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航空写真家がGoProに出会った! ウォータースライダーとサバゲーは手の甲マウントでゲームみたいな映像撮れるぞ

航空写真家×アクションカムでなにが起きる?

 梅雨まっただなかの7月某日。GoProが主催する「GoPro Summer Travel」に参加してきた。このイベントは、さまざまなアクティビティを通して、GoProの豊富なマウントやアクセサリーを使って撮影体験をしてもらおうと、メディア向けに企画されたもの。

 筆者は、主に航空業界を撮影するスチール専門のフォトグラファーで、仕事上で動画を撮ることはない。かろうじてスマートフォンで記録用ないしはメモ程度に少し撮るくらいのものだ。そんなスチール専門のフォトグラファーが、GoProを使ってみてどのように感じたか、今までGoProのようなアクションカム未経験の方に少しでも伝われば幸いだ。

「GoPro Summer Travel」の舞台となったのは京阪神地区からクルマで1時間。三木市にあるネスタリゾート神戸。ここで2日間みっちりGoProを体験する

 ここで、今回使用した最新モデル「GoPro HERO12 Black」のスペックについて少しおさらいしておこう。

 このモデルは2023年9月に発売された現行モデルで、内蔵プロセッサやセンサーサイズ、本体サイズなどの基本仕様は前モデルであるHERO11を踏襲。

 新たに5.3Kと4KのHDRビデオ、27MPのHDR写真撮影、GP-LOG+LUTのカラー調整への対応、手ブレ補正がHyperSmooth6.0へ進化したほか、バッテリー管理を見直すことにより、電力効率が大幅に改善。5.3K60fps、HyperSmooth6.0がオンの状態で70分の連続撮影が可能となった。これは前モデルであるHERO11を同条件で撮影した場合の2倍の長さにあたる。

 そのほかオプションの「Maxレンズモジュラー」が2.0にアップデート。4K60fpsで177度の超広角撮影が可能となった。まさに正当進化した最新モデルだ。

 さて、フォトグラファーである筆者がGoPro HERO12 Blackを手にした率直な感想だが、とにかく小さく、それでいて作りがしっかりしていると感じた。底面には1/4のカメラネジ穴があいている。あとから伺ったところ、このネジ穴はこのHERO12からとのこと。

 筆者が今までGoProを手にしなかった理由の1つが、既存のカメラ規格との親和性にやや欠けると感じていたところが挙げられる。もちろんサードパーティのアクセサリーを使用することで、スチールカメラにマウントすることも可能だし、むしろGoProのようなアクションカメラをわざわざスチールカメラにマウントする必要性は少ないかもしれない。ただ、心理的な壁になっていたことは事実だ。

HERO12 Blackから実装された1/4カメラネジ穴。ネジ穴1つが既存のカメラアクセサリーとの組み合わせの自由度が格段に上がる

 このネジ穴1つの存在が、既存のカメラ用アクセサリーとの組み合わせや、フォトグラファーが現場でGoProを使うときに、GoPro用によけいなアクセサリーや機材を用意しなくても、既存の機材でGoProが使えるようになったことは非常にありがたい。たかがネジ穴1つ、されどネジ穴1つである。

 とはいえ、こういう風に使えたらな?というひらめきに答えてくれるには十分過ぎるほど多彩なマウントやアクセサリーが揃っており、少し荷物が多くなっても現場に持って行きたいと思わせてくれる。その点はアクションカムと言えばGoProと言わしめるだけのことはある。

 今回、体験の場となったのは、兵庫県にある「ネスタリゾート神戸」(兵庫県三木市細川町垂穂894-60)。30種類以上のアクティビティがあり、宿泊施設を初めプールや天然温泉など60以上の施設を擁する総合リゾート施設だ。まさにGoProの威力を体験するにふさわしい施設。ここで1泊2日、身体を張ってGoProを体験した。

 なお、今回はネスタリゾート神戸から特別に撮影許可を得ており、安全対策を十分にとったうえで撮影していることを付け加えておく。

 1日目はウォーターアクティビティを主に体験した。GoPro HERO12 Blackは専用ハウジングを使用しなくても、単体で水深10mまでの耐水性能を持っている。最初に提供されたマウントは手の甲につけるハンドストラップ付きのマウント。これでGoProを手の甲にマウントし、ウォータースライダーへ。

ハンドストラップで手の甲にマウントしたGoPro HERO12 Black。手の自由度を妨げることなくカメラをマウント可能。水に濡れても問題はない

 まず、まったく手の自由度が妨げられない点がこのマウントの秀逸なところ。ウォータースライダーのスタート位置まで自分でゴムボートを持って階段を上っていくのだが、いっさいジャマになったりはしない。それでいて自身の手を撮りたい方向に向けるだけなので、撮影も非常に簡単。HyperSmooth6.0の強力な手ブレ補正のおかげで、手持ちで撮ったとは思えないスムーズな動画が得られた。

いわゆるサバゲー的アクティビティ「ガンバトル・ザ・リアル」では右手の甲にハンドストラップを使ってカメラを固定。銃目線での映像を期待した

 次に体験したのは、ガンバトル・ザ・リアル。俗に言うサバイバルゲーム。これもハンドストラップ付きのマウントを使用して、銃の目線で動画を撮ってみた。少々奇をてらいすぎて、動画を見返すと酔ってしまうが、それでもこの激しい動きにHyperSmooth6.0の強力な手ブレ補正はしっかりと追従している。

 この動画をご覧いただいて、お気づきだろうか? 手の甲に着けたGoProは手の動きで水平が常に変化するが、映像では水平が保たれている。これは編集の段階で水平を保つように設定した。

 2日間にわたって撮影したデータはすべてGoProの「Quik」という専用アプリで編集をした。プロのような高度な編集こそ不向きだが、時間をかけずに直感的に作業ができる。映像の水平出しもクリック1つで可能だ。そして、撮りっぱなしの映像素材に音楽(著作権フリー)をつけたり効果をつけたり、もちろん映像内へのテロップ挿入なども可能になっている。

GoProが提供する専用アプリ「Quik」(Mac版/Android版/iOS版)では、GoProで撮影した映像素材を簡単に編集することができる。テーマ別編集や、著作権フリーの音楽も用意されており、SNS用の映像も作成可能。赤丸で囲った「水平維持」にチェックを入れるだけで、映像は常に水平が保たれる

 1日目はこの2つのアクティビティでGoProを体験したあと、施設内のテラスでバーベキューをして参加者同士の親睦を深めた。もちろん参加者の手にはGoPro HERO12が。