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徳島県奥祖谷で“高低差世界一”265mの流しそうめんに挑戦した「伊右衛門の夏プロジェクト2015」
(2015/7/21 00:00)
- 2015年7月19日 実施
サントリーが販売する緑茶飲料「伊右衛門」や、世界流しそうめん協会が協力した「高低差世界一 流しそうめん実行委員会」による、「高低差世界一流しそうめん -伊右衛門の夏プロジェクト 2015-」が7月19日、徳島県三好市の奥祖谷の落合集落で実施された。
このプロジェクトは、「もっと日本の体験しよう」のスローガンのもと、伊右衛門ブランドが発信する「日本を再発見するプロジェクト」の一環として行なわれたもの。2015年のチャレンジとなる“高低差世界一流しそうめん”は、日本各地で放置されて問題になっている竹林被害を周知する目的で、三好市でも問題になっている竹を1000本伐採。“繋ごう”の理念のもと、竹を繋いで高低差世界一の流しそうめんにチャレンジするというもの。併せて、日本の涼を「流しそうめん」を通じて楽しんでもらおうという思いも込められている。
オープニングセレモニーで主催者代表として挨拶した、サントリー食品インターナショナル 食品事業本部 宣伝部長の三好健二氏は「私事になるが、ここから1時間ぐらい北にある香川県綾歌郡の出身。両親も三好、じいちゃんばあちゃんも三好、親戚一同三好ということで、この地で開催させていただくことに、本当に縁を感じている。今日の開催に至るまでに、事前準備の段階で台風直撃があった。関係者の皆様方、本当にご苦労があったと思うが、皆さんの頑張りもあり、思いも通じて、晴れ間が見えるような好天に恵まれて開催させていただけることになった」と喜びを述べた。
ちなみに、この日は朝から雨模様で開催が危ぶまれたが、スタートを迎えることには雨も上がり、晴れ間も見えるような天気へ回復。そのことへの気持ちを述べたものだ。
ただ、この天気の影響で、当初予定されていた三好市東祖谷地区の小中学生の参加は見送られ、5月~6月にWeb上で実施してい応募キャンペーンの当選者である20組72名と、落合集落の人達の参加となった。
三好氏は続けて、「伊右衛門は今年の5月にリニューアルした。今まで、ペットボトルのお茶は、年中同じ味ということを一生懸命やってきたが、『ちょっと待てよ』と。『日本の季節折々に旬というものがあるよね』と。食べ物の世界では、例えば、うどんやおそばにしても、塩や水の量を調整する。その季節ごとの美味しい味というのは違うのではないかというところに着目し、伊右衛門も四季に合わせて4回、味を変えることにチャレンジした。おかげさまで好評をいただいている。そして、今は夏の味に変わっているところ」
「今日は、伊右衛門の夏の味を皆様に美味しく体験していただこうと、この企画をやっている。日本の古来、夏の風物詩、夏の涼を取るというところの流しそうめん。これと一緒に、伊右衛門の夏の味を楽しんでいただけたら、より皆さんの笑顔が見られるのではないかと思っている。日本人で良かったなぁと思っていただける方がたくさんいらっしゃったら幸いだ。皆様、力を合わせて、世界一を達成しましょう」と、“夏の伊右衛門”をアピールするとともに、流しそうめん高低差世界一チャレンジへの意気込みを表わした。
集落を縫うように張り巡らされた竹のルート
「高低差世界一流しそうめん -伊右衛門の夏プロジェクト 2015-」のスタート地点は、「浮生」と呼ばれる落合地区の伝統的古民家が選ばれた。先述のとおり、落合地区には伝統的古民家が数多く残る。落合重要伝統的建造物保存協議会も設立され、その伝統的建築物を後世に残そうと活動を行なっている。
スタート地点では、その落合重要伝統的建造物保存協議会 会長の南敏治氏が応援。Webキャンペーンの当選者で、名古屋市から訪れた坂田潤哉さん、蒼哉さんの兄弟が、実際にそうめんを流し入れた。
今回のチャレンジのために用意されたそうめんは、三好市の隣町である美馬郡つるぎ町で生産された「半田手延べそうめん」で、1束(85g)を流し入れ、1本でもゴールにたどり着けば記録達成となる。実際、流し入れた直後は塊となって流れていたそうめんも、中盤を過ぎることにはバラけ、1~2本が先行するという、まるでフルマラソンのような展開となった。
途中、コースの紹介なども含めながら、流れていくそうめんを写真で追ってみよう。
距離3250m、高低差265mという記録を達成した流しそうめん。スタート地点を12時54分に出発し、ゴールを迎えたのは14時09分。所要時間は1時間15分で、表定速度は2.6km/hということになる。人の歩行速度の目安は約4km/hなので、その半分とはいかないまでも、かなりゆっくりと進んだといえるだろう。
記者はスタートからゴールまで、そうめんを追いかけて進んだのだが、坂が急なところなどでは明らかに人の歩く速度もよりも速く、逆に緩やかなところでは先回りしたものの「まだ来ないの?」とジリジリした気持ちで待たされる場面もあった。このような緩急があったものの、終わってみると想像以上に時間がかかるものだという印象が残った。
ゴール後、代表者に認定証を手渡した世界流しそうめん協会の上田悠貴会長は「成功できて、本当によかったと思う。これは、みんなでできたこと。流しそうめんを通じて、スタートからゴールまでも繋いだし、人と人、地域と地域も繋げたと思っている。(高低差世界一流しそうめん -伊右衛門の夏プロジェクト 2015-について)このプロジェクトがなかったら、こんなイベントはできなかった。素晴らしいプロジェクトだったと思う」とコメントした。
ただ、“高低差世界一”については少々曖昧なことになっている。今回は「ギネス世界記録」への申請は行なっていないため、あくまで世界流しそうめん協会が認定した結果となる。上田会長は「世界最長(3328m)の記録を作った(熊本県菊地高校の生徒による)熊本県の記録のときが高低差が約130mで、これが世界一だと認識している。そもそも、高低差を狙ってのチャレンジは初めて」としており、国内最高は間違いなく、ほかに記録がないと見られることから事実上の世界一だろうとの考えを示した。
ちなみに、265mの高低差というと、日本の建造物では大阪の「りんくうゲートタワービル」(256.1m)が最も近い。東京では、東京タワーの特別展望台が地上250mなので、このあたりが参考になるだろうか。いずれにしても、その高さは日本の高層ビル並みということはイメージできると思う。
こうした“偉業”を達成した参加者、関係者は、上田会長の音頭により伊右衛門で乾杯。「やましろ若葉連」による阿波踊りに、徳島県のマスコットキャラクター「すだちくん」も参加して会場を盛り上げたのち、夏の涼を感じられる楽しい「流しそうめん」に舌鼓を打った。
会場となった徳島県奥祖谷と言えば……
ところで、会場となった徳島県の祖谷といえば、冒頭でも触れたとおり日本三大秘境の1つにも数えられる奥深い山々に包まれた自然が見所だ。なかでも観光スポットというか、ある意味ではアクティビティとも言えるし、絶叫系アトラクションともいえるのが、有名な「かずら橋」だ。
古来的な木造の吊り橋で、とにかく橋板の隙間が大きいことが特徴。しかも、カズラの弦を組み合わせて固定してあるだけ(のように見える)ので心許ないうえ、やたら揺れる。入場料は大人550円で、一方通行となっており、ほとんど人は橋の両側に捕まりながら渡っていた。この入場は「日没まで」とされており、夜間の19時~21時にはライトアップも行なわれている。