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JR東日本、山手線に新型車両「E235系」を11月30日より運行開始

座席幅拡大や映像広告、車椅子やベビーカー向けの「フリースペース」を増設

2015年11月30日 運行開始

JR東日本が山手線で導入する新型車両E235系(写真提供:JR東日本)

 JR東日本(東日本旅客鉄道)は、11月30日より山手線で新型車両「E235系」の量産先行車1編成(11両)の営業運転を開始した。

 E235系は現行のE231系の後継車両で将来的には全編成をE235系に置き換える予定。E235系では、1人あたりの座席の幅を45cmから46cmに拡大。車内の広告のうち荷物棚の上部にあるものを映像広告(デジタルサイネージ)に置き換えるほか、E231系では1号車と11号車のみに設置されていた車椅子用スペースを、車椅子やベビーカーを置ける「フリースペース」として、各車両に設置している。また、フリースペースと優先席の表示は、床面にも色分けで掲出されているため、視認性が向上している。さらに扉に荷物が挟まれた場合でも引き抜きやすいラック式の改良型電気式戸閉装置を採用。パナソニック製の「nanoe(ナノイー)」デバイスを搭載した空気清浄機も搭載されている。

E235系のインテリア(写真提供:JR東日本)
車内の広告のうち荷物棚の上部にあるものを映像広告(デジタルサイネージ)に置き換え(写真提供:JR東日本)
優先席と車椅子やベビーカーを置ける「フリースペース」を各車両に設置(写真提供:JR東日本)
フリースペースの配置図

 車両仕様としては、E231系では2両で1組としていた動力車両を1両ずつの独立制御方式にしつつ1編成に6両組み込んだ「6M5T」方式を採用。電力ロスの低減やブレーキ時の回生エネルギーを増加させる次世代半導体素子「SiC」の搭載、LED照明の採用、オイルフリーの空気圧縮機にするなど、環境面での性能を向上させている。

 機器類の常時監視による故障の予兆把握と主要機器類2重系統化など、車両故障による運行障害を軽減するシステムを採用しているほか、対オフセット衝突構造の採用による衝突に強い車両となっているため、安全・安定性も向上している。

従来型E231系と新型車両E235系との比較

(編集部:柴田 進)