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ルフトハンザ航空、2016年1月にスイス インターナショナル エアラインズおよびオーストリア航空と経営統合

LCCはユーロウイングス系列へ一本化。ジャーマンウイングスは徐々に消滅へ

2015年10月20日 発表

ルフトハンザ ドイツ航空の記者会見が10月20日に行なわれた。出席者は左から旅客事業全体を統括するドイチェ ルフトハンザAG 取締役 兼 ルフトハンザドイツ航空CEOのカール・ウルリッヒ・ガーナート氏、現日本支社長 オットー F.ベンツ氏、次期日本支社長 ドナルド・ブンケンブルク氏、取締役 兼 CCO イェンス・ビショフ氏

 ルフトハンザ(ルフトハンザ ドイツ航空)は10月20日、都内で記者会見を開き、日本支社長の交代と同社の今後の経営戦略について発表した。同社の日本支社長は11月1日より、任期12年を務めたオットー F.ベンツ氏から、前米国支社営業本部長のドナルド・ブンケンブルク氏に交代となる。

 会見に出席したのは、旅客事業全体を統括するドイチェ ルフトハンザAG 取締役 兼 ルフトハンザドイツ航空CEOのカール・ウルリッヒ・ガーナート氏と同 取締役 兼 CCO イェンス・ビショフ氏、現日本支社長 オットー F.ベンツ氏、次期日本支社長 ドナルド・ブンケンブルク氏。

10月31日付けで退任するルフトハンザ ドイツ航空 日本支社長 オットー F.ベンツ氏

 冒頭で現日本支社長 オットー F.ベンツ氏より支社長交代の挨拶と次期日本支社長 ドナルド・ブンケンブルク氏の紹介が行なわれ「私がこの立場(日本支社長)で発言するのは恐らく最後になるかと思います。日本社長時代は、皆様に方にご支援いただき、厚くお礼申し上げます。次期日本支社長に就任するドナルド・ブンケンブルクを温かくご指導をよろしくお願いいたします。ありがとうございます」と述べた。

ルフトハンザドイツ航空CEOのカール・ウルリッヒ・ガーナート氏より同社の現況と今後の経営戦略について解説が行なわれた

 次にカール・ウルリッヒ・ガーナート氏より、同社の現況と今後の経営戦略について解説が行なわれた。その主な内容は以下のとおり。

・ルフトハンザ ドイツ航空とグループ傘下にある「スイス インターナショナル エアラインズ」「オーストリア航空」は、2016年1月1日に経営統合を実施。各ブランド名はそのまま継承されるが、路線計画やマーケティング方針の策定、機材や燃料の調達、各空港との調整などを共通化しつつ、市場の変化に対応できるスピード間のある効率の良い経営を目指す。なお、裏方となる部門の人員を15%削減する予定。

・傘下にあるLCC「ジャーマンウイングス」と「ユーロウイングス」に関し、ユーロウイングスへ統合を実施。「ジャーマンウイングス」はブランド名も徐々に消滅していく予定。欧州のLCCキャリアとしてドイツのミュンヘンとフランクフルトを拠点とし、90以上の路線の運航と第3位のポジションを目指す。また、ユーロウイングスは、ルフトハンザグループとは独立した運営体制となり、LCCキャリアとして価格競争力を確保しつつ、年間の最終利益で5億ユーロ増を目指す。また、11月にはユーロウイングスをサポートする「ユーロウイングス ウィーン」を発足させる。

・ユーロウイングスは、エアバス A330-200型機を導入し、ケルンからタイやアラブ首長国連邦、キューバ、ドミニカ共和国などへ長距離路線も運航する。座席はエコノミークラスのほかプレミアムエコノミーを設定。Wi-Fiによるインターネット接続サービスなども提供する予定。

・同じスターアライアンスメンバーであるANA(全日本空輸)との協業により、ルフトハンザグループのすべての便でANAとのコードシェアを実施。100便を超える便数となっている。今後も日本市場のニーズに対応し、日本からの欧州路線のシェア・ナンバーワンの地位を維持していく。

・ルフトハンザグループは、航空会社として常に1番最初に選んでもらえる「ファーストチョイス・アビエーション」を目指しており、欧州のエアラインとして、アジアでのシェアはナンバーワンを誇っている。また、国際市場において日本路線は3番目の規模となる。日本路線では、1便あたり4人の日本人の客室乗務員を乗務させており、日本人のニーズに合わせたサービスを行なっているのが、日本における成功の要因だと考える。

・長距離路線に関して、2015年夏に過去最高の売上高を記録している。とりわけ、アジアの需要がけん引しており、エコノミークラスの席はほとんど完売したほど。

ルフトハンザグループの現況の紹介。年間の売り上げは300億ユーロ。毎日28万人の旅客を運ぶ。今後10年間で250機以上の機材を導入。設備投資も40億ユーロ規模で行なった
欧州路線ではLCCなどのコスト競争が激化。長距離路線ではトルコ航空なども参入してシェアを伸ばしている
7つの行動規範を策定しており、航空会社として常に1番最初に選んで頂く「ファーストチョイス・アビエーション」を目指している
ルフトハンザ ドイツ航空とスイス インターナショナル エアラインズ、オーストリア航空の3つのフルキャリアとLCCのユーロウイングス、貨物輸送など航空サービスの3つが柱となる
ユーロウイングスは、エアバス A330-200型機を導入し、ケルンからタイやアラブ首長国連邦、キューバ、ドミニカ共和国などへ長距離路線も運航する
どの便に乗っても均一なサービスを受けられる。インターネット接続サービスのほか、Apple Watchアプリの提供など技術革新にも対応している
様々なインフラを活用し、顧客にルフトハンザへアクセスできる環境を提供している
ANA(全日本空輸)との協業により、ルフトハンザグループのすべての便でANAとのコードシェアを実施。100便を超える便数となっている
握手を交わす現日本支社長 オットー F.ベンツ氏(右)と次期日本支社長 ドナルド・ブンケンブルク氏(左)

(編集部:柴田 進)