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LOTポーランド航空、成田~ワルシャワ線を就航

週3便。機内で日本食や日本のコンテンツを提供

成田~ワルシャワ線:2016年1月14日 就航

 LOTポーランド航空は1月14日、成田~ポーランド共和国のワルシャワ(フレデリック・ショパン空港)便の運航を開始した。

 LOTポーランド航空は設立86年を迎える伝統あるエアラインで、2003年からスターアライアンスメンバーへ加盟。現在では年間約500万人の乗客が利用しており、4大陸、60都市以上への定期便を運行。一日の平均フライト数は200便以上を数える。

 成田~ワルシャワ便の運航は週3便。使用機材はボーイング787-8型機(ドリームライナー)で、キャビンはLOTビジネスクラス、LOTプレミアムクラス、LOTエコノミークラスの3クラス計252席で構成される。ワルシャワ発および日本発の初便における搭乗率はそれぞれ95%、75%。今後の利用者は観光需要が75%、ビジネスが25%程度の割合で、搭乗率は年間で72~75%程度を見込んでいる。

成田空港から飛び立つ成田~ワルシャワ線の初便「LO080便」
運航スケジュール

LO080便(月、木、土曜日運航)
成田11時05分発~ワルシャワ14時40分着
LO079便(日、水、金曜日運航)
ワルシャワ15時00分発~成田9時20分+1日着

 成田空港では今回の新規就航を記念して第1ターミナル南ウイング4階出発ロビーにおいて、ピアノ演奏やポーランド・日本文化の写真展示が行われる。ピアノ演奏は1月18日、1月25日の8時30分~10時30分。水岡のぶゆき氏によりポーランドに関連する楽曲が演奏される。写真展示は1月30日まで。

LOTポーランド航空の国際線営業を担当するピヨトール・セジェック氏

 初便がワルシャワに向け飛び立った後に行われたプレスカンファレンスには、LOTで国際線営業を担当するピョートル・セジェック氏が登壇。ポーランド航空のみならずポーランドにとっても歴史的に重要な一日となったと前置き、「ポーランド国内のみならず中央ヨーロッパ、東ヨーロッパへのゲートウェイとしてはじめて成田からフライトがオープンしたことに意義を感じています」と述べた。

 同便は所要時間がおよそ11時間30分と日本とヨーロッパを結ぶフライトとしては最も短く、また、同社がハブ空港として利用しているワルシャワ・フレデリック・ショパン空港は「きわめて短い時間で通関を終え他都市への接続が可能」であることを挙げ、「ポーランド国内のみならず、ヨーロッパ各地へのハブとして利便性が極めて高い」「ワルシャワ市内へは鉄道やバスで15分から20分程度」と、利用客にとっても大きなメリットがあると強調した。

成田~ワルシャワ間に直行便が就航
LOTポーランド航空の概要
年間500万人以上が利用
パイロットは男女合せて355名
日本とヨーロッパがより近くなる
直行便は週3便
ワルシャワから各地への移動時間
ワルシャワ空港はハブ空港として高い利便性を持つ
ワルシャワ空港は現代的&機能的なデザインと充実した設備が特長
ビジネスクラスのチェックインカウンター
子供がカウンターの中をのぞけるように小さなタラップが用意されている
ワルシャワ空港の利点

 日本路線の特長として日本食のサービスを行っていることを挙げ、特にビジネスクラスでは「ポーランドで指折りのシェフが監修」した料理が楽しめるほか、梅酒や日本酒も準備。また、機内のエンターテインメントシステムでは、日本の映画や番組、音楽を提供しており、メニューも日本語対応とすることで快適なフライトが楽しめると解説した。

LOTビジネスクラスの特長
ボーイング787-8型機に18席用意されるビジネスクラス。フルフラット化が可能
LOTプレミアムエコノミークラスの特長
LOTエコノミークラスの特長
LOTのフライトを利用する際に事前に予約や利用が可能なサービスを提供
日本食を提供
機内エンターテインメントシステム

 最後に「本日から週3便を運行しているが、なるべく早い時期にもっと多くのフライトを運行したい」と締めくくった。最後に行われた質疑応答の際にもこの話題に触れ、リースアップや新造機により今年中に最低3機のボーイング787-8型機を導入するが、利用者数やロシア上空の通過権などの問題もあり、慎重に対応していきたいとした。

所有機材。ポーランド国内および近距離国際線として10機のボンバルディアQ400を所有
ヨーロッパ線での主力となるエンブラエル。175は12機
エンブラエル170は6機
エンブラエル195は6機。
LOTポーランド航空ではもっとも古い機材となるボーイング737-400型機。まもなく退役予定だという
長距離国際線を担当するボーイング787-8型機は6機所有
LOTはヨーロッパではじめてボーイング787-8型機を運航する航空会社
JETRO前田茂樹理事

 続いてJETRO(日本貿易振興機構)前田茂樹理事が登壇。3年ほど前からJETROワルシャワ事務所がLOTポーランド航空に対して直行便開設を持ちかけていたと明かした。その時は実現しなかったものの、2014年に再度アプローチ。成田への直行便新規就航を計画していることを知り航空、観光産業などビジネスや税制に関わる情報を提供したと話す。

 その根底にはポーランドと日本の往来数の増加があり、「2014年の訪日ポーランド人は前年比15%増の1万8000人。2015年には9月末までで1万8000人と大きく増加している。その一方でポーランドへ出国する日本人は毎年コンスタントに5万人前後。昨年末時点でのポーランドへの進出日系企業数は296社、4万人あまりを雇用しているとのデータを示した。こうした近況から「両国のビジネスが一層発展するためには顔の見える関係を構築していくことが重要で、直行便の就航がさらなるビジネスの拡大をもたらすと確信している」と直行便の就航を歓迎した。

(安田 剛)