旅レポ
JALの快適・快速クラス「プレミアムエコノミークラス」でホノルルへ
羽田、関空、セントレア~ホノルル線に導入。9月1日からは成田にも
2016年8月19日 07:00
JAL(日本航空)が展開する国際線の中で多数の便を用意しているのが日本からハワイへ向かうホノルル線。成田国際空港からは1日3便、羽田(東京国際空港)、セントレア(中部国際空港)、関西国際空港からはそれぞれ1日1便飛んでいる。さらに、9月、10月、11月、そしてホノルルマラソン期間の12月には、成田~ホノルル線を1日1便(JL8782便)追加。高い利便性を提供している。
成田~ホノルル線
JL786便:成田(19時50分)発~ホノルル(08時10分[08時30分])着、SS6
JL784便:成田(21時05分)発~ホノルル(09時25分[09時45分])着、SS6
JL782便:成田(22時00分)発~ホノルル(10時05分[10時30分])着
羽田~ホノルル線
JL80便:羽田(23時40分)発~ホノルル(11時55分[12時15分])着
セントレア~ホノルル線
JL794便:セントレア(22時05分)発~ホノルル(10時35分[10時55分])着
関空~ホノルル線
JL792便:関空(22時10分)発~ホノルル(10時55分[11時15分])着
ホノルル~成田線
JL785便:ホノルル(09時40分[10時15分])~成田(13時25分)着、SS6
JL783便:ホノルル(12時35分[13時10分])~成田(16時20分)着、SS6
JL781便:ホノルル(13時30分[14時05分])~成田(17時05分)着
ホノルル~羽田線
JL89便:ホノルル(18時15分[18時50分])~羽田(22時00分)着
ホノルル~セントレア線
JL793便:ホノルル(12時10分[12時45分])発~セントレア(16時10分)着
ホノルル~関空線
JL791便:ホノルル(14時10分[14時40分])発~関空(18時30分)着
※1、[ ]内の時刻は2016年6月1日~9月30日の運航時刻
※2、このほか成田~ホノルル(JL8782便)、ホノルル~成田(JL8781便)の臨時便がある
上記のように多彩な時間帯や地域で設定しているJALのホノルル線だが、新機材の導入にも積極的。成田の3便中2便は、Wi-Fiサービス付き最新機材の1つであるSS6(SKY SUITE 767)だし、そのほかの機材についても順次プレミアムエコノミークラスを導入している。
羽田~ホノルル線は2016年1月7日から、関空~ホノルル線は7月17日から、セントレア~ホノルル線は8月1日からプレミアムエコノミークラスをすでに導入しており、JL782/781便の成田~ホノルル線は9月1日より導入する予定だ。ここでは、羽田~ホノルル線のプレミアムエコノミークラスの体験記を紹介していく。
ビジネスクラス並みの快適度で出国できるプレミアムエコノミークラス
今回、ホノルルに行く際に利用した羽田~ホノルル線は、JALが持つホノルル線の中でも、最も遅い時間帯に日本を出発するのが特徴となっている。この時間帯であれば、都心や横浜地区に近い羽田空港の立地を活かして会社帰りにリゾートへ向かうことや、ホノルル便のない国内地方空港から乗り継ぎで利用するのも容易だ。しかも、プレミアムエコノミークラスであれば、エコノミークラスにはないサービスが付帯している。
そのいずれもが旅の快適度を高めるためのもので、日本からの出発時はプレミアムエコノミークラス専用カウンター&優先手荷物受け取り指定や、JALのラウンジ「サクララウンジ」が使用できる。プレミアムエコノミークラス専用カウンターがあることで、長い列に並ぶ可能性がほとんどなく、優先手荷物受け取り指定を受けることでホノルル空港到着時にすぐに手荷物を受け取ることができる。
実際にプレミアムエコノミークラスのカウンターを利用してみたが、列には人が並んでおらずすぐにチェックインを終えることができた。また、優先手荷物受け取り指定は、ビジネスクラスと同じもので、うれしかったのも事実。ホノルル空港到着時に、延々と荷物が出てくるのを待つこともなく、ハワイでの時間を有効に使えるだろう。
もう一つの大きなメリットであるサクララウンジは、必ず利用したいところ。羽田空港の国際線ターミナルには2つのサクララウンジがあるが、いずれも豪華なもので、さまざまな種類のお酒があるほか、JAL国際線ラウンジ利用者にはおなじみとなっている「JAL特製ビーフカレー」を食べることもできる。また、専用Wi-Fiやホテルクオリティのシャワーなどもあるため、出発時刻までの時間を有効に使うことができる。ビジネスクラスより安価なプレミアムエコノミークラスでありながら、ビジネスクラス並みのサービスを利用することができるわけだ。
ハワイでの時間を有効に使いたいなら、ホノルルまでは寝て過ごすのがベター
サクララウンジでのサービスを堪能していたら搭乗時刻が近づいてきたので搭乗口へ向かう。日本からハワイに行くには、まずはホノルル空港へということになるが、JALに限らず多くの便が日本を午後に出発し、ホノルル空港には午前中もしくは昼過ぎに到着する。所要時間はいずれも7時間~7時間半程度。この時間をいかに過ごすかが、ハワイでの快適度を上げるためのポイントなる。
記者のお勧めはとにかく“寝る”こと。この移動時間をしっかり寝ることができれば時差ぼけなくハワイを楽しむことができる。逆にしっかり寝ることができないと、ボケボケのまま1日を過ごすこととなり、貴重なリゾートタイムを失ってしまうことになりかねない。つまり、いかに機内でしっかり寝ることができるかどうかが、ホノルルへ到着して以降の予定に影響してくることになる。
JALが2016年からホノルル線に新設したプレミアムエコノミークラスは、この“確実に睡眠を取る”ということを考えた場合、とてもお勧めだ。機材はボーイング 777-200型機でWi-Fiのある最新のSKY SUITE仕様ではないが、シートはシートバックシェルが装備された「JAL スカイシェルシート」になる。シートバックシェルを装備しているため、後ろの人に迷惑をかけることなくリクライニングでき、シートピッチもエコノミークラスから20%アップの97cmを確保。この機に装備されたビジネスクラスの「JAL シェルフラットシート」ほどではないものの、十分寝やすい姿勢を作ることができる。
とくに羽田~ホノルル線の場合、出発時刻が深夜帯でもあるため食事が軽食のみとなっている。であるなら、ラウンジで特製ビーフカレーをしっかり食べ、アルコール類が飲める人は美味しい酒を飲み、搭乗したときからドカンと寝てしまうのがお勧めだ。JAL スカイシェルシートであれば、あまりまわりの人も気にすることなく寝ることができる。Wi-Fiもないので、ビジネスに追いまくられることなく、あきらめの境地でゆっくり寝られるのも羽田~ホノルル線のよいところかもしれない(ハワイまでがっつり働きたい人は、成田~ホノルル線のSS6でビジネスクラスがお勧め)。
基本的にエコノミークラスとプレミアムエコノミークラスの食事は同じだが、プレミアムエコノミークラスのみ「うどんですかい」などの軽食を取ることができる。ラウンジでしっかり食べることができなかった、などの場合にはうれしいサービスとなる。
また、エコノミークラスでは注文できないが、プレミアムエコノミークラスでは注文できるドリンクもある。例えばシャンパン「シャンパーニュ・ガルデ ブリュット・トラディションN.V.」や、焼酎「芋焼酎 富乃宝山」などブランドが明確になっており、酒好きであればこの点もプレミアムエコノミークラスのメリットになるだろう。
ただ、自分は酒を飲むとなにもかも面倒になってしまうため、普段はあまり酒を飲まないタイプ。なので、プレミアムエコノミークラスのソフトドリンクメニューに炭酸水「ペリエ」があったのは感動した。CA(客室乗務員)さんに確認すると、このペリエはエコノミークラスにはなくプレミアムエコノミークラスならではのドリンクだという。“寝るべし”と書いておきながら、あれこれ作業が発生していたため、結局ホノルルに到着するまでにペリエを3缶いただいた。
しばし、睡眠。
羽田~ホノルル線では、到着前の軽食がメインディッシュとなる。JALは羽田~ホノルル線の機内食として、ホノルルで人気のカフェレストラン「Cafe Kaira(カフェ・カイラ)」とコラボレーション。「カフェ・カイラ for Resort」としてカルアピック丼をメインディッシュ、パンケーキをサイドディッシュとした朝食を提供している。味は結構シンプルで、半熟玉子もあって朝食にはちょうどよい感じ。プレミアムエコノミークラスのウリでもあるシャンパンを全く飲んでいなかったので、ここで無理矢理合わせてみたが、個人的にはペリエがお勧めだ。ホノルル到着後レンタカーを借りる予定がある人も、もちろんノンアルコールで。
このカフェ・カイラ for Resortには、2つ折りの小冊子が付属しており、カフェ・カイラ全店(ハワイ本店、表参道店、横浜店)でのドリンク無料チケットも用意されている。日本のカフェ・カイラは行列必至の人気店だけに、ハワイの本店で利用するのがよいだろう。
食べたり撮影したりしていたら、ホノルル空港のあるオアフ島が機窓に見えてきた。このJL80便の場合、夏期には6時間~7時間ちょっとでホノルル空港に到着するようで、この日は6時間12分で到着。12時前にはホノルルの明るい日差しの下にいた。
ホノルル空港到着時には入国審査があるのだが、2016年3月からはホノルル空港にAPC(Automated Passport Control、自動入国審査端末)が導入されている。これは過去にESTAを使って米国への渡航歴があれば、このAPCを使っての入国ができるもの。今回はこのAPCを使って入国し、スムーズに入国審査を終えることができ、素早く預け入れ手荷物受け取りエリアに。ちょうど預け入れ手荷物が出始めたところで、ほとんど待つことなく羽田で預けた自分の手荷物が出てきた。優先手荷物受け取りタグの威力を実感できる瞬間だ。
この辺りのエリアは撮影禁止のため紹介できないのが残念。APCでスムーズに入国し、優先手荷物受け取りタグで素早く荷物をピックアップするという流れを一度体験すると、「次もこれかなぁ~」と思ってしまうほどだった。
ホノルル空港からワイキキに移動し、ホテルでのチェックインをすませたらお腹が空いてきた。ここで行くべきは、機内食で味わったリアル店舗のカフェ・カイラだろう。機内食と一緒に付いてきた小冊子の地図を頼りにカフェ・カイラへ向かった。
JALでハワイへ行くのは便利
今回はJALのプレミアムエコノミークラスでホノルル空港に到着したが、JALはハワイ旅行に力を入れているだけに、旅行客へさまざなサービスを提供している。その代表的なものが、個人利用客であれば申し込めるJALOALO(ジャロアロ)カード。このJALOALOカードは、JALのホノルル便のチケットを購入すると申し込み可能になり、申し込むとハワイ出発前に自宅(もしくは指定の送付先)に送られてくる。
このJALOALOカードを、特典利用可能な店舗で見せるだけで、レストランであればデザートが1品おまけで付いたり、ドリンクが1杯無料になる。詳細な説明は、JALのWebサイト「JALOALOカード」を見ていただきたいが、ホテルの特典やショップの割り引きなど多くのサービスが用意されている。
その中で最も利用価値が高いと思われるのが、JALがワイキキで運用しているジャルパック・トロリーのレインボートロリーでアラモアナルートが乗り降り自由で使えること。ジャルパックに限らず、各種大手旅行代理店はワイキキ地区を中心に多数のトロリーを運用しているが、個人旅行客でもそのうちの1つを自由に使えるようになるわけだ。
もちろんジャルパック利用者との差別化も図られており、ジャルパック利用者であれば、カイムキ・カハラルートやダイヤモンドヘッドルート、2階建てバスのレインボースカイが使えるのに対して、JALOALOカードではアラモアナルートのみ。とはいえ、アラモアナルートが最も利便性の高いルートでもあるので、要はうまく使えばよいだけのことだ。
今回は、そのアラモアナルートと使ってワイキキのホテルからアラモアナセンターへ向かい、4月1日にからJALOALOカードでの特典店に加わった「Asahi Grill(アサヒグリル)」で夕食。JALOALOカードを提示して、ソフトドリンク1杯を無料でいただいた。
羽田への帰国はプレミアムエコノミークラスが便利
今回は帰路も羽田空港を選択し、プレミアムエコノミークラスへと搭乗。ホノルル~羽田線のJL89便のよいところは、ホノルル空港出発時刻がJAL便の中で最も遅いこと。この時は夏時間のため、ホノルル発が18時50分。ホテルをレイトチェックアウトして、ゆっくり遊んで空港へ向かっても余裕のある出発時刻だ。
JALはホノルル空港にもプレミアムエコノミークラス専用チェックインカウンターを用意しており、当然ながらそこでチェックイン手続きを行なう。往路と同様に預け入れ手荷物にビジネスクラスと同様の優先タグを付けてもらえ、その後出国審査へ。往路の羽田便でも効力を感じた優先タグだが、復路の羽田便では人によってさらなる効果を発揮するだろう。
というのは、ホノルルを遅くに出発するだけあって、羽田便の羽田空港への到着予定時刻は22時と遅い。羽田空港の近くに住んでいる人には問題のない時刻だろうが、ちょっと遠くに住んでいる人にとってはなかなか厳しい時刻。たとえ定時到着率世界一のJALだとしても、天候要因などによっては遅れてしまうこともあるため、この到着時刻は羽田便を選ぶ際のポイントになる。
その際に、少しでも助けになるのが預け入れ手荷物の優先タグ。このタグが付いているとビジネスクラスと同様のタイミングで荷物が出てくる可能性が高く、税関を抜ける時刻を早めにできる。とくに終電や終バスが近い時刻の場合、少しでも早く接続交通機関にたどり着けるのはプレミアムエコノミークラスのよいところだろう。
JALは多数のホノルル便を用意しており、その機材もさまざま。さらに今後の予定としては、前述のように9月1日からJL782/781便の成田~ホノルル線にプレミアムエコノミークラスが投入されるほか、既報のとおり成田・セントレア・関空発のホノルル線は、機内食が資生堂パーラーと提携した「資生堂パーラー for Resort」へと刷新される(羽田~ホノルル線は朝食メニューのため、「カフェ・カイラ for Resort」を継続)。
また、10月30日以降は、下記のように羽田~ホノルル線の発着時刻が変更される。この変更により、往路のホノルル滞在時間は若干伸びるものの、帰路のホノルル滞在時間は若干減ってしまう。しかしながら、羽田の到着時刻が19時50分となったことで、多くの人にとって使いやすい時間帯になる。
2016年10月30日以降の羽田~ホノルル線
JL080便:羽田(22時55分)発~ホノルル(11時00分)着
JL089便:ホノルル(15時45分)発~羽田(翌日19時50分)着
※2016年12月1日から2017年2月28日はJL080が20分早着、JL089が20分早発
さらにこの羽田~ホノルル線には、2017年1月以降にJALの最新仕様機である「JAL SKY SUITE 777(SS2)」の投入が予定されている。このSS2が投入されれば、プレミアムエコノミークラスのシートは最新の「SKY PREMIUM」となり、さらに快適度が向上するはずだ。但し、このSS2ではエコノミークラスのシートも“新・間隔エコノミー”シート「SKY WIDER」となるため、こちらも快適度が向上。“フルフラット&全席通路アクセス”の新ビジネスクラスシート「SKY SUITE」も装備するため、選択肢が大きく広がることになる。
いずれにしろ、個人旅行でハワイへ行くのであるならJALOALOカードは便利なので、JALで行くというのはありだろう。今回は体験する時間がなかったが、JALは「無料体験プログラム」というサービスも用意しており、海辺でのモーニング・フラ、サトウキビ列車での旅、カイルアやハレイワの散策といったアクティビティを1つだけ無料で楽しめる。JALのハワイ旅サイト「RESORTFUL! JAL HAWAII」を見つつ、あれこれプラニングしてみるのもよいだろう。