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年頭所感:森ビル 辻慎吾社長

2025年1月6日

今年は、新たな地平から、森ビルの未来を考える年だ
ひとりひとりの発想と努力を結集し、森ビルにしかできない国際新都心を創っていく

森ビル株式会社
代表取締役社長
辻慎吾

 2025年は、「新たな地平から、森ビルの未来を考える年」だ。

 昨年は「麻布台ヒルズ」と「虎ノ門ヒルズ」のほぼ全ての施設をオープンさせ、街を軌道に乗せるための様々な取り組みを行った。その過程で多くの課題に直面したが、試行錯誤しながら皆で乗り越え、年末ごろにはいずれのヒルズも思い描いていた街らしくなってきた。森ビルに対する世の中の評価もますます高まり、財務体力、組織の能力、社員の能力、会社のブランド力、エリアのポテンシャルなど、どれをとってもステージが大きく変わった。しかし、ステージが上がれば、越えるべきハードルも、求められるレベルも一段と高くなる。今まで以上に知恵を絞り、広く深く考えなければならない。

 我々が運営するどのヒルズにも素晴らしいパートナーやテナントが集まっている。我々が要になって、パートナーや街の人々をもっと巻き込み、掛け合わせていくような様々な仕掛けや仕組みを本格化させていく。また、複数のヒルズを効果的につなぐことも、森ビルの未来を拓く大変重要なテーマだ。ヒルズがつながれば、我々の戦略エリアが誰も追随できないエリアになり、個々のヒルズもさらに進化する。部門や施設の枠を越え、社員ひとりひとりの発想と努力を結集し、森ビルにしかできない国際新都心を創っていきたい。

 次の「六本木5丁目プロジェクト」は非常に難しいプロジェクトであるうえ、工事費事費や工期などの見極めも難しくなっている。権利者の合意形成を進めながら、事業計画の中身をひとつひとつ細部まで詰め切っていく。「虎ノ門3丁目プロジェクト」も、来年の都市計画提案を目指して推進する。海外では、昨年ニューヨークの「One Vanderbilt Avenue」の一部を購入したが、引き続き、開発案件を含む投資機会を検討していく。

 不透明で変化の激しい時代において、間違いなく言えることは「現状維持では未来はない」ということだ。企業は成長するか衰退するかであり、現状維持が最も難しい。つまりは「成長戦略」こそ、我々の唯一の選択肢だ。成長し続けるためには、新しいことや前例のないことに挑戦するしかないし、それこそが「森ビルらしさ」でもある。皆で苦労して、ようやく手に入れた「新たな地平」から、森ビルの未来を考え、森ビルらしく挑戦し、森ビルらしく成長していこう。