【イベントレポート】関空旅博2015
台湾観光協会がセミナーで提案する「高雄in台北out旅」
台湾には美味しいものがありすぎて、1日3食では食べきれない!(デザートは別腹)
(2015/5/25 16:16)
- 2015年5月23日~24日 実施
「関空旅博2015 海外旅行セミナー」の台湾編は数あるセミナーの中でも特に人気が高く、当日整理券を求めて長蛇の列ができていたほど。台湾で大ヒットした映画「KANO」や、日本の新幹線「ひかり」でも使われている700系をベースにした台湾新幹線(台湾高速鉄道)など日本との関係も深い台湾。台湾各地の旅情あふれるスライド画像とともに、セミナーの模様をお届けする。
セミナー冒頭のお約束、「みなさんは台湾に行ったことがありますか?」との問いかけに対して、セミナー参加者およそ150名ほぼ全員の手が上がり、講師の秋田さんも「えっ!」と嬉しい驚きを声に出していた。
筆者を含めて「台北は何度も行っているけど、他の地域へはまだ行ったことがない」という方も多いようで、そうした台湾リピーターに向けたセミナー内容が準備されていた。
台湾の基本情報をおさらいすると、正式名称は「中華民国」、暦は中華民国歴で今年は「中華民国104年」。沖縄の西南に位置し、関空~台北、関空~高雄など多数の直行便があり、時差はマイナス1時間。日本人に大人気の旅行先であることは皆さんご存じのとおりだ。
台湾には台湾高鉄(台湾新幹線)と在来線の台湾鉄道があり、自強号、キョ光号(キョは草かんむりに呂)、平渓線、タロコ号(太魯閣列車)、プユマ(普悠瑪)号など、鉄分の濃いマニアなみなさんを魅了する路線・列車が多数ある。台湾の鉄道を楽しむためだけに訪れる鉄道ファン旅行者の数も、年々増加しているそうだ。
高雄には高雄地下鉄(KMRT)が整備され、日本と同様に清潔かつ美しく整備されている。空港からのアクセスも良好で、高雄の観光地をスムーズに旅することができる。
ガイドブックなどでよく紹介される「蓮池塔」には大きく口を開けた「竜」と「虎」があり、「竜の口から入って虎の口から出ると、悪行が落ちる」そうだ(絶対に逆に通ってはダメらしい)。台湾最大の夜市(屋台が並ぶ観光露天街)「六号夜市」もオススメスポットで、港町らしく美味しい海鮮料理が豊富に並ぶ。いずれも清潔に整備されており、日本人観光客が安心して楽しむことができる。
続いて話は高雄から台南へ。移動時間は台湾新幹線で約15分、在来線特急で約30分。新幹線台南駅から市街地へは無料のリムジンバスも運行されている。
台南は「古きよき台湾文化の古都」と言われ、日本で例えると京都のようなイメージ。担仔麺のお店「度小月(としょうげつ)」の本店などのグルメスポットで美食を楽しみ、恋愛パワースポットと言われている大天后宮で縁結びを祈願。国立成功大学には、昭和天皇が皇太子時代にお手植えされたガジュマルの大木がある。
こうした数々のフォトスポットがあるため、写真好きの方にも台南はオススメだそうだ。
在来線特急で約40分、台南の次は嘉義へと移動。阿里山を開墾してヒノキを運び出すために作られた「阿里山森林鉄道」の起点となっている嘉義市は、映画「KANO」のロケが行なわれたことでまた新しい日本とのつながりが深まっている。ロケ地には「KANO故事館」という観光施設が新設され、北門駅の元駅長が運営する喫茶店も人気。開墾時代から芸術文化活動が盛んで、多数のアーティストを輩出するとともに、市内いたるところに作品が展示されている。もちろん台湾グルメも充実し、とくに「鷄肉飯」が人気とのこと。秋田さんのお話どおり、いよいよ1日3食では間に合わなくなってきた(笑)
さて、ここまでは台湾西部をめぐるルートを紹介したが、台湾東部もまた魅力に溢れている。台湾東部は西部に比べて自然が豊かで、交通の便も少ないので「のんびりゆったり」旅をするのに向いている。
台東では少しランクのよいホテルに宿泊すると、ホテルオリジナルの半日観光コース案内があり、ホテルの送迎サービスなどを活用しながら旅を楽しめる。
先住民が暮らす「台東」では独特のお土産や、気球体験や自転車道が整備されている「鹿野」、美味しい池上米の産地「池上」ではお弁当がオススメだそう。釈迦頭(しゃかとう)はお釈迦様の頭のようにボコボコした果肉を食べるフルーツで、味は甘い牛乳のようで美味しいそうだ。
台東に行く際は、虫除けスプレーが必需品とのことなので持参したい。台東から台北までは在来線特急「プユマ号」で約3時間半。池上で池上米を使ったお弁当を食べた人でも、花蓮名物の「鉄道弁当」を見れば、また食べたくなるはず。そろそろ食べ過ぎのような気もするが(笑)、これもまた台湾グルメ旅ならでは。
いよいよ台湾最大の都市「台北」へ。ご存じの方も多いだろうが、台北市の台北地下鉄(MRT)は駅も車輌もキレイに整備されており、路線も縦横に走っている。読みやすい漢字の駅名と路線の色で、初めての方でも分かりやすく目的地に到着できる。新たに松山線も開通し、ますます利便性が高まった。
ここまで紹介してきた各地に「美味しいもの」が多数あったが、台北にもまた食べきれないほどのグルメがある。さすがにもう食べられない……と思っても、デザートは別腹なので大丈夫!(秋田さん曰く)
トラベル Watch読者のみなさんはすでに活用されていることだろうが、台湾旅行の下調べや予約に便利なサイトも紹介された。
現地でのWi-Fi利用については、空港でレンタルルーターを借りる方法のほか、通信量が少ない場合は「iTanwan WiFi」というサービスがオススメ。台湾の空港にある台湾観光局の窓口にパスポートを提示すると、主要箇所に用意されたWi-Fiスポットが無料で利用できるIDとパスワードが発行される。ホテルのWi-Fiも整備が進んでいるので、合わせて利用したい。
「台湾観光局 特別ミッションチーム リーダー」の肩書きを持つ中華民国史上初のバーチャル公務員「台湾オーベア」をご存じだろうか。一見クマモ……いや、ただの熊に見えるかもしれないが、現地では「特別任務組 組長」の肩書きを持つスーパーベアなのだ。
誕生日は12月3日で射手座、煮込み卵を添えた魯肉飯(煮込み豚肉かけご飯)と珍珠ナイ(ナイは女偏に乃)茶(パールミルクティ)が好物などキャラクターもしっかり設定され、LINEスタンプやFacebook「いいね」数も相当なもの。
セミナーの最後にオーベア組長が登場し、「いいね」の意味がある「讃!」(ヅァンとザンの中間ぐらいの発音=za'n)を会場のみんなにアピールしていた。
筆者は以前仕事の関係でしょっちゅう台湾に出張していたのだが、行き先は台北周辺に限られていた。西部に東部にあっちにこっちに、台湾各地の魅力をたっぷり聞き、会場全体が「台湾に行きたいわん!」モードになっていた。
いや~、旅って、本当に素晴らしいものですね。