旅レポ

【初詣】ホノルルで新年を迎えるなら「ハワイ出雲大社」へ

庶民の足「TheBus」でハワイ出雲大社に行ってみた

米国ハワイ州オアフ島ホノルルにある「ハワイ出雲大社」。島根県の出雲大社の分社となる

 パワースポットの代名詞である出雲大社。それがハワイにもあるという。筆者は一昨年(2013年)、昨年(2014年)と2年連続で島根県の出雲大社を訪れているだけに、「ハワイの出雲大社にも絶対行く!」と決意。そこで「JALホノルルマラソン2016」取材で訪れたホノルルで、自分ミッションを敢行することにした。

 ハワイ出雲大社があるのはダウンタウンのさらに奥。ワイキキ・トロリーの路線が及んでいないエリアになる。トロリーバスはツアーで行くとチケットが付いていたり、JCBカードを見せるだけで無料で乗車できたりするので、ワイキキの移動にとても便利。しかしその移動手段が使えず、最寄りのバス停は地元の人たちが利用する「TheBus」の「Hotel&River」という場所になるそう。ほぼ英語が話せないのに辿り着けるだろうか……。

 そもそも「TheBus」はホノルル市の公営バスで、その路線は100以上。バス停の数は約4200にも及び、オアフ島内全域をくまなく走っている。まず路線を調べてみようと公式サイトを見てみたが、英語がズラズラと並んでいて拒否反応……。ただ、「DaBus」というアプリの情報が目に入り、取りあえずスマートフォンにインストールしてみることにした。ところがこのアプリ、素晴らしく使えるものだった!

DaBus

iOSアプリ

Androidアプリ

 東京のバスの運行情報を手軽に調べられる「バスあと何分?」というアプリがあるが、この「DaBus」はそれを上回る便利さ。一番嬉しかったのは日本語表記だったことだ。現在地から手軽に最寄りのバス停を調べられ、バス停のマークをタップすると行き先が表示される。そして「最新到着案内」で、およそ何分後にバスが到着するかが分かる。

「DaBus」のアプリ。まず「最寄りバス停」をタップする
バス停マークをタップするとバス停の名称を表示
バス停マークの矢印から「最終到着案内」を選択
何分後にどのバスが到着するかを一覧でチェックできる。バス停名称の下に、このバス停に停車するバスの番号を記載

 ここまでは普通なのだが、さらに特定のバスを選択すると、今、どの辺りまでバスが到着しているのか、地図上に行き先ルートとともに表示してくれる。このマップをピンチインして縮小すれば、ちゃんと目的のバス停方面に行くバスかどうかが確認できるのだ。

「これなら出雲大社まで行けそうだ!」。ドキドキしながら20番のバスが止まる最寄りのバス停「KUHIO AVE+PAOAKALANI AVE」に向かった。なお何番のバスに乗るかは、ハワイ出雲大社の最寄りのバス停「Hotel&River」の情報をチェック。「最新到着案内」ページに何番のバスが止まるかが書かれてあるので、同じ番号が書かれているバス停を、ホテルの近くのバス停から探し出した。この作業にやや手間取ったが、○○行きと書かれている方面を土地勘がないまま探すよりも、しらみつぶしにバス停の番号を調べた方が手っ取り早かった。

特定のバスを選択すると、今、どの辺りまでバスが来ているか、地図上で確認できる
地図をピンチインすると、バスのルートが確認できる

 ここで「TheBus」の基本情報。運賃は距離に関係なく1回2.5ドル(約293円、1ドル=117円換算)。つまり遠くに行けば行くほどお得だということ。お釣りはでないので、ちょうどの金額を用意して乗車しよう。4日間乗り放題チケットもあり、それは35ドル(約4095円)。ABCストアや一部のセブン-イレブン、TheBus Pass Officeなどで購入できる。もちろん ワイキキとホノルル空港を結ぶ路線もあるのだが、車内に持ち込める荷物はひざの上に乗る程度のもののみなので、スーツケースを持っての乗車はできない。

 バス停で20番のバスの到着を待ち、前のドアからバスに乗り込む。運賃は紙幣とコインそれぞれを入れる場所があり、自動販売機と似たスタイルだったので戸惑うことはなかった。お金を支払うと、何やらチケットを手渡された。調べるとこれはトランスファー・チケット(乗り換え券)というもので、チケットの切れ目に書かれた時刻までなら乗り換えできる。バスを乗り継いで目的地に行きたい人は、バスに乗る際にトランスファー・チケットをもらうようにしておこう。

最寄りのバス停。屋根があり、座って待てた
バス停の案内板に何番のバスが止まるか書かれているので安心
このバスに乗り込んだ。乗車は前からで、降りるのは前からでも、中央からでもどちらでもいい
乗車時に渡されたトランスファー・チケット。筆者が乗ったのは15時30分頃。約3時間後まで乗り換えできる

 ちなみにバス内の「COURTESY SEATING」と書かれたシートは優先座席。日本のバスと同じように、降りたいバス停が来たら車内のボタン「STOP」を押すスタイル。違ったのはバスのドアが自動で開かないところ。降りるときに「えっ?開かない!」と焦ったが、扉を手で押すと簡単に開いた。車内ではGoogle Mapを立ち上げて、ちゃんと目的地に近づいているかを確認。途中、バスに一般乗用車が追突するというハプニングがあったものの、すぐに代わりのバスが到着して、何事もなかったようにスタートした。

 約40分後、無事、「Hotel&River」に辿り着くことができた。目的地のハワイ出雲大社は川沿いを歩いてすぐ。到着した憧れのハワイ出雲大社は、日本の出雲大社をコンパクトにしたような造りだった。ここだけ見ていると、ここがハワイであることを忘れそうだ。ちなみにハワイ出雲大社は、1906年(明治39年)に日系移民への神道布教を目的とした出雲大社教会所が開設されたことが始まり。現在の大社造りの社殿は、1922年(大正11年)に完成し、2016年10月9日には創祀110年奉祝記念大祭行事が盛大に執り行なわれたとのこと。

出雲大社前のヌアヌ川。付近にはチャイナタウンがあり、川沿いではマージャンに興じる人たちを多数目撃
来ました、出雲大社! ここだけを見るとまるで日本のよう

 出雲大社の鳥居をくぐって、まず手水舎で身を清める。ペーパータオルが設置されているところが便利。ハンカチを取り出す手間がないので、日本でもぜひこのスタイルにしてもらいたいほど。そして階段を上がって本殿で参拝。通常の神社では「2礼2拍手1礼」だが、出雲大社の場合は「2礼4拍手1礼」。この参拝方法は日本語で案内がある。お賽銭箱にも「アメリカの貨幣をご使用下さい」と日本語で書いてあるので、予備知識なしで訪れても困ることはないだろう。

手水舎。ペーパータオルがやや違和感だが、手や口を清めてサッとふけるのは実に便利
本殿には注連縄があり、荘厳な雰囲気。大きさこそコンパクトだが、しっかり御利益がありそうだ
神社の屋根の上の千木が地面に垂直の外削ぎになっているのは男神の印。出雲大社では大國主大神を祀っている

 本殿の隣に社務所があって、そこでお守りを購入できる。本家の出雲大社のお守りのほか、ハワイ独自のお守りもあった。マラソンのお守りは、ホノルルマラソンを走るランナーなら手に入れたいところ。筆者は御朱印を集めているので、3ドルをお供えして半紙のものを受け取った。かなり空いていたおかげで、参拝時間は10分程度。筆者のほかには、現地のオプショナルツアーだろうか、ガイドと来ていた5~6名の女子のみだった。

社務所の案内は日本語。社務所のスタッフも日本人だったので何ら困らなかった
社務所の横に販売しているお守りを展示。社務所の中はあまり広くないので、入り口でしっかり吟味しよう。マラソン用のお守りがあるのがホノルルらしい

 見事、ミッションを達成し、出雲大社を後にした筆者。帰りのバスでは周囲を見渡す余裕もでき、バスの中からホノルル観光もできて大満足だった。これからは「TheBus」で遠方の観光地にも行けそうだ。ただし、停留所で止まる分、やはり時間はかかってしまう。今回もタクシーで行けば15~20分くらいの道のりを40分くらいかけて行ったので、時間と相談しながらうまく活用してみたい。

左がハワイの出雲大社の御朱印3ドル。御朱印帳を持っていくと2ドルになる。右は日本の出雲大社の御朱印。ハワイの方がポップで賑やか
出雲大社は縁結びの神様だが、筆者はお金との縁を結びたくて(笑)、金運のお守り7ドルを購入。購入した時に御洗米ももらった。御利益に期待したい

綿谷禎子

情報誌の編集部、編集プロダクションを経て独立。現在はビジネス誌での執筆を中心に、企業向けWebサイトやアプリ紹介サイトなどの運営にも携わる。