旅レポ

ハワイアン航空のコナ直行便でハワイ島を満喫(その6)

ヒロのモダンなリゾートホテル「グランド ナニロア ホテル ア ダブルツリー バイ ヒルトン」

「グランド ナニロア ホテル ア ダブルツリー バイ ヒルトン」(写真提供:グランド ナニロア ホテル)

 ヒロはハワイ島の行政における中心地でありながら、どこか懐かしい雰囲気がするのんびりとした街だ。周囲には虹が見える滝「レインボー・フォールズ」やショッピングの中心地「ヒロ・ダウンタウン」、日本庭園「リリウオカラニ・ガーデン・パーク」など見どころも多い。また、ハワイ火山国立公園から比較的近いので、キラウエア火山観光の拠点としても外せない場所だろう。

 そんなヒロのなかで今回宿泊したのが、ヒロ湾のオーシャンフロントに立つ「グランド ナニロア ホテル ア ダブルツリー バイ ヒルトン(以下、グランド ナニロア ホテル)」だ。ヒロの海岸にそって走るカメハメハ・アベニューから、ヒロ湾に突き出した小さな半島をめぐる道路バニヤン・ドライブを入ったところにある。元は「ナニロア・ボルケーノズ・リゾート」だったのが、「ダブルツリー・バイ・ヒルトン」ブランドのホテルとなり、一部改装中ながらも再オープンした。

エントランス側から眺めたグランド ナニロア ホテル

フラをコンセプトにしたモダンなホテル

 このグランド ナニロア ホテル、エントランスに入るとガラス張りのロビーの向こうにヒロ湾の景色が広がる。ロビーカウンターの脇を抜けるとテラスから海の方へ出られるようになっており、静かな海岸を散策することが可能だ。

 館内を眺めて印象的なのが、白が基調の内装とフラのモノクロ写真の組み合わせ。もともとヒロは「メリー・モナーク・フェスティバル」でコンテストが行なわれるなど、フラが盛んな土地として知られる場所だ。そのことから同ホテルもフラをコンセプトにしており、写真家キム・テイラー・リース氏によるダンスを撮影した作品を館内や室内に展示。スッキリとしたモダンなインテリアと躍動感あふれるフラの写真のコントラストは、南国リゾート的な雰囲気とはまた違ったオシャレさを醸し出している。

向こう側の海がよく見えて、開放感あふれるロビー
一説にはフラ発祥の地といわれるヒロ。ロビーラウンジのインテリアは「フラ誕生の繭」をイメージしたとのこと
エレベーターホールや廊下など、館内のいたるところにキム・テイラー・リース氏の写真が飾られている
リース氏の写真は客室内にも

 このグランド ナニロア ホテルの建物はマウアケア・ウイング、マウナロア・ウィング、そしてキラウエア・ウィングと火山にちなんだ名前の3つに分かれているのが特徴で、客室数は全320室。そのうちキラウエア・ウィングは2016年12月現在改装中で、宿泊できるのがマウアケア・ウイング、マウナロア・ウィングの部屋のみだ。

 部屋の種類はスタンダード、ベイビュー、ハーバービュー、オーシャンビュー、オーシャンフロントと窓からの風景の見え方によってさまざまな種類の部屋が用意されている。また、なかには海とマウナケアの両方がのぞめるシーニック・オーシャンビューという部屋も。

 ただし注意したいのは部屋によって窓やラナイ(ベランダ)の構成が異なることだ。ベイビュー以降の部屋では部屋から海を見られるが、このうちラナイがついているのはオーシャンビュー、オーシャンフロントの部屋のみ。他の部屋の場合、ベイビューでは全面開けることができないフィックス窓となっており、ハーバービューでは一部が開く窓となっている。

マウアケア・ウイング
マウナロア・ウィング
現在、改装中のキラウエア・ウィング
ハーバービューの場合、窓は上部のみ開くようになっている
オーシャンビューとオーシャンフロントのみ、プライベートラナイが設けられている

フラの写真が印象的な客室

 今回宿泊したのは、1キングベッド・ベイビュー・ルーム。料金は329ドル(約3万7835円、1ドル=115円換算)だ。眺望はベイビューということで、建物や庭を超えてヒロ湾を眺められる。筆者の部屋からは海と湾の向こうの風景が一望できた。リース氏の作品が飾られた室内は、現代的な無駄の少ないクールな内装ながらもハワイアンスピリットが感じられる空間となっている。

部屋は、余計な装飾のないインテリアとモノクロのフラ写真でモダンな雰囲気に
全面フィックス窓のベイビューの部屋からは入り江の景色が眺められた

 ベッド以外の設備は、ワーキングデスク、テレビ、1人用ソファ、クローゼットとなっており、水回りはバスタブとトイレ、洗面所が1室となったユニットタイプだ。なお、客室によっては部屋の真ん中にバスタブが設置され、海を見ながら入浴可能な部屋も用意されている。

 なお、アメニティはダブルツリー バイ ヒルトンのホテルで使われている自然志向のブランド「AROMA ACTIVES」。シャンプー、コンディショナー、ローション、フェイスソープ、ボディソープがそろっている。

テレビ、ソファ、クローゼットとコンパクトにまとまったワーキングデスクまわり
クローゼットの中にセイフティボックスが
ベッドの照明下に電源とUSBポートが各2口、用意されている
ワーキングデスクの脇にも電源とUSBポートが2口ずつ
今回宿泊した部屋はバスタブと洗面所、トイレが一体になったユニットタイプだった
アメニティはダブルツリー バイ ヒルトンで採用されている「AROMA ACTIVES」ブランド
部屋によってはお風呂から海が見えるようにバスタブが配置されたものも

 また、室内には冷蔵庫とコーヒーメーカーに加え、電子レンジが設置されているのがポイントだ。ヒロはコナに比べて気温が低め。部屋でちょっと温かいものが欲しくなったときなどに心強い。

コーヒーメーカーではコナコーヒーが楽しめる
冷蔵庫と電子レンジも設置されている

グランド ナニロア ホテルの施設とアクティビティ

 なお、グランド ナニロア ホテルの敷地内にはプールやフィットネス施設が用意されているほか、レンタル自転車でのサイクリングやフィッシングを楽しむことができる。また、ホテルではハワイアンカヌー作りの見学や、フラやレイメイキングといったハワイカルチャーを体感できるイベントや教室を開催しているとのこと。

 ロビー階にはアクティビティ提供会社「カポホキネ・アドベンチャーズ」の旗艦店もあり、さまざまなアクティビティの受付を行なっているだけではなく、店内ではおみやげ物やハワイアングッズの販売も行っている。

晴れた日はヒロ湾湾岸の景色が一望できるプール(写真提供:グランド ナニロア ホテル)
フィットネス施設も用意されおり旅先でもワークアウトが可能(写真提供:グランド ナニロア ホテル)
敷地の一角ではハワイアンカヌーが製作され、見学が可能
「カポホキネ・アドベンチャーズ」のショップ

 なお、グランド ナニロア ホテルで食事ができる施設はロビー下の階に設けられたレストランスペース「サンダルウッド・ダイニングルーム」のみ。地元の食材を活かした料理をビュッフェ形式で提供している。営業時間はブレックファストが6時30分~9時30分、ディナーが17時30分~20時30分。

 また、ロビーラウンジにはバーが併設されており、ヒロ湾の景色を楽しみながらビールやワイン、トロピカルドリンクなどを楽しむことが可能だ。こちらは営業時間が17時~22時。

グランド ナニロア ホテルのレストラン「サンダルウッド・ダイニングルーム」
ブレックファストだけでなく、ディナーもビュッフェ形式
ロビーラウンジも夕方以降はバーとして大人のひとときが過ごせる

 さらに、ホールおよびミーティングルームが充実している。最大収容人数400人の「クラウンルーム」、125人の「ホーマリマリ」、50人の「パームルーム」がある。クラウンルームではコンサートなどが開催され、ホーマリマリやパームルームは、イベントはもちろん、会議をはじめとするビジネスユースでも利用可能だ。また、ホテルの一角にはプリンターが利用できるスペースも設けられている。

「クラウンホール」ではハワイアンのライブなどを見ることができる
ビジネスイベントにも使える「パームルーム」(写真提供:グランド ナニロア ホテル)
館内にはプリンターが利用できるスペースも

 ヒロ湾のそばに立つグランド ナニロア ホテル。立地が半島状になっているため、海の上のホテルといった風情になっている。市内へのアクセスのよさがありながらも、なおかつ大通りから離れた場所に位置しているので穏やかなひとときが堪能できるだろう。

 先述したようにどこかのんびりして懐かしい雰囲気がするのが魅力であるヒロの街。グランド ナニロア ホテルは“アクティブに動きたい派”の拠点としても便利なのはもちろん、日ごろの喧騒を忘れて“静かな空間で過ごしたい派”にとって心落ち着く場所となるはずだ。

波も少なく、どこかアンニュイで静かな雰囲気のヒロ湾

丸子かおり

フリーライター/編集者。主にIT系の記事を執筆することが多いが、科学系の書籍や料理本を手がけることも。趣味はごはん・手芸・デジタルなどジャンルを問わない自作。著書は「AR<拡張現実>入門」(アスキー新書)、「放射線測定のウソ」(マイナビ新書)など。ブログはhttp://mrk-reco.com/