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ハワイ州観光局、プラスチックゴミ収集などハワイ島の海岸でビーチクリーン活動

日本・ニュージーランド・オーストラリアの3か国が参加

ハワイ島の南端近くにあるカミロポイントでビーチクリーン活動を実施。日本・ニュージーランド・オーストラリアの3か国に加え、地元のハワイ州観光局、ハワイアン航空のスタッフも参加

 ハワイ州観光局は9月18日~24日にかけて、ハワイ島のビーチクリーン活動などの取り組みを行なった。この取り組みには、日本・ニュージーランド・オーストラリアの3か国が参加。もちろん現地のハワイ州観光局、ハワイアン航空社員なども加わったものとなっていた。

 海岸への漂着物、さまざまな理由から海岸へ流れ着くゴミは、日本をはじめ多くの海洋国で問題となっており、それは多数の島々から構成される米国ハワイ州も同様とのこと。そのなかでも、最大の面積を誇るハワイ島の南岸、カミロポイントはゴミの漂着が顕著となっている。ハワイ島の最南端は、米国最南端としても知られるサウスポイントになるのだが、海流の関係もあってサウスポイントのすぐ北東にあるカミロポイントに、プラスチックゴミなど太平洋のゴミが集まってくるのだという。

 このビーチクリーン活動の取り組みは、ニュージーランドに本拠地を置く「SEA CLEANERS」とニュージーランドのハワイ州観光局が2018年に実施。2019年は同じ海洋国ということで、日本、そしてオーストラリアのハワイ州観光局も加わっての実施となった。

 日本のハワイ州観光局としてもビーチクリーン活動を積極的に支援しており、日本においては一般社団法人JEANとも連動。10月26日から一般公開が始まる「ツーリズムEXPOジャパン」のハワイブースは、そうしたビーチクリーン活動を反映したものとなり、サステナブルな社会を訴求するものになるとのことだ。

SEA CLEANERSリーダー Hayden Smithさん

高校生やライフセーバーが参加するハワイ島でのビーチクリーン活動

ハワイ島でのビーチクリーン活動参加者。日本・ニュージーランド・オーストラリアの3つの海洋国からハワイ島に集まった

 ハワイ島でのビーチクリーン活動に日本から参加したのは、立命館宇治高等学校 岩原将樹さんと鴻池要さん、その引率として参加した英語教師 カール・ヴォルマーさんに加え、プロサーファーとして世界を転戦している矢作紋乃丞さん、ライフセーバーの飯沼誠司さんと清水雅也さん。ライフセーバーの飯沼さんと清水さんはハワイ島でのビーチクリーン活動後に、オアフ島でワイキキなどのライフセーバーと交流を図っていくという。

 ビーチクリーン活動の前段階として、日本・ニュージーランド・オーストラリアの3か国から集まった参加者は、ハワイ島の「シェラトン・コナ・リゾート&スパ・アット・ケアウホウ・ベイ」でミーティング。ビーチクリーン活動の中核となるSEA CLEANERSのリーダー Hayden Smithさんより、今回の活動の概要レクチャーを受ける。その後、日本・ニュージーランド・オーストラリアからの参加者は、この活動に参加した動機などを参加者全員にスピーチ。自己紹介を兼ねた場となっていた。ちなみにSEA CLEANERSは、世界の各地でビーチクリーン活動を実施。これまでに850万トンのゴミを取り除いてきたという。

これまでの活動について説明するSEA CLEANERSリーダー Hayden Smithさん
各人がそれぞれ活動についての思いなど自己紹介
立命館宇治高等学校から参加した岩原将樹さん(左)と鴻池要さん(右)
プロサーファーの矢作紋乃丞さん
立命館宇治高等学校 英語教師 カール・ヴォルマーさん
ライフセーバーの飯沼誠司さん(左)と清水雅也さん(右)
各国からの参加者たちとコミュニケーション

 2019年の活動では、単にビーチのゴミを取り除くだけではなく、地元、つまりハワイ島の学生との交流会も実施。9月19日には「Konawaena High & Middle School」を訪問。ビーチクリーン活動に参加する日本・ニュージーランド・オーストラリアからのスタッフと、Middle Schoolの生徒との交歓会を実施。日本・ニュージーランド・オーストラリアからのスタッフの代表者がビーチクリーン活動について説明したほか、Middle Schoolの生徒からの質問に答えるなど、ビーチクリーン活動の意義を互いに確認し合ったほか、互いに歌を披露し、メッセージを送り合っていた。

Konawaena High & Middle Schoolを訪問して、地元の学生と交流を図る
スピーチや質疑応答など。日本だと小学校低学年にあたるハワイの生徒は、質問も積極的

 9月20日~21日にかけては実際にハワイ島のカミロポイントでビーチクリーン活動を実施。20日には約400kg、21日には約250kgの流木やプラスチックゴミなどを回収。それらのゴミはSEA CLEANERSが使用している、SEA CLEANERSバッグで55袋分になった。

ゴミの回収風景
プラスチックゴミや流木など大小さまざまのゴミを拾っていく

 ハワイ州観光局として、このようなビーチクリーンの取り組みを日本でも実施。10月5日にはハワイアン航空主催でホノルルの姉妹市である茅ヶ崎市でビーチクリーン活動を初めて実施。また、10月26日から一般公開が始まる「ツーリズムEXPOジャパン」のハワイブースでは、京都市の鴨川で清掃したゴミからのアート作品を展示する。このアート作品は、ハワイで絶滅危惧種と指定されているウミガメをテーマとしたもので、ハワイ島のビーチクリーン活動、鴨川での清掃に参加した立命館宇治高等学校の生徒たちが制作する。

ハワイアン航空主催で行なわれた茅ヶ崎のビーチクリーン活動

 また、ブースでは海洋動物(ウミガメ、ハワイアンモンクシール など)の保護活動をハワイで行なっている NPO「Hawaii Marine Animal Response」への寄付も来場者から募っていく。ハワイ州観光局ブースは、レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)を中心として展開していくとのことだ。

ハワイ州観光局のブースでは、ハワイの海のVR体験なども行なっていく