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ポケトーク新作、選んだ2言語を自動認識して双方向翻訳できる「S2」に進化。通信エリアは170の国・地域へ拡大

ポケトークS2/S2 Plus

2024年10月17日 発売

ポケトークS2を手にするポケトーク株式会社 代表取締役会長 兼 CEO 松田憲幸氏

 ポケトークは10月15日、AI通訳端末ポケトークの約5年ぶりの新モデル「ポケトークS2」を発表した。17日に発売する。

 新モデルでは、あらかじめ選んだ2言語のうち、どちらで話したかを自動認識して双方向の自動翻訳を行なう機能を搭載した。通信可能なエリアは170以上の国と地域に拡大し、バッテリー駆動時間も改善を図った。

 価格はポケトークS2が3万6300円、大型のポケトークS2 Plusが3万9930円。

 また、俳優の大泉洋さんの出演するテレビCMを11月1日から放映する。

ポケトークS2は3万6300円、画面の大きいポケトークS2 Plusは3万9930円。ともにSIM通信期間2年付き

 会見に登壇したポケトーク 代表取締役会長 兼 CEOの松田憲幸氏は、2001年から「言葉の壁をなくす」をミッションに掲げて2017年に初代モデルを発売、以降ポケトークW、ポケトークSと改良を重ねてきたこと、最初は観光目的でポケトークを立ち上げたが、発売数年でコロナ禍に直面し、逆にそれが転機になったことなどを振り返った。

 現在では日本国内よりアメリカでの売上の方が大きくなっており、例えば教育分野では、全米約1万4000学区の約5%がポケトークを導入、金額ベースでは2兆円規模に届いている。また、さまざまな人種、移民の暮らすアメリカならではの課題として、ネイティブの英語話者以外の人口も多く、医療施設で診察を受けるとき、あるいはスマホを持ち込めないような機密を求められる労働現場、多様な言語に対応する必要のある公的機関など、ポケトークの活躍できる場面は多いという。直近の実例としては、大統領選挙において投票所である程度受け答えできる必要があり、実際にポケトークを導入した地域も存在している。

 通信機能はソフトバンクとの提携で機能強化を図っており、ドイツのスタートアップ「1NCE(ワンス)」のSIMを採用した。ワンスの名のとおり、一度約2000円支払えば10年間使い放題という低廉のサービスを背景に回線数を拡大しており、ポケトークS2は1NCEの採用によって、これまで144か国から173か国へ通信可能なエリアをさらに広げている。

 S2の特徴としてはビジネスモデルをラインアップした点も挙げられ、SIM通信期間3年(通常モデルは2年)と「ポケトークアナリティクス」を提供する。アナリティクスではRAWデータの取得が可能で、例えばインバウンドの利用の多い飲食店・商業施設などで通訳履歴を分析することで、どの言語話者が多いか、どのキーワード(質問内容)が多いかなどを分析することで、接客対応の改善に充てられるという。ビジネスモデルの価格はS2が6万6000円、S2 Plusが7万2600円。