではなかった。今回チェックした範囲内では、半分以上の店が紙クーポンのみ対応といった印象だった。電子クーポンの未対応の店で聞いてみると、今後使えるようにしたいという声も多かったが、レジのシステム的に導入が難しいケースもあるようだ。
なお、電子クーポンが使える店舗でのクーポン利用自体は、何の問題もなかった。今回は、グラバー園入り口近くのプリン販売店や、商店街のカステラの店と角煮まんじゅうの店でお土産を買うときに使ってみたが、利用開始から半月以上経過していることもあってか、どこの店員も慣れたもので、スムーズな利用が可能だった。
めんどうなことと言えば、クーポンを使う側が、スマートフォンで電子クーポンサイトを開いて必要な金額のクーポンを発行し、レジ付近に置かれている電子クーポン用QRコードを読み取って決済し、その結果を店員に見せる、という一連の作業だ。ここがスムーズにできないと店に迷惑をかけるのではないかと、初めて使うときは少々緊張した。紙クーポンなら手渡すだけで済むため楽だが、電子クーポンに関してはもう少し簡単に使える方法を考えてもらいたいようにも感じる。
一方、レストランや喫茶店などの飲食店では、まだ使えない店が大多数だった。例外だったのが長崎新地中華街の比較的大きな中華料理店で、そちらでは地域共通クーポンの使える店が結構見られた。とはいえ、小さな店は使えないところが多く、長崎新地中華街の飲食店で見ても、クーポンが使えるのは全体の3分の1にも満たないほどで、今回の旅の時点では、電子クーポンが使える店はほとんど見あたらなかった。
飲食店が地域共通クーポンを利用するにはGo To Eatへの登録が前提となっている。長崎県でGo To Eatの食事券の利用が始まるのは10月29日からで、今回訪れた時点で地域共通クーポンが利用できた飲食店は、Go To Eatの予約サイト経由でのポイント付与事業に登録している店のみだったと考えられる。ただ、10月29日以降はGo To Eatの食事券に対応する飲食店の多くが地域共通クーポンも利用できるようにする可能性が高いため、今後は利用できる店がどんどん増えるだろう。合わせて、電子クーポンも使えるようにしてもらいたいと感じた。
稲佐山のロープウェイやタクシーでも使えた!
長崎といえば、新世界三大夜景都市に選ばれているように、夜景の素晴らしさが有名だ。ということで今回の旅でも、長崎の夜景スポットである稲佐山の展望台に足を伸ばすことにした。
稲佐山展望台への足はいくつか手段があるが、今回はロープウェイを利用。そして、ロープウェイの乗り場に行ってみると、運賃の支払いに地域共通クーポンが利用できるようになっていた。しかも電子クーポンにも対応ということで、迷うことなく利用した。
こちらも、先に紹介した店同様にクーポンの利用に慣れているようで、スムーズな利用が可能だった。ちなみにロープウェイの料金は大人往復が1250円だったので、クーポン1000円分に現金250円を加えて決済を行なった。
また、今回の旅ではタクシーを使うことが数回あったが、そのなかの1台が地域共通クーポンに対応していた。長崎は非常に坂が多く、坂の上にある観光地などへ行く場合にはタクシーを使いたいと感じる。そういった場面で地域共通クーポンが使えるタクシーがあれば、積極的に使いたいと思う人が多いはず。今回はこのタクシーに乗車した時点でクーポンを使い切っていたので実際には使わなかったものの、この対応は観光客にとってかなりありがたいと感じた。
街で使い切れなかったクーポンは空港や駅の売店で利用
今回は付与されたクーポンが4000円分だったので、街中でのお土産物購入やロープウェイの乗車券購入などであっという間に使い切ってしまった。ただ、家族旅行で連泊する場合などトータルで数万円分のクーポンになることもあるはずで、簡単に使い切れないことも十分に考えられる。
とはいえ、クーポンの有効期限は旅程最終日の23時59分までなので、帰路につくまでにどうにかして使い切りたい。そんなときの最終手段となるのが、空港や駅の売店だ。
今回は飛行機を使って長崎を訪れたので、まずは長崎空港の売店の様子をチェックしてみた。長崎空港の売店は、1階にカステラの名店「カステラ本家 福砂屋」があり、2階には総合売店の「エアポートショップMiSoLa -海空-」や、長崎県の有名企業の販売店がひしめいている。そして、その売店のほとんどで地域共通クーポンを利用できる。利用できるクーポンの種類は、当初は紙クーポンだけだったそうだが、10月10日以降に順次電子クーポンへの対応が始まっているそうで、今回訪れた時点ではほとんどの売店で紙と電子双方が利用可能だった。ごく一部の店舗ではまだ紙クーポンだけだったり、クーポンに対応していなかったが、そちらも今後順次対応したいとのことだった。
なお、10月中旬時点では長崎空港発着便の運休が多く、エアポートショップMiSoLaも18時30分までの短縮営業となっていた。今後もしばらくは短縮営業が続くようなので、空港売店でクーポンを使おうと考えている場合には、時間に余裕を持って空港に向かうようにした方がよさそうだ。
次にJR長崎駅の様子だ。3月28日に長崎駅の高架駅舎が開業したが、現時点では新駅舎はまだ整備中で売店はなく、土産物店などは旧駅舎の場所に残ったままとなっている。
その旧駅舎側にある売店では長崎空港の売店同様に地域共通クーポンに対応。こちらも紙クーポンだけでなく電子クーポンに対応する店がほとんどとなっていたので、クーポンを使い切りたい場合でも安心だ。
地域共通クーポンのおかげでお土産をたくさん購入
今回の旅をとおして地域共通クーポンを使いつつ感じたことは、このクーポンが存在することで旅行先では間違いなく買い物の金額が多くなるだろう、ということだ。
旅先で、それも現地に滞在している間(宿泊日とその翌日、日帰りの場合は当日のみ)しか使えないクーポンということで、出し惜しみすることなく使ってしまおうという心理が働くのは当然だ。それだけでなく、旅費の割引きによって出費が抑えられていることで、クーポン分以上のお金を使うことも間違いなく多くなるはず。
実際筆者も今回の旅をとおして、トータルで付与されたクーポン以上の金額のお土産を購入したが、それもクーポンの存在や旅費が割り引かれたことで、出費への心理的ハードルが下がったからだ。そういう意味で、苦しい思いをしている各地の旅行関連事業者や店舗にとって、Go To トラベルや地域共通クーポンはかなりありがたい施策になっているはず。
半面、エリアによってクーポンを使える店が少なかったり、電子クーポンに対応していなかったりと、まだまだ問題は多いようにも感じる。ただ、地域共通クーポンは利用が始まったばかりで、使えるお店は今後間違いなく増えていくだろう。Go To Eatと合わせて飲食店での利用が広がることも間違いなく、本領発揮はこれからと言える。
加えて、現時点で商品販売期間が2021年1月31日まで、対象宿泊期間が2021年3月15日までとなっているGo To トラベル自体も、延長の方向で検討が始まっている。私も、可能な限りGo To トラベルを活用して、おトクに旅を楽しむだけでなく、旅行先でお土産などの買い物をこれまで以上に楽しみたいと思う。