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飛行機でもYouTubeやNetflixをストリーミング再生できる! J-AIRの機内Wi-Fiサービスを試してみた
2024年8月23日 20:00
- 2024年7月12日~9月30日 実施
「これから飛行機乗るのでしばらく仕事の対応できません!」という言い訳が通用したのは今は昔、国内線は機内Wi-Fiの無料接続が当たり前になって、インターネットにつながらないことの方がめずらしいと言えるかもしれない。
それでもYouTubeやNetflixなど「動画のストリーミング再生」には制限がかけられており、機内で見たい動画は事前にスマホにダウンロードしておくなどの準備が必要だった。搭乗直前にゲート前で空港のWi-Fiに接続してダウンロードを始めてみたものの、結局完了せずに搭乗時刻になってしまってガッカリ……というのは動画中毒な人なら経験があるのでは。
JALグループのJ-AIR(ジェイエア)は、この動画のストリーミング再生も可能な無料機内Wi-Fiサービス「J-AIR動画見放題」を実施している。同社のエンブラエル 190型機の全14機にアンテナ設置作業が完了したことを記念した取り組みで、期間は7月12日~9月30日。
もちろん国内航空会社としては初の試みで、結論から言えば、拍子抜けするほど簡単にYouTubeやNetflixを再生することができた。今回は以下の6つのサービスを試している。
J-AIR機内Wi-Fiで試した動画ストリーミングサービス
Amazonプライムビデオ: 低画質モードで再生、バッファ長め(30秒以上)
Apple TV: 最初から高画質モードで再生、バッファごく短め
Disney+: 最初から高画質モードで再生
Netflix: 低画質モードで再生開始後、高画質モードに移行
U-NEXT: 低画質モードで再生開始後、高画質モードに移行
YouTube(Premium): 低画質モードで再生開始後、高画質モードに移行。バッファごく短め
※日付や時間帯などで挙動は変わる可能性があります
上記はあくまで取材時(8月23日)の状況のため、日付や時間帯、機内の混雑具合で挙動は変わる可能性があるものの、地上で5G接続あるいはフリーWi-Fiなどに接続しているときとそう変わらない感覚で視聴することができた。
YouTubeでいえば、グレーアウトしている(読み込み前の)動画サムネイルが表示されるまでわずかなタイムラグがあるものの、スクロールに追従できないほどではないし、サムネをタップしてから再生が始まるまでの待ち時間はほとんどなかった。なお、往復(JL155/154便)ともにAmazonプライムビデオはややバッファリング(データの先読み)が長めだったものの、これがこの日たまたまだったのかは検証できていない。
再生開始までどの程度バッファするのか、低画質でもすぐに再生を始めるかなどはアプリによって思想が異なるが、低画質モードで再生が始まっても、バッファが貯まり次第高画質モードに切り替わるのはどのアプリでもほぼ同様で、「機内で再生できるけど画質がガビガビ」なんてことはない。実際の挙動は以下の動画をサンプルとして確認していただきたい。
参考までに機内でスピードテストも実施した。かなり値にばらつきがあり(下り13~50Mbps、取材時)、ほかの利用者の影響を受けているとみられるが、それでも動画のHD再生には問題ないレベルに収まっていた。
J-AIR担当者によると、もともと機内Wi-Fiには十分な帯域があるところを絞って運用していたそうで、今回の取り組みに際してその制限を緩めているという。
以前、ジェイエア 代表取締役社長の本田俊介氏に機内Wi-Fiについて伺った際、「地上でできることはすべてできるようにしたい」と話していたのが印象的だったが、今回の取り組みはその大きな一歩として画期的なサービスという印象を持った。
全席に個人用モニターがあるような機材では、国内線でも機内エンタテイメントとして映画やドラマを提供するのが当たり前になりつつあるが、利用者が自分のデバイスで好きなように動画を見ることができるのは素直にうれしい。本取り組みは9月30日までの期限を設定しているが、ぜひ全面的な本格導入を期待したい。なお、オンラインスマホゲームなども制限はしていないそうなので、動画のストリーミング再生に限らずいろいろなことができそうだ。