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西鉄、福岡の街をけん引するインバウンド戦略を説明
2016年~2018年 第14次中期経営計画説明会
(2016/5/19 12:22)
- 2016年5月18日 開催
西鉄(西日本鉄道)は5月18日、報道向けに2016年から2018年の第14次中期経営計画およびインバウンド戦略に関する説明会を開催した。中期経営計画のみならず、福岡の街をけん引するインバウンド戦略や、西鉄グループの企業メッセージ「まちに、夢を描こう。」の実現に関する説明も行なわれた。
2018年に営業収益目標4000億円、既存事業の深化とグローバルビジネス拡大
最初に登壇した代表取締役社長である倉富純男氏はまず、平成28年熊本地震に関する影響や西鉄の支援について説明。「九州を基盤とする西鉄グループとしては継続的に支援し、九州の経済に対する影響を最小限に抑えるために努力をしていく」とコメントした。
第14次中期経営計画は、「福岡のまちをけん引するとともに、グローバルビジネスを拡大し、成長する西鉄グループ」というビジョンを掲げた「まち夢ビジョン2025」の実現に向けた第一歩であるとした。そして、第15次中期経営計画での大型投資の実行を控え、キャッシュ創出力の拡大や財務の健全性の確保を行なうと語った。
2018年度は2015年度に比較して10%増となる4000億円の営業収益を目標としながらも、営業利益については2015年の233億円より減益となる210億円を見込んでいる。これは、バス事業での乗務員の待遇改善による人件費の増加、鉄道・バス事業における車両更新などによる減価償却費の増加、マンションなどの建築費の増加なども要因に含まれているとのこと。また、「三カ年で約1400億円の設備投資も行なう。第13次中期経営計画に比べて4割の増加。成長投資が836億円、維持更新に411億円、安全のための投資が150億円となっているが、今後の成長のための投資であると考えている」と話した。
西鉄グループの中核エリアである福岡では、利便性の高い交通の提供や、人が集うまちづくりへの取り組みをはじめとした施策を推し進め、街の発展をけん引しながら、重点開拓エリアであるアジア地域では国際物流の拠点・人材を活かしたホテルや住宅事業を展開。また、国際物流ビジネスでは、海外営業拠点を拡充し、グローバルロジスティクスプロバイダーとして進化することで事業を拡大していくと説明した。
2020年、福岡の外国人入国者数を360万人と予測、街をけん引する戦略
次いで、執行役員で事業創造本部 副本部長の藤田浩展氏が福岡のインバウンド需要と西鉄の取り組みについて説明した。「観光庁の推定でいくと、2020年の訪日外国人旅行者数は2015年の倍を超える4000万人。福岡空港の入国外国人数は、成田、関西、羽田に次ぐ4位、博多港はクルーズ船の寄港数が日本一、外国航路乗降人員は2015年に160万人。そこから考えると2020年には福岡の外国人入国者数を360万人と予測できることから、入国から出国までのすべてに西鉄が関わることで、まち夢ビジョン2025を実現する」とコメントした。
また、そのために天神エリアの再開発や商業施設の拡充、市内の主要地区を結ぶ連節バスの増車、西鉄天神高速バスターミナルから九州の主要都市へのバスネットワークの利用や、新規観光列車の検討なども推進。国内ホテル事業では、少しだけ贅沢な気分になれる新ブランドホテル「クルーム」のオープンや、海外でのホテルチェーン展開も推進する。