旅レポ

群馬の名湯・伊香保温泉でほっこり秋旅! 2種類の温泉が楽しめる「ホテル天坊」に泊まってみた

雰囲気も泉質も抜群。伊香保温泉ホテル天坊の「こがねの湯」

 榛名山の中腹、標高700mに位置する伊香保温泉。草津温泉、四万温泉、水上温泉とともに群馬県の4大温泉の一つとして知られています。そんな伊香保温泉のシンボルといえば、情緒ある石段街。両脇には懐かしさを感じるお店が立ち並んでいます。

 また伊香保温泉の周辺には、ゴルフ場や観光牧場、美術館などの見どころもたくさんあって、首都圏からのアクセスがよいのも魅力。先日私は「伊香保温泉ホテル天坊」に泊まって、秋の休日を満喫してきました。

伊香保温泉の中心、石段街

伊香保で最大の客室数&温泉数を誇る「伊香保温泉ホテル天坊」

関越自動車道の渋川伊香保ICから約20分で到着

 私は今回クルマで行きましたが、伊香保温泉へは新幹線や在来線などを使って最寄り駅の渋川駅へ行き、路線バスで温泉街に向かう方法や、バスタ新宿や東京駅八重洲口から出ている高速バスで行く方法があります。自家用車の場合、関越自動車道の渋川伊香保インターチェンジからホテルまでは約10km、20分ほどで到着します。

駐車場の横には記念写真にお勧めの朱色の太鼓橋
モミジも少しずつ色づいていました
日が落ちると、しっとりとよい雰囲気に
1階の玄関から入ると吹き抜けの美しいロビーが広がります

 明るいブラウンを基調にしたロビーの奥には、日本庭園を眺められるティーラウンジがあります。チェックインは15時からですが、手続きは14時半から可能なので少し早めに到着して、ここで優雅にコーヒーを飲んでみては?

9~16時はフリードリンクが用意されているティーラウンジ。ランチタイムには赤城牛カレーやうどんなども提供

 さらにオススメは、そのティーラウンジの奥にある足湯。ここで足湯に浸かっていると、だんだん日常から離れてスイッチがオフになっていく気がしました。

緑に囲まれた池を眺めながら足湯に浸かれます
お部屋に浴衣は用意されていますが、女性にはおしゃれなレンタル浴衣の用意も(550円)
群馬県内の職人さんによる工芸品を取り扱う素敵なお店が気になりました
今回泊まった和室10畳のお部屋

 ホテル天坊は、和室、洋室、和洋室、特別室といろいろなタイプのお部屋が全183室用意されています。グループ旅行でもカップル旅でも、はたまた3世代ファミリー旅行でも、自分たちの宿泊スタイルにあわせて選ぶことができるのがうれしいところ。

 今回泊まったのは定員4名の標準タイプの和室。シャワールーム&洗面所と個室トイレ(温水洗浄便座付き)が備わっていて、滞在中は快適そのものでした。

明るくて清潔な和室。大きな窓からは遠くに赤城山が見えます

 ホテル天坊にはほかにも、「森の中の露天風呂付客室」や、「ユニバーサルデザインの大正モダン和洋室」など、公式サイトをクリックしながら見ているだけでわくわくしてくるお部屋ばかり。予約の際は、最初に宿泊プランを選んでから、続いて好きなお部屋をチョイスするシステムになっています。

館内着に使える浴衣。セーフティボックスも完備
クレンジング、化粧水、乳液が揃うバスルーム
まずはお着き菓子でほっこりと

2つの源泉が楽しめる趣向を凝らしたお風呂が自慢

群馬県民なら誰もが知っていると言われる上毛かるたの「い」は伊香保温泉!

 さて、お部屋で少し落ち着いたら、浴衣に着替えてさっそく温泉へ。ところで伊香保温泉には、古くから湧き出る源泉「黄金(こがね)の湯」と、平成になって湧出が確認された新しい源泉「白銀(しろがね)の湯」の2種類があるのをご存じですか?

 ホテル天坊ではその両方のお湯を堪能することができます。湯処は大きく分けて3つ。1つは男女それぞれの大浴場「天晴(あっぱれ)の湯」。もう一つは5つの貸切風呂。そして地下1階にある「岩風呂」です。

どんな本があるのかな? こんなちょっとした空間が気になります
女性大浴場へは夏季限定営業のプールをまたぐ回廊を進みます

「こがねの湯」は茶褐色で鉄分を多く含む硫酸塩泉で、神経痛や筋肉痛に効くのだとか。一方「しろがねの湯」は無色透明の単純泉。保湿効果があり疲労回復や健康増進に効果があると言われています。

女性大浴場「しろがねの湯」
トルマリン風呂「つるりんの湯」
黄金色をした「こがねの湯」
外に出ると「壺入り娘の湯」と洞窟露天風呂「かくれんぼの湯」があります

 今回は男性大浴場も見せていただきました。「しろがねの湯」と「こがねの湯」があるのは女性大浴場と共通ですが、露天風呂エリアは造りがガラッと違っていました。この大浴場「天晴(あっぱれ)の湯」は男女の入れ替えはありませんが、15時~夜中の1時まで、そして朝は5時~10時まで利用できます。

しろがねの湯
トルマリン風呂の「いきいきの湯」
「こがねの湯」。ちなみに伊香保温泉の石段街の下には、この湯の源泉が流れていて、各旅館へは湯樋を使って引かれているのだそう
ねたろうの湯
だんだんの湯

 大浴場「天晴」の敷地内にあるのが5つの有料貸切風呂(予約制)です。「からっ風」と「かかあ天下」という群馬県名物(!)の名前が付いた2つのお風呂が、最大6名まで利用できる家族風呂(50分で3300円)。大きな浴槽でゆったり使えて、特に「からっ風」はお年寄りや車イスの方でも安心して利用できるバリアフリー風呂となっています。そして「星」「空」「月」と名前がついて3名まで利用可能な露天風呂タイプも。こちらは50分、2750円で利用できます。

2つの浴槽がある家族風呂「かかあ天下」。すべての貸切風呂は源泉の「しろがねの湯」を使っています

 地下1階の「岩風呂」は、時間によって男性専用、女性専用と替わります。こちらも「しろがねの湯」と「こがねの湯」の両方が楽しめる贅沢な湯処ですよ。

天然記念物の三波石を使っている岩風呂。サウナもあります

4つの食事処を好みでチョイス。食事タイプを選べるのも魅力

湯の花亭でいただける「天心膳」は11月末までの創作会席料理

 お部屋や温泉のバリエーションもさることながら、食事の選択肢も豊富。料理茶屋「湯の花亭」、ワインを楽しめるカジュアルダイニングルーム「アスティア」、掘りごたつ式で網焼き料理が自慢の「船尾」、そしてファミリーに人気のバイキングが楽しめる食座「旬の坊」と、好みに合わせて食事処がチョイスできます。

「湯の花亭」は全20室の個室料亭。プライベート感ある個室でゆっくり食事を楽しめます

 今回ご紹介するのは個室料亭「湯の花亭」でいただける会席料理です。食前酒に出てくるのは天坊オリジナルワイン「綺羅樹」。旬を感じる色とりどりの前菜のあとは、蟹しんじょなどが入ったお吸い物、お造り、煮物へと続きます。天ぷらには群馬の最高級ニジマスのギンヒカリや松茸が並ぶという豪華さ。秋の味覚松茸は釜飯でも楽しめます。最後は月見プリンやわらび餅などの入ったデザートで〆。「量より質」の創作料理なので、年配の方や女性にもお勧め。女子会や3世代旅行などにぴったりですね。

前菜
吸物
お造り
煮物
揚げ物
松茸釜飯に赤出汁の小吸物、お漬物
最後は水菓子で締めくくり

 食座「旬の坊」では地産地消のバイキングが人気です。目の前で焼かれている地魚の塩焼きや揚げたての天ぷらなど、ライブ感あるオープンキッチンのスタイルで、できたてのお料理が楽しめます。油淋鶏などの中華料理をはじめ、お寿司にステーキ、数々のデザートなど目移り必至ですよ。

こちらはファミリーに大人気の、食座「旬の坊」での夕食バイキング。朝食もこちらの会場で

 朝食は基本バイキングとなります。味噌こんにゃくや奥利根そば、養鶏農園から直送の産みたて卵の温泉卵など、夕食同様に地産地消をふんだんに取り入れたスタイル。料理長のお勧め料理と書かれていた卵焼きと、焼き立てクロワッサンが特に美味しかったです。ぜひお試しあれ!

「朝食会場はこちらです」とロビー階でペッパーが案内してくれました
食座「旬の坊」の朝。窓から見える外の緑が美しい

 とかく食べ過ぎてしまう朝食バイキングのあとは、お部屋でのんびり食休みしたいところ。チェックアウトは11時なので、もう一度温泉に入ったりもできちゃいます。朝のこの1時間の差ってポイント高いですよね。

1階にある売店。群馬の名産・名物などがずらり
私は水沢うどんと湯の花饅頭をお買い上げ
P1~P7まで500台分の無料駐車場完備。チェックイン前・アウト後もクルマを停めておいてOKというのも太っ腹でありがたいポイント

伊香保温泉の石段街を歩いてきました

かつて渋川~伊香保の間を走っていたチンチン電車の保存展示をしている「峠の公園」。石段街方面に向かう途中にあります

 最後は、今回ぶらり散策してきた伊香保温泉の石段街の様子をご紹介しましょう。ホテル天坊から石段街までは歩いて15分ほど。ホテル目の前のバス停から乗車できるタウンバス(片道100円)の利用もお勧めです。

石段の数は365段。ここがそのスタート地点です
この石段を作ったのは、あの真田丸(真田幸村)のお父上、真田昌幸なのだとか
温泉街を見下ろす伊香保神社はもうすぐ(ゼーゼー)
紅葉の名所として有名な河鹿橋は伊香保神社からさらに歩くこと10分。11月中旬までライトアップを開催中です。例年に比べで今年は色づきが遅いようです。真っ赤に色づくのは11月中旬になりそうですよ
伊香保温泉ホテル天坊

所在地: 群馬県渋川市伊香保町396-20
TEL: 0279-72-3880
予約: 0279-72-4489

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。