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LOTポーランド航空、2016年1月に成田~ワルシャワ間の定期便を就航

日本語が話せる客室乗務員、日本食、日本語コンテンツ、全便充電用USBポートつき

2015年6月19日 発表

LOTポーランド航空が成田~ワルシャワ線で運用を予定しているボーイング 787-8型機の模型

 LOTポーランド航空は6月19日、成田~ポーランド共和国のワルシャワ(ショパン空港)間の定期便を2016年1月14日に就航すると発表した。

 運航ダイヤは週3便、成田~ワルシャワ間の「LO080便」は月曜日/木曜日/土曜日に運航し成田11時05分発~ワルシャワ14時40分着、ワルシャワ~成田間のLO079便は日曜日/水曜日/金曜日に運航しワルシャワ15時00分発~成田9時20分+1日着となる。同社によると、今後は毎日の運航を目指すとしている。

 使用する機材は「ボーイング 787-8型機」に統一され、日本語を話せる客室乗務員や日本語の映画や雑誌などの機内エンターテイメント、日本食などの日本人向けのサービスが提供される。なお、客席には充電に使えるUSBポートが設置される。客席はビジネスクラス、プレミアム・エコノミークラス、エコノミークラスと3種類。

ポーランド共和国 在日大使 ツィリル・コザチェフスキ氏

 冒頭でポーランド共和国 在日大使 ツィリル・コザチェフスキ氏が挨拶し「ポーランドと日本の2国間の関係は、政治的にも文化的にも成熟したパートナーです。ポーランド~日本間の旅客需要は増えています。すでにポーランドには、300社以上の日本企業が投資しています。さらに、日本の方々はポーランドの文化的な背景を深く理解している方が多く、観光地としての人気も高まっています。また、ポーランド人も日本に興味を持っており、ポーランドから日本への観光客やビジネス需要も増加傾向にあります。例えば、ポーランドの若者の間では日本の漫画がとても人気があり、日本食や武道にも関心があります。大使館というのは、ポーランドのイメージを世界中に広げるという役割を持っており、歴史や伝統がありつつもモダンさもあるLOTポーランド航空とは、一緒にもっと多くのことができると思っています」と述べた。

LOTポーランド航空 CEO セバスティアン・ミコス氏

 LOTポーランド航空 CEO セバスティアン・ミコス氏は、成田~ワルシャワ線について解説し「航空会社として、新路線を開設して旅客需要を喚起するのは使命のひとつです。特に日本に直行便の路線が開設できるのは嬉しく思います。成田~ワルシャワ線は、中央ヨーロッパと成田を結ぶ初めての定期直行便です。ポーランドは、日本企業が300社近く投資をしており、うち80社は生産拠点をポーランドに持っております。これらのようにビジネスなどの需要は大きく、日本~中央ヨーロッパ、東欧間の年間旅客数の伸びは2%増を見込んでいます。旅客数としても、日本からポーランドへは4万1000人、ポーランドから日本へは1万5000人、中央ヨーロッパ、東欧間全体では、それぞれ24万5000人、13万6000人となっており、大きなマーケットを形勢しています。

 成田~ワルシャワ線は、2016年1月14日に週3便就航します。成田~ワルシャワ線は約10時間、ワルシャワ~成田間は気流の関係で約11時間半で結ばれます。これはプラハ、ブタペスト、ミンスクなどの都市へのアクセス時間が従来の半分になるほか、さらに北米の東海岸の都市へも乗り継ぎができます。また、LOTのハブ拠点でもあるワルシャワ ショパン空港は、3週間前に改修が完成し2つの滑走路と2つのターミナルを持つ空港として強化されました。

 成田~ワルシャワ線で使用する機材はボーイング 787-8型機です。同じスターアライアンスに加盟しているANAは日本でのローンチカスタマーですが、LOTポーランド航空はヨーロッパでのローンチカスタマーです。787-8型機は、快適性、特に気圧と湿度において優れています。私も787-8型機とそれ以外を乗り比べると、長時間搭乗したあとの疲労感は787-8型機の方が軽いと感じます。ビジネスクラスのシートは、他の航空会社がファーストクラスで使うような長さ190cm、幅54cmのフルフラットになるシートを採用しています。また、日本向けに在ポーランド日本大使のシェフであるトウヨウ・サトシ氏監修による日本食のメニューや日本映画、ドラマ、音楽など全て日本語で提供できるようになっています。さらに、日本の新聞や雑誌もご用意しております。客室乗務員は日本語が話せるクルーを最低1名は搭乗させます。

 LOTポーランド航空は、国による公的資金の注入を受けたため、経営再建として2013年~2015年までは新規路線が開設できませんでしたが、それも2015年で完了し、2016年からはこの成田~ワルシャワ線を含め新規路線を開設します。他の路線については6月22日に発表する予定です。我々はずっと東京への定期路線を開設したいと思っておりましたが、経営再建とさらにボーイング 787-8型機の納入の遅れで、なかなか実現できませんでした。しかし、いま新しい成長の時代を迎えようとしています。前年比で30%の成長を見込んでいます。成田~ワルシャワ線は就航当初は週3便ですが、毎日運航できるように関係各所に働きかけていくつもりです」と成田~ワルシャワ線に対する期待と、同路線に対して注力すると方針を語った。

成田~ワルシャワ線の就航理由
ポーランドと日本の旅客需要の数値
ビジネス面での説明
日本に対する評価と就航理由
成田~ワルシャワ線のダイヤ
ワルシャワからの乗り継ぎ便の例と所要時間
現在就航している都市(青い部分)
ビジネスクラスのシート
ビジネスクラスのエンターテイメント用モニター
シートはフラット構造になる
プレミアム・エコノミークラスのシート
ボーイング 787-8型機は広い窓も特徴
お手洗い
エコノミークラスのシート
各席にUSBポートとユニバーサル電源がある
客席上部の荷物棚も大きい
ボーイング 787-8型機の説明
ビジネスクラスのサービス説明
プレミアム・エコノミークラスのサービス説明
エコノミークラスのサービス説明
成田~ワルシャワ線では日本食や日本のコンテンツを提供する
LOTポーランド航空の機材と保有数
ボンバルディア Q400型機 10機
エンブラエル 170 6機、175 12機
エンブラエル 195 6機
ボーイング 737-400 3機
ボーイング 787-8 6機、さらに2機の購入が決まっている

 さらに、ミコス氏は、ポーランドと日本の歴史についても触れ、「ポーランドと日本のエアラインの歴史は、1926年にポーランド人飛行士ボレスワフ・オルリンスキ大佐がワルシャワ~東京間を往復飛行したことに始まります。彼は単発エンジンの飛行機で往路に9日間、復路で10日間かけて往復しました。オルリンスキ大佐は日本で大歓迎を受け、勲六等旭日章が贈られたそうです。それから100年も経っていませんが、我々は日本とポーランドを約10時間で結びます。オルリンスキ大佐はフランス製の機材で飛びましたが、我々は日本製の部品を多く使っているアメリカ製のボーイング 787-9型機です」と語った。

ポーランド人飛行士ボレスワフ・オルリンスキ大佐(左)と同乗した整備士のレオナルド・クビアック氏
1926年にワルシャワ~東京間の初フライトが行なわれた
両国の航空史を結びつけるエピソード
2016年1月14日に日本とポーランドの航空史に新たな1歩が刻まれる

 さらにミコス氏は、報道陣からの質問に対し、同じスターアライアンスメンバーであるANAとコードシェア便の運航を検討していると述べた。

LOTポーランド航空 CEO セバスティアン・ミコス氏と客室乗務員

編集部:柴田 進