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鉄道博物館、電気機関車「EF55 1」の展示開始セレモニー

C57とEF55を数ヶ月交代で転車台に移動して展示

2015年4月12日開催

4月12日より展示が開始された電気機関車「EF55 1」。この前で展示開始セレモニーが行なわれた

 鉄道博物館は4月12日、「ヒストリーゾーン」に新たに電気機関車「EF55 1」の展示を開始した。同日11時より展示開始セレモニーが行なわれた。なお、前日に行なわれた搬入の様子は「鉄道博物館にムーミンみたいな『EF55 1』がやってきた(http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20150411_697347.html)」を参照のこと。

鉄道博物館 館長 大信田尚樹氏

 セレモニーの冒頭で挨拶した、鉄道博物館 館長 大信田尚樹氏は「本日はいよいよEF55の1号機の登場となりました。この場所には、蒸気機関車C57 135号機が長く展示されていましたが、それに代わっての登場となります。さてみなさん、この『ヒストリーゾーン』の展示車両群の場所が変わっていることにお気づきでしょうか?何両もの車両を入れ替えてEF55はようやくこの転車台にたどり着きました。その作業で一番大変だったのは、C57 135号機の移動です。このC57は重さ90トン、それを25メートル離れた場所に移動しました。動輪の直径は1750ミリ、最初はスタッフ20人で押してみましたが、びくともしませんでした。そこで専門家にお願いしてようやく移動ができました。C57が移動した瞬間は圧巻でした。それを皆様にお見せできなかったのは残念です。他にも展示車両をパズルのように入れ替えながらEF55の移動を行いました。」と述べた。

 また、大信田氏は、今後の鉄道鉄道博物館の方針についても触れた。

「私ども鉄道鉄道博物館は、日本を代表する、世界に通用する鉄道博物館を目指しています。2年後の鉄道博物館の開館10周年記念の年には、当博物館の南側の広場に5階建てのビルを建築し、展示面積を現在の1.5倍に拡大する予定です。本館内でもジオラマとラーニングゾーンをリニューアルします。そのほか、このヒストリーゾーンにも色々な工夫を検討中です。その工夫がこれから次々に成果となってオープンいたします。その第1弾がEF55の登場だったのです。このEF55は1月24日の深夜、高崎車両センターから大宮総合車両センターに運ばれ、化粧直しを行ないました。そして、4月11日に多くの人の手によって、たくさんのお客様に見守られながら15時頃に到着いたしました。このEF55 1号機は、前頭形状が丸みを帯びた流線型で可愛らしい顔をしています。しかし、運転台には第二次世界大戦で戦闘機から機銃掃射を受けた弾痕が残っています。そうした歴史的価値を持つ車両でもあります。これらについては転車台の回転実演やギャラリートークなどで詳しく説明いたします。この場所に今までありましたC57 135号機に代わりまして、電気機関車EF55 1号機が実演をお見せいたしますが、これからはC57とEF55を数ヶ月交代で転車台に移動してご披露いたします。何ヶ月交替で行なうかはお客様のご意見で決めたいと思います。2年後の鉄道博物館の開館10周年記念を期に様々な取り組みを行なっていきます。どうぞ、生まれ変わる鉄道博物館を楽しみにしていてください」

 次に「C57 135」から「EF55 1」へ転車台での実演が移行されることから、バトンタッチの汽笛吹鳴が行なわれた。最初に「C57 135」の汽笛が鳴ると、それに返礼するように「EF55 1」の汽笛が鳴る。転車台が回転し、真横を向いていたEF55が鉄道博物館の入口を向く定位置に移動。展示の開始が告げられた。

「C57 135」は「キハ41300」のあった場所に移動。「EF55 1」に一時的に主役の座を譲ったが再び転車台に戻る日も来る

 11時20分より「EF55 1」による初めての転車台を回転したデモンストレーションが実施され、多くの人に見守られながら「EF55 1」の説明と汽笛の吹鳴が3回行なわれた。

転車台が回転し「EF55 1」が定位置に移動

 その後は転車台の柵が開けられ、「EF55 1」が間近で見られるようになると、多くの人が前頭の写真を撮ったり、この珍しい機関車の細部をじっくり見るなどしていた。なお、展示開始に併せ、EF55 1が所属した「高崎第二機関区」を表わす区名札「高二」が入れられ、室内と2エンド側の尾灯の点灯が行なわれた。

転車台の柵が開けられ「EF55 1」が間近で見られるようになった。写真は柵が開いた直後にスタッフが慌ただしく準備をしている様子
展示開始に併せ、EF55 1が所属した「高崎第二機関区」を表わす区名札「高二」が入れられ、室内と2エンド側の尾灯の点灯が行なわれた。

 EF55の正面には東海道線の特急「富士」に使われた一等展望車「マイテ39」も展示されており、同じ列車で活躍した機関車と客車が顔を合わせる形になった。

EF55の正面には東海道線の特急「富士」に使われた一等展望車「マイテ39」も展示。EF55とは同じ列車の先頭と最後尾でペアを組んだこともある
インテリアは桃山調の装飾が施されており、お召し列車に次ぐ最高級の客席になっている

編集部:柴田 進