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大阪・関西万博「ガンダムパビリオン」もう一度見たい人のための完全レポート。約17mの実物大ガンダム像もラストチャンス

2025年9月中旬 時点
閉幕迫る、大阪・関西万博。最後に見納めしたい“ガンダムパビリオン”の魅力を紹介

 大阪・関西万博の西側にそびえる高さ約17mの実物大ガンダム像。その横に建つ「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION(ガンダムネクストフューチャーパビリオン)」は、4月の開幕以来、連日予約枠が埋まる人気を誇ってきた。

 会期は残りわずか。10月13日の閉幕を前に、多くの来場者が「最後にもう一度」と足を運ぶ姿が目立つ。今回は、そんなガンダムパビリオンで実際に体験してきた“新たな宇宙世紀を旅する50分間”をレポートする。

夢洲ターミナルからの旅立ち

 同パビリオンは、これまでガンダムシリーズが描いてきた「宇宙での暮らし」や「まだ実現していない科学技術」を新たな未来の可能性として捉え、未来の社会をフェーズ0から7までの展示を通して描き出すというもの。

 来場者は、新たな「宇宙世紀」という設定のなかで、大阪・夢洲の「夢洲ターミナル」から軌道エレベーターで宇宙ステーション「スタージャブロー」まで移動する見学ツアーに参加するストーリーだ。

 人類とモビルスーツが共存する迫力の映像では、背中部分に「グラスフェザー」を装備したガンダムやさまざまなモビルスーツ、新デザインのハロも登場する。

パビリオンの入り口にあたる、フェーズ0「夢洲ターミナル」。ここでプレショーが始まる
入り口でもらえるパンフレット(オリジナルステッカーシール付き)には、モビルスーツの歴史や軌道エレベーターについての記載が

 パビリオンの入り口にあたる「フェーズ0」は、宇宙への旅のはじまりとなるエントランス。壁面には宇宙技術や生活の未来像を描いた映像が流れ、旅行者として宇宙行きのツアーに招かれたような気分だ。案内役を務めるのはシリーズおなじみの「ハロ」。夢洲ターミナルの搭乗ロビー(フェーズ1)で出迎えられ、これから始まる宇宙体験について説明を受ける。

軌道エレベーターの搭乗ロビー(フェーズ1)では、案内役を務めるハロから、これから始まる宇宙体験について説明を受ける

 続くフェーズ2では、パビリオンクルーに導かれ、軌道エレベーターに乗り込む。機体の振動とともに、地上から高度3万6000kmへ上昇していく映像が窓の向こうに広がる。わずか数分で地球を見下ろす視界へと移り変わり、まるで宇宙に旅立ったような没入感を味わえる。

フェーズ2では、さっそく軌道エレベーターに乗り込み、高度3万6000kmへ上昇
美しい星や地球を眺めながら、宇宙ステーション「スタージャブロー」まで移動

宇宙ステーション「スタージャブロー」に到着

 フェーズ3は、到着先の巨大宇宙ステーション「スタージャブロー」が舞台。新たな宇宙世紀という時代設定のもと、モビルスーツは戦闘兵器ではなく、平和利用される存在として描かれる。作業用に改修されたモビルスーツが宇宙空間でスペースデブリを運搬する姿や、外壁で作業を続けるシーンが次々と映し出される。

フェーズ3では、巨大宇宙ステーション「スタージャブロー」に到着
静止軌道を周回するスタージャブローでさまざまなモビルスーツたちが平和利用され、宇宙で働く様子を見学する

 ところが、見学ツアーは突如トラブルに巻き込まれる。スペースデブリの除去作業中に異変が発生。館内に仕掛けられた警報音や光の演出で、緊張感が一気に高まる。

巨大宇宙ステーション「スタージャブロー」見学中にスペースデブリに異変が!? 緊急退避ポッドへ急げ!

緊急退避ポッドとガンダムの出撃

 そこで参加者たちは、緊急退避ポッドへと続く通路(フェーズ4)を進み、緊急退避ポッド(フェーズ5)へと誘導される。すると、乗り込んだポッドの窓越しにガンダムの姿が現われ、新たな装備とともに活躍する。ここから先はネタバレ禁止となるが、最大の見せ場が待っている。

緊急退避ポッドへ続く通路(フェーズ4)。警告音が鳴り響き、緊張感が高まる

 暴走するデブリに立ち向かい、ジオングタイプMAからツアー参加者を守ってくれるガンダム。轟音と振動が加わり、参加者たちは退避ポッドに乗ったままガンダムの活躍を目撃する。

 映像と物理的な揺れが組み合わされ、まるで自分自身が宇宙災害に遭遇したかのような緊張感が続く。危機が去った瞬間、場内からは自然と拍手が起こった。

緊急退避ポッドへ逃げ込むとガンダムが登場。来場者を守るため大活躍する

地上への帰還と実物大ガンダム像

 フェーズ6では地球へ帰還。再び夢洲ターミナルに降り立ち、屋外に出ると、実物大ガンダム像が来場者を迎える。型番RX-78F00/E ガンダム、全高16.72m、頭頂高12.31m、総重量49.1トンというスペックを誇る像は、夜間にはライトアップされ、宇宙、そして未来に向けて手を差し伸べる姿を幻想的に浮かび上がらせる。

 館内のストーリーを体験した後に見上げると、この実物大ガンダム像の存在感はひときわ大きい。50分間の旅を終えて戻ってきた皆を待っていたかのような背中が頼もしく、パビリオン全体の締めくくりにふさわしい演出だ。

屋外に出ると、迎えるのは実物大のガンダム像の背中
パビリオン体験者しか見られないガンダム像のうしろ側(背中側)。よく見ると足元には“隠れミャクミャク”が3匹いるので、実際に来場して探してみて
ガンプラの使用済ランナーで制作したスペースコロニーやガンダム年表も展示されている
併設ショップでは、公式ガイドブック「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」(3850円)や特別なプラモデル「EXPO2025 1/144 RX-78F00/E ガンダム(EX-001 グラスフェザー装備)」(3960円)も販売している
宇宙の旅に寄り添うクルーの衣裳にも注目!

閉幕前に見納めしたい“ガンダムパビリオン”

 ガンダムシリーズ45周年の節目に、人類と宇宙の新たな未来社会を示した「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」。従来からのファンも、万博をきっかけにアニメを一気見したという人も、世代も国籍も問わず“宇宙(そら)”を見上げる姿が印象的だった。

 パビリオン体験は事前予約または当日登録が必須(10時~21時、約12分ごとに入場)で、特に午後14時以降は当日枠が設定されている。また、実物大ガンダム像の観覧は予約不要で、終日公開されている(9時~22時)。昼間の力強い姿も、夜間ライトアップの荘厳な姿も、今しか見られない。閉幕を迎える前に、ぜひ夢洲でガンダムと再会してほしい。

GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

場所: 西ゲートゾーン 企業パビリオン W07-01
運営時間: 10時~21時
所要時間: 約50分
入場方法: 予約が必要
※2か月前抽選、7日前抽選、空き枠先着予約、当日登録が対象

実物大ガンダム像は終日公開(9時~22時)。予約不要で観覧できる
ガンダム像の前では、自分で撮ったお気に入りの1枚を使った「万博デジタル記念証」も発行できるぞ!(発行はガンダム像前にあるQRコードから)