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九州の自治体が「WITH THE KYUSHU プロジェクト 今こそ九州観光!」

EXILEの黒木啓司さんはじめ九州出身芸能人も観光地をアピール

2016年5月20日 開催

19市の代表が集まった

 福岡市をはじめとする九州の自治体19市が5月20日、東京・丸の内で九州への観光旅行を呼びかける「WITH THE KYUSHU プロジェクト 今こそ九州観光!」のプロモーションイベントを開催した。

 このイベントは九州市長会で検討した結果、急きょ、開催されたもの。平成28年熊本地震では熊本県および大分県に直接的な被害を及ぼしている一方で、被害の少ない周辺地域には観光客減少、宿泊客のキャンセルという影響が起こっている。地域経済の復興という点では九州観光を盛り上げることが課題だとし、九州の19市の代表が一堂に集まった。

みなさんにはどんどん観光に来ていただきたい

福岡市長 高島宗一郎氏

 最初に挨拶に立った福岡市長の高島宗一郎氏は今回の地震で被害が2種類あり、揺れによる家屋や人的被害のほかに風評被害があるとした。高島氏は「九州という島全体が揺れて、九州に観光に行くのは不謹慎じゃないかという話になっている」という風評被害を紹介、ほとんど被害がない観光地でもキャンセルが相次ぎ、ゴールデンウィーク期間に8割がキャンセルされたエリアがあることや、7県全体で70万泊分のキャンセルがあるという事例を紹介した。

 高島氏は「復旧・復興のために力を合わせたいと思ってるときに、それ以外の面で経済的ダメージがあると2次被害。ますます九州の体力を弱らせる」と観光が打撃を受けることで復興への影響を懸念し、「楽しんでいただくのはわるいことではない。なぜなら、九州、観光地にとって観光することは遊びでなくて、生活のすべて。だからこそみなさんにはどんどん観光に来ていただきたい」と訴えた。

観光庁 観光地域振興部長の加藤康之氏

 続いて観光庁 観光地域振興部長の加藤康之氏は「観光は経済の柱で、大きな影響が出ていると認識している。このタイミングでプロモーションをされたということは、我々としても心強く思っているし、関係者のご尽力に敬意を表したいと思っている」とプロモーションを評価、「人の交流、国の内外から九州に訪れていただくことで、地元の方の笑顔も取り戻せるのではないか。エールを送ることになるのではないか」と述べた。

各県ごとに観光地のアピールタイム

 今回のイベントは急な開催だったこともあり、都合がついた九州各県19市の担当者が地元の観光ポイントを紹介した。アピールタイムには地元出身の芸人、ダイノジ 大谷ノブ彦さん(大分県出身)、レイザーラモンRGさん(熊本県出身)、パンクブーブー 黒瀬純さん(福岡県出身)が応援に登場、元テレビキャスターでもある福岡市長の高島氏も進行役に加わり、軽快なトークで観光地の紹介が行なわれた。

アピールタイムは福岡市長の高島氏、ダイノジ 大谷ノブ彦さん、レイザーラモンRGさん、パンクブーブー 黒瀬純さんの九州出身者で進行した

 熊本県は玉名市長 高嵜哲也氏、上天草市長 堀江隆臣氏、山鹿市熊本県市長会東京事務所所長 森田英美氏がそれぞれ観光地をアピールした。山鹿市は女性が1000人参加する山鹿灯篭まつりと山鹿温泉を紹介、レイザーラモンRGさんも「誰とは言わないけど、芸能人で隠れて行く人がいる」と山鹿温泉を紹介した。また、上天草市はイルカウォッチングが有名で「95%以上の確率で遭遇できる」と紹介された。玉名市長は「熊本の男の顔ですね」と突っ込まれると「しょっちゅうでなく、たまな(たまに)来てね~」と予想に反してダジャレを交えて来訪を促した。

熊本県は3市が参加、左から玉名市、上天草市長、山鹿市

 佐賀県は唐津市副市長 岡本憲幸氏と、嬉野市長の谷口太一郎氏が登場、唐津のイカと嬉野温泉を紹介した。芸人たちはイカと温泉のポスターに盛り上がり、福岡からもすぐに行ける場所で魅力的だと紹介した。

佐賀県は左から唐津市、嬉野市。特徴あるポスターに芸人たちがポスターをのぞき込む

 長崎県は長崎市東京事務所長 黒田正代氏、佐世保市副市長 川田洋氏、大村市東京事務所所長 古川朋博氏が登場、軍艦島の紹介や、佐世保市のハウステンボスは被害が全くないのにキャンセルが多くあってすいていることや、シュガーロードに位置する大村市は少し甘い特徴がある大村寿司を紹介した。

長崎県は3市が参加。左から長崎市、佐世保市、大村市

 大分県は5市が登場。大分市商工労働観光部長 戸田美和氏、別府市副市長 猪又真介氏、日田市観光協会営業企画部長 黒木陽介氏、杵築市商工観光課長 黒田幸一郎氏、中津市東京事務所長 瀬戸口千佳氏が登壇した。大分市は高崎山自然動物園のサルの命名で物議を醸したが解決していることを紹介、別府温泉は全部営業していることや、混雑していないので砂湯の砂がかけ放題であること、中津市の耶馬渓の景色などが紹介された。4県目になると芸人たちもだいぶ乗ってきたのか、杵築市(きつきし)が「九州の小京都」と紹介すると、高島氏をはじめ「いつから小京都を名乗ってる?」などと突っ込みが入れられた。

大分県は5市、左から大分市、別府市、日田市、杵築市、中津市

 鹿児島県は鹿児島市観光交流局長 図師俊彦氏と指宿市観光課長 今柳田浩一氏が登場、鹿児島市は黒豚の紹介のほか、進行役でもある福岡市の高島市長が「焼酎の前割り」を紹介、郷土料理の鶏飯(けいはん)が食べ放題のホテルがあるなど食べ物の話題で盛り上がった。また、指宿市は「いぶすき」という読み方のほか、通常は混雑している砂むし温泉がすいているという情報が紹介された。

鹿児島県は左から鹿児島市と指宿市が参加した

 宮崎県の紹介の前にはサプライズゲストとして宮崎県出身のEXILEの黒木啓司さんが登場、ここからは黒木さんもまじえて紹介がすすめられた。

宮崎県出身のEXILEの黒木啓司さんが登場し宮崎県の紹介へと進んだ
レイザーラモンRGさんが持ちネタの“あるある”を披露、各県とEXILEの“あるある”を紹介した

 宮崎県からは宮崎市観光商工部長 大山公典氏と日南市長の崎田恭平氏が登壇、宮崎市からは青島の紹介、日南市はジャカランダの森とカツオ漁が盛んなところが紹介された。また、EXILEの黒木啓司さんは宮崎県のオススメの場所としては「高千穂神社」を挙げた。

宮崎県は宮崎市と日南市が参加、日南市長は俳優の伊藤淳史に似ているため芸人たちから突っ込まれていた

 最後は福岡県、太宰府市経済観光課係長 山崎崇氏は太宰府天満宮と「梅ヶ枝餅」を紹介、梅ヶ枝餅をパリっとした食感で楽しむには大宰府市に来るしかないことなどが紹介された。一方、アピールタイムの進行役でもある福岡市の高島市長は福岡市がフランスのボルドー市と姉妹都市であることを紹介、ボルドーの公認ワインバーがオープンし、福岡でしか飲めないボルドーのワインがあるとした。また、福岡は九州の入り口で、JR、バス、飛行機を使えば九州のどこへでも行けることをアピールした。

福岡県は太宰府市のパネルのみ展示。福岡市はパネルはなく、市長がボルドー公認ワインバーを紹介した

海外でも九州観光をアピール

 なお、「WITH THE KYUSHU プロジェクト 今こそ九州観光!」のプロモーションイベントは、東京のほか海外でも開催する。5月21日は台湾・台北、5月22日は香港を予定、福岡市の高島市長と一部の自治体担当者が渡航し、海外で九州観光をアピールする予定という。

「WITH THE KYUSHU プロジェクト 今こそ九州観光!」のステージの最後に全員でフォトセッション

(編集部:正田拓也)