旅レポ

房総半島の日本酒を堪能! 観光レストラン列車「いすみ酒BAR列車」に乗ってきた! 3月28日~6月27日の毎週土曜日にツアー運行

房総の美味しいお酒とお料理をいただきながらローカル列車の旅

 千葉県いすみ市と大多喜町をまたがって走るいすみ鉄道は、全長26.8km、14駅のローカル線です。その沿線は自然が豊かで、東京駅から特急で1時間ちょっとで着く場所とは思えないほど。

 そんないすみ鉄道で、2020年3月末~6月末の土曜日にレストラン列車「いすみ酒BAR(バール)列車」が運行されます。これは、2019年の台風被害で千葉県の酒蔵のいくつかもダメージを受けたことにより、復興支援をテーマに企画されたもの。千葉のお酒が飲める大人のためのレストラン列車です。そのモニターツアーが先日開催され、私ゆきぴゅーが参加して参りました~!

出発は千葉県いすみ市にある大原駅

 東京駅から乗車した特急「わかしお」をJR大原駅で降りたら、お隣のいすみ鉄道の大原駅へ。小さな駅舎ですが、中はとっても楽しい! 壁にはレトロテイストなイラスト沿線マップがあったり、千葉の3大銘柄いすみ米が売られていたり、いすみ鉄道オリジナルグッズもたくさん並んでいましたよ。

ついお買い物に夢中になってしまう大原駅
入線してきたようなので、ホームへ
レストラン キハ
硬券!

 車両は2両編成で、前の車両が1号車で後ろが2号車。わたしたちが乗ったレストラン専用の貸し切り電車が2号車。大多喜までは急行、大多喜から先は普通列車となって、終点の上総中野駅を目指します。ツアーは折り返した大多喜駅に戻って終了となります。

中はこんな感じ

 鉄道ファンの方々はご存知かと思いますが、いすみ鉄道の急行観光列車は、「昭和40年代のローカル線の旅を楽しむ」をコンセプトに、昭和の国鉄時代の車両を利用しています。レトロ感たっぷりの車両にワクワクですわ~!

56年前に造られた車両
ここに来る前は富山で走っていたそう
これで栓を抜いてみたいですの
中吊り広告も国鉄時代のものが掛かっているのがスゴイ
ツアーオリジナルのお重

 実はこのツアーは、きき酒師の林紀子さんが同乗して日本酒と肴の楽しみ方を教えてくれるというユニークなもの。林さんは茂原市にある地産地消をテーマにした古民家和食居酒屋「もんしち」のオーナーさんでもあり、提供されるお料理はすべて「もんしち」から。千葉の日本酒にとっても精通していらっしゃる林さん、千葉県の酒蔵についても色々教えてくださいます。

「千葉の美味しいもの、美味しい日本酒を知ってもらえれば。車窓を見ながらゆったりした気分で過ごしてください」とあいさつした、きき酒師の林紀子さん
用意された日本酒3種がこちら。グラスに入って提供されます
色の違うコースターに乗っていて、銘柄が分かるようになっています

 大原駅を出発したら「きき酒&ランチタイム」が早速スタート。ツアーオリジナルのお料理に合う日本酒としてこの日選ばれたのは、君津市の藤平酒造の「福祝」、いすみ市の木戸泉酒造の「木戸泉」、勝浦市の東灘醸造の「鳴海」の3本。林さんからは「フレッシュで微炭酸が感じられる『鳴海』は、お刺身や地ダコのお浸しなど海鮮物とぴったりですよ」などといった、きき酒師ならではの紹介があります。

では、いただきま~す

 お料理はどれも本当に美味しくて大満足! 自家製豆腐に手作り卵焼き、いすみ産の野菜を使った煮物やなます、大原産の天然真鯛はあられをまぶした変わり揚げに。アサリシンジョウも日本酒にとてもよく合いました。

 ローストビーフは千葉県旭市の牛肉を使っていて、白子町の玉ねぎを使ったソースがたっぷりと。その土地の食材をその土地の日本酒で楽しめるのがなによりの贅沢ですよね。しかも流れる車窓を眺めながら!

日本酒が進むお料理ばかり
お刺身はスズキ、ヒラメ、サワラ、カンパチで、すべて大原漁港直送
出発から30分ほどで大多喜駅に到着
沿線はのどかな里山の風景が続きます
〆には大原産のタコを使ったタコ飯のおにぎりとお吸い物も
おにぎりを食べながら景色もちゃんと見ていたのですよ

 出発から約1時間後、終点の上総中野駅に到着します。ここで10分ほど停車して再び上りの大多喜方面へ。本ツアーの最終地は大多喜駅ですが、参加者は大原駅までの乗車券付きなので引き続き乗車可能です。

小湊鐵道と接続する上総中野駅
右は小湊鐵道の車両。撮り鉄さんいっぱいでした
再び乗車。同じ席につきます
ツアーのオリジナル記念枡はお土産に
ツアーの終点、大多喜駅。周辺は大多喜城や城下町の風情など見どころも多い
大多喜駅には早咲きのカワヅザクラが

 大多喜駅でしばらく停車している間にテーブル上のお重やグラスなどが片付けられます。そして2号車もすべて自由席となって、大原駅に向けて出発。

これから咲く菜の花に映える、いすみ鉄道の黄色い電車

 沿線では土曜日ということもあって、かなりたくさんの撮り鉄さんの姿が見られました。なかには手を振っている姿もあって、こちらも思わず振り返したり。

復路は酔い酔いでいい気持ち
ポップコーンを販売してまわる車掌さん

 のどかな里山風景を見ながら日本酒と美味しいお料理をたっぷり堪能できた「いすみ酒BAR列車」でした。ぜひ皆さまも今年の春の行楽プランに加えてみては? いすみ鉄道沿線はこれから菜の花が見ごろになりますよ。

こちらこそありがとうございました
海の幸・山の幸に恵まれている土地ならではのレストラン列車でした。ちなみに昼間のお酒は結構効きます

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。