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ジブリパークを歩き回るとあの名シーンの音楽が聞こえてくる!? KDDIの高精度GNSS測位で実現する没入感満載のイベントが11月2日から開催
「ジブリパークの音響世界」
2024年10月15日 10:00
- 2024年11月2日~ 開催
KDDIとジブリパーク(愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1)は、専用機材を使ってジブリパークのある愛・地球博記念公園を散策すると場所に合わせて音楽や効果音がイヤフォンから流れ、BGMのように楽しめるイベント「ジブリパークの音響世界」を開催する。
開催日時は11月2日~4日、15~17日で、チケットは1人1500円で事前予約制。10月26日から申し込みを開始する。また、「ジブリパークさんぽ券」とのセット券も一部販売する。
専用のバッグとイヤフォンを身につけると園内にある音楽ポイント(音の芽)に近づいたときにスタジオジブリ作品で使用されている音楽などがイヤフォンから流れ、園内の世界観をより一層楽しめる仕掛け。イベントの開催を前に、KDDI協力のもとジブリパークを歩く楽しみ方も含めて取材した。
プロデューサーを務めたのは映画「竜とそばかすの姫」「モテキ」「巨神兵東京に現わる」や、アニメ「血界戦線」、Netflix「全裸監督」などを手がけた作曲家の岩崎太整氏で、「来園者の行動に寄り添って音響世界が開かれ、現実と映画が共存する空間」を生み出したという。
専用バッグはショルダーバッグ型と帽子型の2種類あり、帽子型はリュックサックの上から取り付け可能。開発を担当したKDDIの先端技術統括本部・先端技術企画本部・システム戦略部の伊藤学氏によると、アンテナの位置を保てる帽子型がお勧めらしい。
イヤフォンはオープンイヤー型の「Shokz OpenFit」を採用。周囲の音も聞きながら音楽も楽しめるうえ、8.3gと軽く、装着感がほとんどないため付けていることを忘れるような自然さだった。
公園北口から「青春の丘」のエレベーター塔へ向かうと、まず聞こえてくるのはガイド音声。「千と千尋の神隠し」の荻野千尋役の声優、柊瑠美さんがこのイベントのために撮り下ろしたもので、イヤフォンの動作を確認する音声は「マックロクロスケ」の声でガイドからジブリの世界観が満載。
「音の芽」は「ジブリの大倉庫」を除いた4つのエリアやその周辺、エリアをつなぐ園路など50か所以上あり、探しながら公園散策を楽しんでほしいという想いが込められている。
記者がまず向かったのは「青春の丘」にある「地球屋」。ここは「耳をすませば」に登場する天沢聖司がでヴァイオリンを製作に励み、主人公の月島雫が「カントリー・ロード」を歌った場所だ。坂の下の園路からベランダ部分を見上げると、ヴァイオリンの音がイヤフォンから聞こえてくる。ここで聞こえる曲は、「Bach Sonata for Violin Solo No.1 in G Minor」で、実際に地球屋に展示しているヴァイオリンを使用してイベントのために録音したという。
また、この場所では高精度な位置測位技術によって、正面で建物を見ているときと歩いているときでは音の聞こえ方が違っていた。具体的には、歩き出すと建物の方から音がしているような立体音響を楽しめるので、ぜひ音楽が聞こえている間に歩いてみて楽しんでほしい。
「青春の丘」をあとにして、「魔女の谷のみえる展望台」に向かう。ここでは、「魔女の宅急便」の冒頭に流れていた楽曲「晴れた日に…」を聞くことができる。この展望台からは実際に「グーチョキパン屋」の建物が見えるため、曲が流れている間ゆっくりと眺めを楽しむのがお勧めだ。
また、「魔女の谷」を進むとヨーロッパ風の街並みが視界に広がるのとあわせて、「海の見える街」が聞こえてきて、その世界に引き込まれるようだった。
このほかにも、大きな道だけを歩いていると分からなくてちょっと探す必要がある場所や、何かの隣に座るくらい近づかないと聞こえない場所、立ち止まって見ないと聞こえない場所などがあり、遊び心のある仕掛けが随所にある。伊藤氏によると、かなりシビアに位置情報をチューニングしているそうだ。効果音がランダムに散りばめられており、合成されて1つの音になるスポットもあるという。
「ジブリパークの音響世界」を実現している仕組み
かなり正確な位置情報で制御している今回のイベントだが、これを実現するためにKDDIが提供する誤差数cmの高精度位置測位技術(高精度GNSS測位)を活用している。
また、ウェアラブル機材の小型化も重要なポイント。専用バッグの中には小型GNSSコンパスとアンテナ、ケーブル、スマートフォンを格納している。
スマートフォンには耐衝撃、耐振動、防水・防塵、耐温度を備えた京セラのタフネスモデル「TORQUE」を採用。真夏の温度でも耐えられるような機体を選定したという。
©Studio Ghibli