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ブッキング・ドットコム、2024年の旅行トレンド予測を発表。偶然の発見や憧れ、人生のヒントを求める旅へ

2023年12月12日 発表

トレンド予測の1つ「憧れのひとときを、アラカルトラグジュアリーで叶える旅」の一例をイメージしたホテルのルームセット

 ブッキング・ドットコム・ジャパンは12月12日、2024年旅行のトレンド予測と同社が提案する新しい旅の形「Travel is LIFE-This is Me!」のコンセプト発表会を報道向けに行なった。

 ブッキング・ドットコム・ジャパンの広報部長 大畑智美氏によると、1年前に行った2023年のトレンド予測では“非日常”や“現実からのエスケープ”という意味合いが強い傾向にあったが、今回の2024年予測では、日常から逃れるための手段だけでなく、それぞれの最高の人生を今後どのように描こうかな?と考えたときの延長に「旅」がある、というイメージに変化しているという。

 33の国と地域、約2万8000人の旅行者を対象とした調査結果をもとに、ブッキングドットコム独自データと知見を併せて考察したという2024年旅行の7つのトレンド予測は以下のとおりだ。

「今回で8回目の旅行トレンド予測発表だが、その年によってかなり違う。社会情勢がわかるバロメーター」と述べたブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社の広報部長 大畑智美氏

トレンドその1「もう1人の自分・主人公の私を楽しむ旅」

旅先で最高の「もう1人の自分」になりきることで、よりイキイキと楽しい時間を楽しむ旅行者が増えていく

 世界の旅行者の68%、日本の旅行者の55%が「日常に戻っても休暇中の自分のようでありたい」と回答しているそう。37%の人が「旅先で出会った人に自分の実生活について話をする際に、作り話をする」と回答しているという結果もユニークだ。

トレンドその2「水を通じて、生きている実感に触れる旅」

バカンスを暑いところで過ごす時代は終わりに?!

 水に関連した旅が増えると予想。このトレンドの背景には昨今の気候変動が影響を与えている。うだるような暑さから「涼」を求める旅行者が急速に増加しており、フローティングヨガや水音のサウンドバス、雪の中での瞑想体験、水中ホテル、マーメイド体験などへの注目の高まりが期待されているという。

トレンドその3「偶然に導かれる、発見に満ちた旅」

到着するまで目的地がわからないサプライズトリップをしてみたいと考える旅行者が世界で52%に対し、日本の旅行者は24%とやや消極的

 旅行計画を事前に決めない、成り行きに任せた旅が流行。実際、地図に載っていない場所への訪問、そこでの偶然の出会いを大切にしたいと思っている旅行者は世界で55%(日本の旅行者は33%)居るという。

 また世界の旅行者の48%が「AIに旅行の計画を任せてみたい」と回答するほど、AIに旅行プランを立ててもらうことに好意的なのだとか。

トレンドその4「五感で味わい、風土を想う食体験」

世界の旅行者の81%(日本の旅行者の47%)が、2024年はその土地ならではの料理に挑戦したいと回答している

 食文化探究が好きな、いわゆるグルメな旅行者は、2024年は旅先の食文化をそのルーツまで深く掘り下げて、食通ならではの発見を求めていくのではないかと予想。

 食トレンドを追うだけではなく、職人技や食の背景にある失われつつある文化の秘密まで掘り下げて、五感で味わうことを求めている。

トレンドその5「憧れのひとときを、アラカルトラグジュアリーで叶える旅」

アラカルトで贅沢を取り入れながら旅をグレードアップさせるというトレンド

 普段よりグレードの高いクルマを借りて旅を楽しんだり、オールインクルーシブのプランを予約して支出を気にしないで旅を満喫したり、遠出ではなく近場にし、その分ラグジュアリーな時間を堪能するというトレンド。

 2024年は節約術を駆使して費用を抑えながらも、アラカルトで贅沢を取り入れながら旅をグレードアップしたいと考える旅行者が増えると予想した。

トレンドその6「デザイン美+マインドフルネスで、美意識をアップデートする旅」

キーワードはデザイン美とマインドフルネス

 世界の旅行者の65%(日本の旅行者の38%)が「旅先の宿では、部屋に居ながらにして、外の自然の景色を楽しみたい」という考え。旅先の空気や風景、現地のカルチャーなどが旅行者のマインドフルネスを満たして、美意識をアップデートしてくれるような旅がトレンドになると予想される。

トレンドその7「よりよい明日へとつながる旅」

自己改善を主な目的とした旅を予約する傾向に

 睡眠コンシェルジュや最先端のテクノロジーを活用し、深い眠りを得ることを目的とした「スリープツーリズム」という新たな旅行の時代が到来している。

 また、日ごろの疲れがたまっている親世代は、完全に1人で過ごす休暇を強く望む傾向に。世界の旅行者の58%(日本の旅行者の35%)は、「子どもやパートナーよりも自分を優先した一人旅を計画している」と回答しているという。

心地よい音楽とともに、胸に染み入る声で“生”ナレーションを担当したALAN J氏。「来年はまだ行ったことがない北欧に行って本場のサウナに入ってみたい」と2024年の旅行の豊富を語っていた

 この日の会場では、発表された旅行トレンド予測その5で登場した“アラカルトラグジュアリー”をさらに感じてほしいと、ホテルのルームセットを展示。

 誰かと一緒ではなく、女性1人で泊まる部屋をイメージして制作したという、インテリアデザインを担当した竹川倫恵子氏からは、「自分を見つける旅を、このようにホテル選び、ルーム選び、インテリアから選ぶという新しい旅の見つけ方もいいのでは?」とアドバイスがあった。

インテリアデザインを担当したアールティー・ヘンマ株式会社 代表取締役の竹川倫恵子氏
ロマンティックモダンなホテルのルームを再現。大人かわいい!の一言
壁紙やファニチャー、メイク用品やフレグランスなど、思わず細部まで眺めてしまった
本当に自分が好きなものって何だろう?と旅に出ることになった“28歳の女性”のストーリーがこちら