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年頭所感:KDDI 高橋誠社長

2025年1月1日

KDDI株式会社
代表取締役社長 CEO
高橋誠

 2025年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 企業経営を取り巻く環境は刻一刻と変化し、不確実性が増しています。そのため、将来を予測することがこれまで以上に難しくなっていると感じます。グローバルでは、さまざまな事象が同時並行で複雑に絡みながら動いており、時代の潮目や潮流を読む力が問われているように思います。気候変動や生物多様性への対応、地政学リスクを考慮したサプライチェーンの確保、人権問題への配慮、人口構造の変化による社会的格差の拡大、AI・量子などの技術による市場の変革など、これらはすべて企業経営において重要な要素です。

 一方、日本国内に目を向けると、先進国の中でも人口減少や高齢化の進行が顕著な“課題先進国”であります。これまで日本は、グローバルレベルの先行的な取り組みを参考にしながら、日本仕様に上手くチューニングし課題解決を図ってきたように思います。しかしながら、今後は“課題先進国”として、他国に先んじ、進取の精神をもって、さまざまな課題の解決に向け、道なき道を切り拓いていく姿勢が求められていると感じます。

 このような環境下において、当社が事業活動を行う上で、肝に銘ずるべきことは「お客さま第一に考える」、「お客さまと近しい存在であることにこだわり、お客さまに徹底して向き合おう、知ろう、という基本姿勢に立ち返る」ことにあると思っています。お客さまの声に対し、真摯に耳を傾け、そこから事業のヒントを得て、末永くお客さまに受け入れていただける商品やサービスに繋げていきたいと考えています。

 2025年は、当社の現中期経営戦略の最終年度になります。現中期経営戦略において当社が掲げる「サステナビリティ経営」は、経済・社会・環境それぞれの価値を同時に向上させることで、企業と社会の持続的成長を両立させるサイクルを実現することを目指すものです。中核に据える事業戦略である「新サテライトグロース戦略」においては、これまで着実に推進してきたさまざまな取り組みをさらに“進化”させる一年にしたいと考えています。

 そのためには、Opensignal社が発表した日本市場の「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」にて、18部門中13部門で1位を獲得した5G通信の継続的な磨き上げや、スマートフォンと衛星の直接通信など、つなぐチカラを進化させることに加え、AIの推進体制を整備するとともに、新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX」を軸としてパートナーさまとともに新たな価値を創出する取り組みを推進します。

「経営基盤強化」においては、「KDDI版ジョブ型人事制度」を通じて、社員の成長や組織全体の生産性向上を図ります。今春から予定している高輪新本社の移転を契機に働き方をアップデートし、社員力や組織力をさらに一段上のレベルに引き上げ、KDDI VISION 2030に掲げる「つなぐチカラを進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる」を実践していきます。

 2025年は、日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催の年でもあります。当社はこの国際的な祭典において、未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」に、日立製作所さまと共同展示を予定しています。両社のノウハウやテクノロジーを組み合わせることで、人々が生き生きと暮らすことができる「未来の都市」での生活を、ご来場される皆さまが体感できる展示を目指しています。是非ご期待ください。

 最後に、みなさまにご好評をいただいておりますauの「三太郎」シリーズの新年版を元日からオンエアしています。今回のCMでは、ローソンとauが一緒になって、いつもの日常の中にあるちょっとしたハッピーをお届けしていきたいという思いを込め、テーマは「みんなでハピろー!」としています。こちらも是非ご覧ください。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。