旅レポ

ハワイアン航空のコナ直行便でハワイ島を満喫(その2)

絶景を見ながらコーヒーを試飲! ドトール マウカメドウズ・オーシャンへ

ドトール マウカメドウズ・オーシャンで素晴らしい景色を楽しみながらコーヒーを試飲

 ハワイアン航空の羽田~コナ線の初便に乗って始まったハワイ島取材旅行。前回の「ハワイ島のカワイハエ湾でクジラとサンセットを楽しむクルーズを体験」で、海のアクティビティを体験してきた。しかし、海だけでなく山も楽しめるのがハワイ島の魅力だ。火山、星空観測、森や滝などさまざまな名所やアクティビティがあるが、コナコーヒーにまつわるスポットがあるのはご存知だろうか。

 コーヒーの銘柄はさまざまあるなか、コナコーヒーはキリマンジャロ、ブルーマウンテンと並ぶ有名なブランドで、ハワイみやげとしてもおなじみの一品。そんなコナコーヒーの農園が観光スポットとなっており、ドトールのコーヒーファームもその一つ。

 ドトールといえば多くの方がご存知のコーヒーショップだが、ドトールコーヒーハワイはフアラライ山の中腹にマウカメドウズ・オーシャンというコーヒーファームを運営している。

 今回はマウカメドウズ・オーシャンを訪れて、実際にコナコーヒーを試飲してきた。

ガーデンで自由な時間をゆったりと

 コナコーヒーが産出されるのはハワイ島のなかでも限られた場所。ハワイ島の西側にあるフアラライ山からマウナロアにかけての南北40km、標高300、400mから700、800mあたりの地帯が「コナコーヒーベルト」と呼ばれ、この場所で採れたコーヒーのみがコナコーヒーになるという。ドトール マウカメドウズ・オーシャンがあるのももちろんコナコーヒーベルトの中だ。

 クルマでフアラライ山に向かう途中、車内から外を見ると、黒い溶岩むき出しの土壌だったのが、標高が上がるにつれ緑が多くなってくる。ハワイ島のなかでも山の中腹あたりの地帯は肥沃な火山性の土壌に加え、雨量や気温、日照時間などコーヒー栽培における最高の条件を備えているという。

窓から見えるフアラライ山。土地は黒い溶岩がむき出しだ
フアラライ山を登っていくと緑が増え、コーヒー畑が見られるように

 ドトール マウカメドウズ・オーシャンに到着し、デッキを渡ると自然豊かなガーデンが見え、一瞬「本当にコーヒーファーム?」と思ってしまう風景が広がる。実はこのガーデンこそがドトール マウカメドウズ・オーシャンの見どころの一つ。来た道を振り返ると、眼下にカイルア・コナの町とコナコーストが一望できる。

 また、ガーデンにはさまざまなフルーツの木が植えられており、訪れた観光客が取って食べてもいいとのこと。ガゼボ(西洋風東屋)やハンモックもあって、自由な場所で思い思いの時間を過ごすことも可能だ。ただし、このガーデンは一部ツアーのみに開放されているとのこと。一般公開はしていないので注意してほしい。

180号を走るとドトールの看板が見えてくる
デッキを渡ると農園内のガーデンへ
広場内では一休みできる場も設けられており、ガーデン内の果物は自分で収穫して食べることも可能
ガーデンの広場から見えるのはカイルア・コナの町とコナコースト
広場にはなんとハンモックも

「永遠の泉」で絶景を楽しみながらコーヒーの試飲

 ガーデンでしばし休憩したあとは、さらにツアーのクルマで農園の奥へ。車窓の外に目をやるとコーヒーの木々が見えてくる。今回訪れたのは12月の下旬で、コーヒーの実である“コーヒーチェリー”の収穫は終わってしまったが、ドトールハワイの人によると10月~11月前半なら熟した真っ赤な実が見られるとのこと。また、コーヒーチェリーだけでなく植栽や開花など季節ごとに違った趣きが楽しめるそうだ。

 農園を上ること数分、テラスが見えてくる。ドトール マウカメドウズ・オーシャンでは、ここでコナコーヒーの試飲を行なうことが可能だ。コナコーヒーは酸味や苦みが少なく、まろやかで飲みやすいのが特徴。実際にいただいて飲んでみたらまさにそのとおりで、スムーズでスッキリとした味わいが印象的だった。

広場から農園の脇を抜けてさらに上へ
コーヒーの試飲や購入ができるテラス
コナコーヒーをコーヒーファームで試飲
優雅な気持ちでくつろげそうなテラス内

 そして、先のガーデンも町や海の素晴らしい風景が見渡せたが、一番のオススメがここのテラスからの眺め。というのも、テラスの先に「永遠の泉」という噴水付きのプールが設けられており、噴水の水がその先に見える海に流れ込んでいるように見えるのだ。天空の湖といった雰囲気の風景でコーヒーを試飲できるのは珍しい体験。いつまでも見ていたい絶景である。

永遠の泉と海、2つの景色が合わさるのが美しい

農園で採れた豆は日本だけでなくハワイでも販売

 なお、このドトールのコーヒーファームは種から苗を育て、実を収穫して焙煎するところまで全工程を行なっている。そのような農園はコナのなかでも数少なく10社ほどだという。

 ドトールのコーヒーファーム全体で収穫されたコーヒー豆は、もちろん日本に輸出され、ドトールで販売されているが、全収穫量の1/5~1/4はハワイでも売られているとのこと。今回訪れたマウカメドウズ・オーシャンで収穫した豆は、農園でも産地限定商品の100%コナコーヒーとして販売されている。

 コーヒー豆には通常の平べったい豆以外に、収穫したうち4%しかとれない珍しい丸い豆「ピーベリー」というものがある。このピーベリーは焙煎すると普通の豆とまた味が違ってくるので珍重されているが、ドトールで収穫されたピーベリーはハワイのみの出荷になるそうだ。

 テラス内には販売コーナーがあり、そこでドトールのハワイ商品を買うことができる。もちろんピーベリーも購入可能。

販売コーナーでは、ハワイでしか売られていないドトールのコーヒー豆が購入できる
左はコーヒーチェリーから取り出した種を乾燥させたもの。そのあと、種の薄皮を取って焙煎する
農園内にはコーヒー豆を焙煎するための建物もある

 日本でおなじみのドトール。そのコーヒーファームを観光できるのは意外に思えるかもしれない。しかし実際に行ってみると、コーヒーの木が植わっている風景が見られるのはもちろん、記事で紹介したように素晴らしい景色が楽しめるスポットだった。

 ただ、場所がクルマではないと来られないところなので、レンタカーを使うか、または旅行会社がオプショナルツアーとして設定しているのでそれに参加するのがよさそうだ。ぜひ、テラスからの風景を眺めつつのコナコーヒー試飲は体験してみてほしい。

丸子かおり

フリーライター/編集者。主にIT系の記事を執筆することが多いが、科学系の書籍や料理本を手がけることも。趣味はごはん・手芸・デジタルなどジャンルを問わない自作。著書は「AR<拡張現実>入門」(アスキー新書)、「放射線測定のウソ」(マイナビ新書)など。ブログはhttp://mrk-reco.com/