旅レポ

7月23日初便! ハワイアン航空 成田~ホノルル線のエクストラ・コンフォートを体験してみた

エコノミーより5インチ長いシートピッチ、その乗り心地は?

2016年7月23日 初便運航

ホノルルから到着したばかりのハワイアン航空 成田~ホノルル線の初便

 ハワイアン航空は7月23日、成田~ホノルル線に就航した。成田(21時00分)発~ホノルル(10時00分)着のHA822便。その初便に搭乗する機会を得たので、その乗り心地や使い勝手についてレポートしていきたい。

 出発地となった成田空港の26番搭乗口前では、就航を祝うセレモニーも実施。出発前にはハワイアン航空セレネーダーズによるハワイアンミュージックやダンスのパフォーマンスが行なわれ、カップケーキ・ドリンクが振る舞われた。筆者も今回は搭乗客ということでハワイアン航空のロゴとマークが入ったカップケーキを1個いただいたが、マンゴーバタークリームが詰められておりハワイらしい南国の味。なお、セレモニーの詳細は別記事紹介しているので、そちらをご覧いただけたらと思う。

就c航セレモニーが26番搭乗口前で開催された
セレモニーではハワイアンミュージックとフラダンスも披露
初便を記念してドリンクやカップケーキの提供も
カップケーキにはハワイアン航空のマークとロゴがプリントされ、食べるのが惜しい

 今回は成田発の初便ということで、搭乗客にレイをかけるおもてなしも行なわれ、さらにボーディング・ブリッジを歩いていくと、さりげなくヤシの木によるデコレーションも施されていた。乗客にひと足早くハワイ気分を味わってほしいというハワイアン航空の心づかいだ。

搭乗時、初便の利用客にレイをかけるおもてなしが行なわれた
筆者もレイをかけてもらう。うれしはずかし
ボーディング・ブリッジのなかにまさかのヤシの木
いよいよ初便に搭乗
初便は定刻通りに成田を出発した

リゾートで行くのに快適なエクストラ・コンフォート

 成田~ホノルル直行便のHA822便はエアバス A330-200型を使用し、客室の構成はビジネスクラス18席、エクストラ・コンフォート40席、エコノミー236席となる。今回、筆者が利用したのはエコノミーの上位にあたるエクストラ・コンフォート。

 このエクストラ・コンフォートのメリットの一つが、優先的に搭乗できること。ハワイアン航空では搭乗順を“Zone”で区切っているが、筆者のチケットをチェックしたら“Zone 2”となっていた。ビジネスクラスが“Zone 1”なので、その次の搭乗ということ。なるべく待つことなく乗ることができるというよさはもちろん、子供や高齢者連れなどで、早めに席について落ち着きたいという場合、この搭乗順の早さは魅力的だ。

 機内の座席は2-4-2配列で、シートピッチはエコノミーより5インチ広い36インチ(約91.4cm)。実際に座ってみたところ、筆者は身長166cmの女性なので、かなりゆったりと足を伸ばせたのはもちろんだが、足を組むのも楽々。フットレストは用意されておらず、男性でも前座席下も含めればかなり足下まわりに余裕を持てる間隔だろう。シートはヘッドレストが革張りで、座面および背の部分は布張りという仕様だ。

エクストラ・コンフォートの窓側は2座席
2-4-2配列の“4”の方の座席
ヘッドレストは革張りで、「EXTRA COMFORT」と描かれている
筆者は女性ということもあるが、足まわりはスッキリしていて余裕のスペース

 また、エクストラ・コンフォートならではの特典として、各座席にユニバーサルACコンセントとUSBポートが用意されている。どちらも座席の下の右手側に並んで設置されており、かがむと手が届く位置だ。ハワイアン航空によると「ノートパソコン、iPad、携帯電話などにご使用いただけます」とのこと。

 ただ、実際に手持ちの機器で使用してみたところ、電力供給できたのはスマートフォンやタブレット、モバイルバッテリの充電のみ。今回、筆者が持ってきたノートパソコンへの給電は残念ながらできなかった。なお、このとき使っていたのは「Acer Aspire R3 N15W5」で、ACアダプタのワット数は45W。うーむ。

 テーブルについては、機内食やドリンクを楽しむのには申し分ない大きさ。しかし、筆者が持ってきた11.6インチのノートPCを置いて展開してみたところ、ちょっと奥行きが足りない。どうしても機内で利用したいなら、シートピッチを活かしていっそ膝の上に置いてしまう方が楽かも。ノートPC利用については、ちょっとネガティブなことを書いてしまったが、しかし通常の利用については奥行きが浅いことで、逆にテーブルによる胸まわりやお腹まわりの圧迫感は少なく、快適に食事ができる奥行きとポジションになっている。

 シートの仕様から察するに、やはりメインユーザーはリゾートで利用する乗客だと感じた。電源まわりやテーブルをチェックしていて、ふと「ハワイって普通、バカンスで行くところだよね。ノートPCを持ってきて仕事している自分はなにをやっているんだろう」と我に返ってしまったのはナイショだ。それはともかく、エクストラ・コンフォートのシートは、休暇でハワイへ行く方にとっては、スペースにゆとりがあって姿勢を変えやすく、なおかつモバイルデバイス用の電源も取れるという点で快適だといえそうだ。

座席の下にユニバーサルACコンセントとUSBポートのユニットがある
格納した状態のテーブルとシートポケット
テーブルを展開した状態。身体からの距離が程よく取られ、食事をとりやすい位置だ
ただし、テーブルにノートPCを置いて使うのは難しい
全席、LEDタッチスクリーンのモニタを搭載
シートベルトサインなどが収まった頭上

ハワイの人気レストランのシェフとのコラボ機内食

 また、航空機での旅の楽しみの一つが機内食。ハワイアン航空のホノルル便では東京、大阪、札幌すべての日本路線において、オアフ島のレストラン「Koko Head Cafe」のシェフ、リー・アン・ウォン氏監修の機内食が提供されている。

「Koko Head Cafe」では、ハワイの伝統料理やアメリカ、日本、韓国など、さまざまな国の料理の要素を取り入れたフュージョン料理を提供しており、近年、人気を集めているレストランだ。そのシェフであるリー・アン・ウォン氏のメニューを機内食に取り入れることで、いち早くハワイの雰囲気を乗客に味わってもらうという趣向になっている。

 今回のエクストラ・コンフォートでのフライトで提供されたメニューは以下の3品。

・マカデミアナッツ入りチキンカツとパイナップルフライドライス
・季節の野菜とマカロニサラダ
・ココナッツマンゴーケーキ

日本発ハワイ便ではリー・アン・ウォン氏のメニューによる機内食が楽しめる
マカデミアナッツ入りチキンカツとパイナップルフライドライス
季節の野菜とマカロニサラダ
ココナッツマンゴーケーキ

 マカデミアナッツ入りチキンカツは衣にナッツの風味などが付いており、そのまま食べられるのが日本のカツとの違いだが、味が足りないと感じた人のためにトンカツソースも付属している。

 パイナップルフライドライスについては、パイナップルを混ぜていることで、ハワイの雰囲気はもちろん味に深みが増しているのが特徴。パインの酸味や甘みはあくまで隠し味として使われており、自己主張していないので酢豚など料理にパイナップルが入っているのは苦手という人でも安心して食べられる味だ。

 季節の野菜とマカロニサラダはマヨネーズの酢の感じよりもクリーミーさが際立つ味。サラダにキリッとした酸味を求めるかどうかで好き嫌いが分かれそうだが、マヨネーズのツンとした匂いがダメな筆者でも美味しくいただけた。

 デザートのココナッツマンゴーケーキはココナッツミルクとマンゴーを使っているだけあってトロピカル感あふれる味わい。メインのココナッツムースはフワッとした食感で口どけがよく、ベースのシロップを染み込ませたスポンジとの相性も抜群。また、上に乗っているマンゴーソースがココナッツとスポンジの甘さに酸味と香りのアクセントが加えていた。

朝の軽食ではパンやマフィン、バナナ、ヨーグルトと軽食が提供された

アメニティグッズと初便記念品をチェック

 エクストラ・コンフォート利用の特典のもう一つが、ハワイアン航空特製のアメニティグッズ。出発前に配布されるが、中身はアイマスク、歯みがきセット、耳栓、くし、ティッシュ、イヤフォン、そしてコスメ3点とかなり充実。コスメはスプレー状の化粧水、ボディ&ハンドクリーム、リップクリームとなっており、乾燥した機内で肌がカサカサになりがちな人に配慮されているのがうれしいところ。

 ポーチとアイマスクはハワイで人気のフラドレスのブランド「マヌヘアリィ」とコラボしたものだ。ロゴが入った熱帯植物モチーフのデザインになっており、女性はもちろん、男性でも普段使いのポーチとして使えそうな見た目になっている。

マヌヘアリィとコラボレーションしたデザインのアメニティポーチ
機内だけでなく旅行全般で役立ちそうなほどグッズが充実している

 そして、初便でのうれしい点といえば搭乗証明書や記念品といった、初乗客ならではのプレミアムグッズだ。今回、残念ながら搭乗証明書は配布されなかったものの、記念品としてハワイアン航空のロゴ入り帯がついたハワイ名物「ホノルルクッキー」をいただいた。開けてみると、コーヒーやリリコイマンゴーなど5種のクッキーが1個ずつ入ったアソートになっていた。

初便の記念品にハワイみやげの定番、ホノルルクッキーをいただいた

成田発直行便はファミリー層向けの時間帯

 さて、ここまでエクストラ・コンフォートのサービス内容について見てきたが、ハワイアン航空の成田発着便をおさらいしておこう。

HA822便:成田(21時00分)発~ホノルル(10時00分)着
HA821便:ホノルル(15時45分)発~成田(翌日19時00分)着

 羽田発のホノルル行きは、ハワイアン航空、JAL(日本航空)とも深夜の出発だが、成田発の方は出発時間が早めだ。会社が終わってすぐにハワイへ出発したいという人には不向きかもしれないが、21時発なら小さな子供がいる家族でも子供を夜中まで起こしておく必要がなくありがたい。家族連れにとってうれしい時間帯だろう。実際、初便でも子供を連れたファミリー層を多く見かけた。ただし到着も10時と早めなので、ホノルルに着いたらアーリーチェックインを利用するか、時間の過ごし方、さらに荷物をどうするかなどを検討しておく必要がある。

 また、成田着の便は19時なので大幅な遅れがない限り、関東近郊へは夜20~21時台には到着できる時刻。地方から乗り換えで、という場合には厳しいが、関東近郊に住む子供連れには、お昼過ぎまでホノルルに滞在できて、なおかつ夜遅くなりすぎずに帰宅できるという絶妙なダイヤだ。

 なお、エクストラ・コンフォートについては、ハワイアン航空から2015年、プレミアムキャビン刷新計画において、すべてのエアバス A330型機に28席増席すると発表されている。現時点での席数は先にも紹介したように40席だったが、客室デザインの刷新後は68席になる予定だ。

 ハワイへ渡航となると、8時間と短くないフライトである。なるべくなら窮屈にならず過ごしたいというのが誰もが抱く正直な感想だが、かといっていきなりビジネスクラスというのもなかなか手が出しにくい。せっかくのハワイだし行き帰りもなるべく快適な旅にしたい、そう考えるならちょっとだけアップグレードしてエクストラ・コンフォートを選択してみてはいかがだろうか。

ホノルル着は午前中の10時と早め。せっかくの時間を有効活用できるプランを立てたい

丸子かおり

フリーライター/編集者。主にIT系の記事を執筆することが多いが、科学系の書籍や料理本を手がけることも。趣味はごはん・手芸・デジタルなどジャンルを問わない自作。著書は「AR<拡張現実>入門」(アスキー新書)、「放射線測定のウソ」(マイナビ新書)など。ブログはhttp://mrk-reco.com/