旅レポ

屋根がない!? 南国リゾートな雰囲気のコナ空港を利用してみた

開放的な雰囲気のコナ空港からホノルルへ。ホノルル空港ではハワイアン航空のプルメリア ラウンジも体験

晴れた空にそよぐヤシ。そして目の前に見えるはコナ国際空港

 ハワイアン航空の成田~ホノルル線初便の搭乗からスタートしたハワイ取材旅行。ハワイ出雲大社やマウアケア山などといったスポットをまわってきたがいよいよ終盤。ハワイ島のコナ空港から成田空港に戻るため、まずはホノルルに向かうのだが、なんといっても驚きなのがコナ空港の空港とは思えない雰囲気。今回はコナ空港と、併せてホノルル空港のハワイアン航空「プルメリア ラウンジ」の様子も紹介していきたい。

南国感あふれオープンすぎるコナ空港

 思えば、ハワイ取材旅行に行く前、ツアーを企画した会社の方から「コナの空港のターミナルには屋根がありませんよ」と笑顔で聞かされ、「えー本当ですか?」と懐疑的な返答をしてしまったのだが、実際にホノルル空港からコナ空港に到着してみたら……。

コナ空港の第2ターミナル

 本当に屋根がなかった。

 念のために説明すると、写真は空港の建物の外に出て撮ったものではなく、コナ空港到着時に第2ターミナル内で撮影したものだ。ただし「屋根がない」といっても、ないのはターミナルの中央部分だけ。もちろん、チェックインカウンターや保安検査場、搭乗口の待合所にはちゃんと屋根があるので心配ない(壁はほとんどないが)。空港はコテージ風の平屋建ての建物が並んでいて、オープンすぎる雰囲気。空港到着時からリゾート気分が味わえる空港だ。これも日本と違い、年間降雨量が少ないハワイ島ならでは。

 ハワイ島初日、コナ空港に到着した際は弊誌記事「サンセットと天の川は見られるのか? マウナケアの観測ツアーに参加してきた」でも紹介したとおり、悪天候で便が遅れた関係でスケジュールが押し迫り、残念ながらせっかくの空港の雰囲気を味わう間もなくわずかに写真を撮っただけ。成田に帰るべくホノルルへ出発する際にやっとコナ空港の南国感を体験するわけだが、ハワイ島では珍しい猛暑の中、強い日差しの下を歩いて建屋のひさしを見つけ、「やっと日陰に入れた!」と思ったら目の前がチェックインカウンター。日本ではあまり見られない風景にちょっとカルチャーショックを受けてしまった。

コナ空港入口
空港内に咲くポインシアーナ(火炎樹)の花
そしてアウトドアな感じで設置されているチェックインカウンター

 荷物預かり、手荷物検査も同様にオープンエアな場所にあるのだけれども、暑くても壁がないのでエアコンというわけにいかず、業務用の大型ファンで風を送っているのがなかなかワイルド。この感じ嫌いじゃない。

 しかし、建物はリゾート風の雰囲気でも保安検査場のチェックは厳重。ボディースキャナも用意されており、検査員のお姉さんに「ポケットのものを全部出して手に持って! 両腕を上げて」と言われ、ティッシュにまとめてポケットに突っ込んでいたゴミを手にもってバンザイし、お姉さんに苦笑されながらスキャンされる羽目に。

 第2ターミナルでチェックが終わって中に入ると見られるのが、3人のフラダンサーが、フラの古典フラ・カヒコを踊っている像。コナ空港の有名なランドマークということで、観光客が撮影を行なっていた。

猛暑ということで写真のような大型ファンがあちこちに置いてあった
保安検査場を抜けたら青空の下、搭乗口へ
3人のダンサーの姿が目を引くフラ・カヒコの銅像

 ゲートへ行く途中、お土産物やレイを売っているお店がある脇を通って搭乗予定の9番搭乗口へ。表示ボードのすぐそばが青空だ。通常、搭乗口では窓ガラス越しにこれから搭乗する機体と対面するわけだが、コナ空港ではヤシの木や植え込みの向こうすぐに機体が。ゲートもチケットのチェックこそあるものの、こちらもリゾートの門といった構えだ。大都市の空港の近未来な感じとはまた違う雰囲気は胸躍るものがある。

 また、ゲートがそんなだから、ボーディング・ブリッジというものは当然ない。搭乗の際、乗客は徒歩でスロープ式のタラップまで歩いて昇り機内へ。楽しいのは移動中、トーイングカーはじめ空港でおなじみの車両や機体が間近で見られる点だ。このあたり、飛行機や空港好きな方にとってワクワクできるポイントかもしれない。

ターミナルにはもちろんおみやげ屋さんも
レイを販売しているスタンドもあった
ビーチに向かっているように見えるが、目的は搭乗口
今回搭乗する第9ゲートに到着
石垣と植え込みの向こうに搭乗予定のボーイング 717型機
ゲートが空港のではなくて南国の動物園のそれに見えたのは筆者だけだろうか
ゲートを抜けたら、機体や車両を間近に眺めつつ搭乗

 これまでワイルドだ、オープンだと好き放題に書き立ててしまったが、コナ空港はリゾート感あふれる空港としては見ているだけでも楽しめる稀有な場所。ぜひ、ハワイ島に行くならこの空港も見どころの一つとしてお勧めしたい。

ハワイアン航空のプルメリア ラウンジへ

ホノルル空港ハワイ諸島間線ターミナルにあるプルメリア ラウンジ

 コナ空港でボーイング 717型機に乗り、50分ほどのフライトでホノルル空港に到着。成田行きのハワイアン航空直行便を待つ間、ハワイアン航空の「プルメリア ラウンジ(The Plumeria Lounge)」を取材した。ラウンジはホノルル空港ハワイ諸島間線ターミナル3階にあり、基本的に国際線のビジネスクラスの利用客が対象。

 ただし、ビジネスクラス以外の利用客でもハワイアン航空のサイトやチェックイン時などでラウンジパスを購入することで利用することが可能だ。営業時間は月・水・金・土が10時~18時、火・木・日が10時~22時45分である。

 プルメリア ラウンジではソファ席やテーブル席、ラウンジソファなどさまざまな席がある。席の間隔がゆったりとられているので、ほかの利用客の存在を気にすることなくくつろぐ、もしくは仕事することができる。また、ユニバーサルACコンセントとUSBポートも設置されているが、利用できるのは壁際の席とラウンジソファ席と限られているので、電源が必要な際は注意したいところだ。もちろん、専用Wi-Fiも用意されている。

広々としたスペースがとられているプルメリア ラウンジ
ソファ席だけでなくテーブル席なども用意
ラウンジ利用者専用のWi-Fiも設けられている
コンセントとUSBポートは利用できる席が限られている

 ラウンジの楽しみといえばドリンクや軽食といったフードメニュー。ドリンクコーナーではコーヒーや紅茶はもちろん、ソフトドリンク、そしてビールやワインとアルコール類を提供。軽食はサンドイッチやクッキー、シリアルバーなど小腹が空いたときにちょうどいい料理、スナックが中心だ。温かいメニューも1品用意されていて、取材時はテリヤキミートボールが供されていた。

フード・ドリンクメニューのコーナー
飲み物はソフトドリンクからコーヒー・紅茶、アルコール類が揃っている
ハワイアン航空の機内で配られるパッション・オレンジ・グアバネクター(通称:POGジュース)も冷蔵庫に入っている
冷蔵庫にはほかにもビール、ミルク、コーヒー用のクリームも
フード類はクッキーやサンドイッチ、果物といった軽食が中心
暖かいメニューも用意されているが、ガッチリ食べたい場合、ラウンジ外のスタンドやレストランに行った方がよさそうだ
スナック類のコーナーには日本のおせんべいも

 搭乗までの時間を快適に過ごせるプルメリア ラウンジだが、ただし気を付けたいのが国際線のゲートまでの移動だ。ラウンジ自体がハワイ諸島間線ターミナル内の端にあるので、国際線ターミナルまで行くのに時間がそれなりにかかるのだ。搭乗口の場所にもよるが、ラウンジを出るのは搭乗開始時刻の15~20分前ぐらいを見ておくとよいだろう。

12月21日運航開始のコナ直行便のメリットは?

 コナ空港からホノルル空港に戻り、ホノルル~成田便に搭乗して帰路に。今回、筆者にとっては初のハワイアン航空の利用だったが、機内食、ハワイ各地でロケをした緊急脱出時の説明映像、免税品の販売などで流れるハワイアンミュージックなど、到着前からハワイの空気が感じられる空の旅となった。

 また、2泊4日で行った取材旅行。ホノルルはもちろんのこと、マウナケアやワイコロア、コナ空港などハワイ島は1泊でまわるのは惜しいと思えるほど見どころがたくさん。もし、オアフ島にとどまらずハワイ島を堪能したいと考えるなら、滞在期間に余裕を持たせたスケジュールが必須だと痛感した。

 なお、ハワイアン航空では羽田~コナ直行便を12月21日から運航開始する。運航スケジュール以下のとおり。

HA851便:コナ(17時05分)発~羽田(翌22時05分)着(運航日:火・木・土)
HA852便:羽田(23時55分)発~コナ(12時15分)着(運航日:水・金・日)

 今回、コナからホノルルと乗り継ぎして感じたのが、やはり乗り継ぎの時間がそれなりにあるということ。今回の場合は約3時間かかった。ホノルルに宿泊せずハワイ島へ直接行きたい、または逆にハワイ島から日本に帰国したい場合だとこの時間が長く感じるのではなかろうか。そういう意味でも羽田とコナを直接結ぶ便は、ハワイ島行きを計画している方にとって望まれるところだろう。

 また、コナ直行便が運航するメリットのもう一つは、ハワイ旅行のスケジュールがフレキシブルに立てやすくなること。例えばオアフ島で過ごしてからハワイ島に行く場合、最初はホノルル便を利用してから、ホノルルからコナへ、そして帰りにコナから羽田直行便を利用するというプランが立てられる。もしくは逆に最初に直行便でハワイ島へ行って、帰りにオアフ島に寄る場合でも行きにコナ直行便を使う、などというプランも可能だ。コナ直行便を活用すればより積極的なハワイ島の楽しみ方ができるようになるのがうれしい。ぜひ、今冬以降でハワイ島行きを考えているなら、コナ直行便の利用も検討してみてはいかがだろうか。

帰りもホノルル~成田直行便を利用。12月運航予定のコナ直行便を組み合わせれば、自分のプランにあったオアフ島・ハワイ島の旅ができそうで楽しみだ

丸子かおり

フリーライター/編集者。主にIT系の記事を執筆することが多いが、科学系の書籍や料理本を手がけることも。趣味はごはん・手芸・デジタルなどジャンルを問わない自作。著書は「AR<拡張現実>入門」(アスキー新書)、「放射線測定のウソ」(マイナビ新書)など。ブログはhttp://mrk-reco.com/