ニュース
LOTポーランド航空、成田~ワルシャワ線を就航
週3便。機内で日本食や日本のコンテンツを提供
(2016/1/15 13:46)
- 成田~ワルシャワ線:2016年1月14日 就航
LOTポーランド航空は1月14日、成田~ポーランド共和国のワルシャワ(フレデリック・ショパン空港)便の運航を開始した。
LOTポーランド航空は設立86年を迎える伝統あるエアラインで、2003年からスターアライアンスメンバーへ加盟。現在では年間約500万人の乗客が利用しており、4大陸、60都市以上への定期便を運行。一日の平均フライト数は200便以上を数える。
成田~ワルシャワ便の運航は週3便。使用機材はボーイング787-8型機(ドリームライナー)で、キャビンはLOTビジネスクラス、LOTプレミアムクラス、LOTエコノミークラスの3クラス計252席で構成される。ワルシャワ発および日本発の初便における搭乗率はそれぞれ95%、75%。今後の利用者は観光需要が75%、ビジネスが25%程度の割合で、搭乗率は年間で72~75%程度を見込んでいる。
運航スケジュール
LO080便(月、木、土曜日運航)
成田11時05分発~ワルシャワ14時40分着
LO079便(日、水、金曜日運航)
ワルシャワ15時00分発~成田9時20分+1日着
成田空港では今回の新規就航を記念して第1ターミナル南ウイング4階出発ロビーにおいて、ピアノ演奏やポーランド・日本文化の写真展示が行われる。ピアノ演奏は1月18日、1月25日の8時30分~10時30分。水岡のぶゆき氏によりポーランドに関連する楽曲が演奏される。写真展示は1月30日まで。
初便がワルシャワに向け飛び立った後に行われたプレスカンファレンスには、LOTで国際線営業を担当するピョートル・セジェック氏が登壇。ポーランド航空のみならずポーランドにとっても歴史的に重要な一日となったと前置き、「ポーランド国内のみならず中央ヨーロッパ、東ヨーロッパへのゲートウェイとしてはじめて成田からフライトがオープンしたことに意義を感じています」と述べた。
同便は所要時間がおよそ11時間30分と日本とヨーロッパを結ぶフライトとしては最も短く、また、同社がハブ空港として利用しているワルシャワ・フレデリック・ショパン空港は「きわめて短い時間で通関を終え他都市への接続が可能」であることを挙げ、「ポーランド国内のみならず、ヨーロッパ各地へのハブとして利便性が極めて高い」「ワルシャワ市内へは鉄道やバスで15分から20分程度」と、利用客にとっても大きなメリットがあると強調した。
日本路線の特長として日本食のサービスを行っていることを挙げ、特にビジネスクラスでは「ポーランドで指折りのシェフが監修」した料理が楽しめるほか、梅酒や日本酒も準備。また、機内のエンターテインメントシステムでは、日本の映画や番組、音楽を提供しており、メニューも日本語対応とすることで快適なフライトが楽しめると解説した。
最後に「本日から週3便を運行しているが、なるべく早い時期にもっと多くのフライトを運行したい」と締めくくった。最後に行われた質疑応答の際にもこの話題に触れ、リースアップや新造機により今年中に最低3機のボーイング787-8型機を導入するが、利用者数やロシア上空の通過権などの問題もあり、慎重に対応していきたいとした。
続いてJETRO(日本貿易振興機構)前田茂樹理事が登壇。3年ほど前からJETROワルシャワ事務所がLOTポーランド航空に対して直行便開設を持ちかけていたと明かした。その時は実現しなかったものの、2014年に再度アプローチ。成田への直行便新規就航を計画していることを知り航空、観光産業などビジネスや税制に関わる情報を提供したと話す。
その根底にはポーランドと日本の往来数の増加があり、「2014年の訪日ポーランド人は前年比15%増の1万8000人。2015年には9月末までで1万8000人と大きく増加している。その一方でポーランドへ出国する日本人は毎年コンスタントに5万人前後。昨年末時点でのポーランドへの進出日系企業数は296社、4万人あまりを雇用しているとのデータを示した。こうした近況から「両国のビジネスが一層発展するためには顔の見える関係を構築していくことが重要で、直行便の就航がさらなるビジネスの拡大をもたらすと確信している」と直行便の就航を歓迎した。