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3月21日開通の京奈和自動車道 大和御所道路・御所IC~御所南ICを走ってみた
大和御所道路の開通ラッシュで法隆寺や橿原、吉野山など奈良観光が便利に
(2015/3/23 00:00)
- 2015年3月21日17時 開通
国土交通省 近畿地方整備局は3月21日、京奈和自動車道 大和御所道路の御所IC(インターチェンジ)~御所南IC間、2.5kmを開通した。料金は無料。
京奈和自動車は京都~奈良~和歌山を結ぶ延長約120kmの高規格幹線道路で、このうち奈良県内の大和区間、御所区間で構成される延長約27.2kmが大和御所道路。事業化は1992年。
御所区間は、橿原市新堂町の橿原高田ICから五條市居傳町(いでちょう)の五条北ICまでの延長13.4kmの区間となり、これまでに橿原高田IC~御所IC間の自動車専用部3.7kmが暫定2車線で開通済みだった。そして新たに、南へ延びる2.5kmの御所IC~御所南ICが暫定2車線で開通した。
また、この翌日となる22日15時には、大和区間の最北端となる郡山下ツ道JCT(ジャンクション)~郡山南IC間の自動車専用部1.6kmも開通。西名阪自動車道と交差する、奈良県初のJCT誕生となる。さらに翌週28日15時には、大和区間内の天理王寺線~桜井田原本王寺線間3.5kmも開通し、大和御所道路の約6割が開通することになる。
開通式後に御所南IC側から御所IC方面への上り車線を走行した模様などを写真でお届けする。
21日に行なわれた御所IC~御所南ICの開通式では、奈良県の荒井正吾知事が「今日の御所IC~御所南IC、そして明日には郡山下ツ道JCTも開通する。これにより名阪と奈良南部が直結して大きなトラックもスムーズに通れるようになる。京奈和自動車道は働く場を運搬する道でもある。南部の開通で御所市、五條市にも立地が進むことを期待している」とし、企業立地促進を開通効果の1つとして挙げた。
奈良県では2003年度以降の8年間で工場立地が約5倍に増加。大和御所道路の部分開通が始まった2006年には累積90件だった工場立地が、2010年には257件へ増加している。さらに、御所IC付近では、産業用地の開発が進められているという。
一方、地元御所市の東川裕市長は「たった2.5kmのの延伸と思われるかも知れないが、御所南ICの開通は本市のみならず県南部にとって大きな意味がある。御所南ICの近くは、條ウル神古墳、宮山古墳、巨勢山古墳群、日本武尊白鳥陵などがあり、少し西へ行けば葛城の道がある観光資源の宝庫」と、観光客増に期待を寄せた。
国土交通省 奈良県国道事務所の若尾将徳所長は、「大阪と関西空港から和歌山、奈良の世界遺産を巡る新たな周遊ルートが形成される。ルート沿線にある吉野、飛鳥など県中南部の豊富な文化遺産への観光客増を期待できる」としている。
御所南ICの出口は国道309号に合流しており、ここを南へ進めば、これから桜の季節を迎える吉野山、大峯山温泉などに行ける。また、京奈和自動車道の開通が進んだことで、県北部の法隆寺(斑鳩)、飛鳥から、橿原を含む中南部の観光地へのアクセスも向上する。
このほか、渋滞が激しい大阪を経由せずに和歌山、奈良へアクセスできる新たなルートの誕生や、並行する国道24号の渋滞緩和などが整備効果として挙げられた。
【お詫びと訂正】記事初出時、記事のタイトルに誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。