イベントレポート

【ファンボロー航空ショー 2018】ボーイングとエンブラエルが会見。合弁会社設立で「世界中の顧客に価値を生み出す」

「MRJへの支援は変わらない」とマレンバーグCEO

2018年7月16日~22日(現地時間)開催

ボーイングとエンブラエルが合弁会社設立に向けて会見を開いた

 イギリス・ファンボロー空港で7月16日から22日(現地時間)、世界最大規模の航空ショー「ファンボロー国際航空ショー(Farnborough International Airshow)2018」が開催されている。会期前半の16日から20日は航空業界向けのトレードショー、後半21日と22日は一般向け公開日となっている。会場では、民間向け/軍用の航空機の静的展示や展示飛行、カンファレンス、航空機購入についてのアナウンスなどが行なわれる。

 会期初日の16日にはボーイングとエンブラエルが会見を開き、5日に発表済みの戦略的パートナーシップについて説明を行なった。エンブラエルは80~150席クラスの次世代リージョナルジェット「E2」シリーズの開発を進めており、100席クラスのE190-E2型機はこの4月に初回の納入を完了している。

会見に臨む両社。左からボーイング CFO グレッグ・スミス(Greg Smith)氏、ボーイング 会長兼社長兼CEO デニス・マレンバーグ(Dennis A. Muilenburg)氏、エンブラエル 社長兼CEO パウロ・シルバ(Paulo Cesar de Souza e Silva)氏

 両社の提携では(ブラジル政府や株主の承認後に)ボーイング8割、エンブラエル2割の持ち株比率で合弁会社の設立を目指し、2019年末までの成立を見込む。2社はこれまでに30年におよぶ協力関係にあるが、合弁会社はエンブラエルの民間航空機事業にボーイングの開発/製造/マーケティング力を組み合わせるものとなる。

 会見にはボーイング 会長兼社長兼CEOのデニス・マレンバーグ(Dennis A. Muilenburg)氏とCFOのグレッグ・スミス(Greg Smith)氏、エンブラエルの社長兼CEOのパウロ・シルバ(Paulo Cesar de Souza e Silva)氏が臨席、マレンバーグ氏は「この提携はブラジルの利益になり、米国の利益になり、世界中の顧客に価値を生み出す」と提携の意義を強調した。また、三菱航空機のMRJへの支援(カスタマーサポート)についてマレンバーグ氏は、「MRJは変わらず支援するが、今回のエンブラエルとの提携はもっと広範で深いもの」と説明した。

ボーイング CEOのデニス・マレンバーグ氏