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初代大阪駅の跡地に開業した「大阪ステーションホテル」は鉄道愛が詰まったラグジュアリー。上品に取り入れた鉄分要素や抜群の眺望を見てきた!

THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection

2024年7月31日 開業

7月31日に開業した「THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection」は、JPタワー大阪の高層階に客室を構える

 JR西日本ホテルズは、「THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection(大阪ステーションホテル)」(大阪府大阪市北区梅田3-2-2)を7月31日に開業した。

 JR大阪駅の西口すぐそばに建てられた「JPタワー大阪」(地上39階、地下3階)の高層フロアに入居するラグジュアリーホテルで、提携するマリオット・インターナショナルのブランドの一つである「オートグラフ コレクション」として誕生した。

大阪ステーションホテルの1階エントランス

 ホテルの客室はJPタワー大阪の30~38階に用意されており、全客室数は418室。内訳はスイートが8室、ツインが208室、キングが202室となっている。

 すべての客室で素晴らしい眺望を楽しめるが、最上階の38階はスペシャリティフロアになっており、サービスやインテリアなどワンランク上の宿泊体験を提供する。ホテルのフロントやロビーラウンジ、レストランは29階に位置し、宴会場は7階に用意している。

フロアマップ

鉄道をモチーフにした時空トラベルがコンセプト

 オートグラフ コレクションは、マリオットのブランドのなかでは独立系のホテルの個性を尊重した位置付けになっており、それぞれのホテルが持つ、唯一無二のストーリーを大切にし、ユニークな宿泊体験を提供する。もちろん、マリオットの旅行プログラムである「Marriott Bonvoy」に参加しているので、会員はさまざまな特典を受け取ることができる。

 大阪ステーションホテルの名前の由来は1874年(明治7年)に当地に開業した初代大阪駅までさかのぼる。駅舎は新しいランドマークとして人々を魅了し、旅人と街をつないできた。そのような鉄道の記憶と先人たちの想いとともに、ホテルのあるべき姿を追求するために大阪ステーションホテルと命名したという。

 これはホテルブランドにも引き継がれ、土地に紡がれてきた歴史や文化を未来に継承する「THE OSAKA TIME」として掲げている。ゲストはタイムトラベラーとなり、現代からエントランスの「時空の旅の始まり」を経て、「タイムマシン」をイメージしたエレベーターで移動。29階のロビーでは、「時空を超えて駅の記憶を旅する」なかで食事を楽しんだりチェックインをする。ちなみに、初代大阪駅の開業記念日である5月11日から宿泊予約を開始していた。

エントランス周辺には行先表示板や機関車のプレートなど、鉄道関連の懐かしい品々が飾られている
エレベーターを降りた先には昔の駅舎を彷彿とさせるレンガ作りの通路が出迎えてくれる
フロントは昔の駅の改札を模したアイランド型。地上からの高さは約140m
ロビーの中央に位置する「THE STATION SQUARE」(駅前広場)。奥にある「WATER STATION」は江戸時代に旅人に水をふるまった「ふるまい水」を進化させたもの

レストランやロビーも鉄分が多めで、シークレットな隠れバーも用意

 オールデイダイニング「THE-MOMENT GRILL&DINING」は、豪華列車の食堂車をコンセプトに掲げており、車上気分で各種料理を味わえる。80種類以上の料理が並ぶビュッフェや店舗名を冠した「神戸牛100% “THE-MOMENT BURGER”」が楽しめる。

食堂車のような天井の「THE-MOMENT GRILL&DINING」(147席)
大阪市街を見渡せる極上の景色

「鉄板焼 瑞(みずき)」は天下の台所をコンセプトにしたレストラン。一駅ごとに旅をするように、一皿ごと、日本各地の上質な食材を景色とともに堪能できる。

シェフが目の前で調理してくれる「鉄板焼 瑞」(28席)

 優雅なティータイムを楽しめるのが「THE LOBBY LOUNGE」。ホテルで人気のアフタヌーンティーにも力を入れており、旬のフルーツが食べ頃の時期にしか提供しないというこだわりがある。8月は桃を主役としたアフタヌーンティーを用意する。

 天井の光る屋根は初代大阪駅の切妻屋根をイメージしたもので、その下にはつながる緑や未来を線路で表現したリングアートが来訪者の目を楽しませる。

「THE LOBBY LOUNGE」(81席)

 このほか32席のメインバーも用意されているが、コンセプトを守るべく、店名も含めて情報をほとんどいただけなかった。コンセプトは鉄道愛が息づくスピークイージースタイルのバーとのこと。スピークイージーとは禁酒法の時代に流行した“もぐり酒場”のことで、仄かな明かりの通路を進み、「駅長室」と書かれた隠し扉を開けた先にあるらしい。

24時間使えるジムとスペシャリティ利用者限定の大浴場

 30階にはトレーニングジムと「OFURO」(大浴場)がある。ジムは30階からの眺めを楽しみながら、宿泊客ならいつでも使うことができる。OFUROは38階のスペシャリティフロア、各フロアのスイートルーム宿泊者だけの限定施設だ。広々とした浴槽とドライサウナ、水風呂を用意している。また、景色を眺めながらチェアでのんびりと過ごせるリラクゼーションルームもある。

24時間使えるトレーニングジム
スペシャリティとスイート利用者限定のOFURO
リラクゼーションルーム

抜群の眺めが楽しめる高層フロアの客室

 30~38階までが客室になっており、30~33階はシグネチャー、34~37階はシーニック、38階がスペシャリティになっている。今回の内覧会では、37階の3タイプの客室を見学できた。客室のコンセプトは「旅の余韻に浸る雲上の客室」だ。ちなみに特別フロアである38階は「未来へ伝えるべきものを吸い寄せる雲」を掲げている。

「SCENIC TWIN(シーニック ツイン)」は広さが40m2、シモンズ製のベッド(1350×2030cm)が2台並ぶ部屋で、テーブルとチェア、浴室・トイレ、55インチの液晶テレビなどを備えている。アイランド型の洗面台が目を引く内装だ。

ツインベッドルームの「SCENIC TWIN」
独立して配置された洗面台が印象的

「SCENIC CORNER KING(シーニック コーナー キング)」は、各フロアの角に位置した眺望重視の部屋。広さは57m2あり、シモンズ製のベッド(1830×2030cm)、テーブルとチェア、ソファベッド、浴室・トイレ、55インチの液晶テレビなどを備えている。角部屋として2方向が窓になっているベッドルームから見えるダイナミックな大阪の景色には目を奪われる。

キングベッドルームで角部屋の「SCENIC CORNER KING」
ベッドルームからの景色が素晴らしい
バスルームも眺望重視の配置。洗面台を2台備えている

「THE SUITE(ザ スイート)」は159m2の広さを誇るスイートルーム。リビング、ダイニング、ベッドルーム、バスルーム、ウォークインクローゼットなど、どれもがゆとりのある広さで、上質な宿泊体験を求めるゲストのニーズに応えてくれるだろう。シモンズ製のベッド(2000×2030cm)がある部屋には55インチの液晶テレビも設置している。

THE SUITEのリビング。壁には75インチの液晶テレビを設置している
ダイニングルームもとにかく広い
大阪駅周辺の街並みが手に取るように分かる
キングサイズのなかでも大きめなベッド
御影石のバスタブがゴージャス感を演出

MICEやパーティで使える7階の宴会場

 大阪ステーションホテルは7階に宴会場を大中小の3タイプ用意しているので、そちらも最後に紹介しておこう。最大900名(立食)まで収容可能な大宴会場「THE BALLROOM」、2方向からの採光で明るい雰囲気の中宴会場「SUN」、ホワイトベースの内装でウェディングや祝賀会などに向く中宴会場「UMEDA」、少人数の会議などに使える小宴会場「PRIVATE ROOM」がある。目的や人数に合わせて、フレキシブルに対応できるとしている。

3分割して使うこともできる「THE BALLROOM」の広さは742m2ある
正餐110人、立食150人に対応する「SUN」
2分割して使うこともできる「UMEDA」。立食は最大120人まで対応
正餐24人対応の「PRIVATE ROOM」はAとBの2部屋を用意