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ブッキング・ドットコム、GW旅行は“主人公の私”を求めて贅沢と節約を両立させる傾向に。キーワードは「等身大風自己ブランディング」

2024年4月4日 発表

Booking.comが予想するGW旅行のトレンドは「等身大風自己ブランディング」

 ブッキング・ドットコム・ジャパンは4月4日、報道向けに「GW旅行トレンド予測発表会」を実施した。

 同社の西日本地区エリアマネージャーの高木浩子氏によると、GW旅行のトレンドは「Travel is LIFE」。これまでは“非日常”や“現実”から逃れる意味合いが強かったのに対し、2024年はよりよい生き方を探すための手段に変化しているという。

 また33か国・約2万8000人の旅行者を対象とした調査結果をもとに、2つの重要なテーマについて説明した。

GW旅行トレンド1「五感の刺激を研ぎ澄ます旅」

目的地: 草津、熱海、別府、箱根、日光、軽井沢、宮古島
宿泊施設: ヴィラ、旅館、一棟貸し、キャンプ
内容: 温泉やスパ、自然、食などを通じて癒やしを求める

GW旅行トレンド2「趣味追求の熱狂旅」

目的地: 仙台、那覇、横浜、神戸、千葉
宿泊施設: シティホテル、アパートメントホテル
内容: テーマパークやフェスなどで“主人公の私”を楽しむ

2024年の旅行トレンド
GW旅行トレンド1「五感の刺激を研ぎ澄ます旅」
GW旅行トレンド2「趣味追求の熱狂旅」

 旅行の目的地について、日本人は国内を選ぶ割合が90%と非常に高い傾向にあり、円安や物価上昇などの影響がある一方で、国内各地に観光地としてのポテンシャルを感じている人も多いという。またチケット代・入場料にお金をかける代わりに宿泊費を抑えるといった「アラカルトラグジュアリー」も広まっているとのこと。

 GWの宿泊予約数は2023年に比べるとやや少なく、旅行時期の分散化や直前の予約が増えているようだ。

ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社 西日本地区エリアマネージャー 高木浩子氏

 発表会後半のパネルディスカッションでは、芝浦工業大学教授/マーケティングアナリストの原田曜平氏が登壇し、若者の動向について「SNSによる自己ブランディングは旅行にも通ずる」と述べた。

 SNSの投稿内容は「無加工“風”で等身大の自分を演出し、推しが芸能人から身近な友人に変化している」と指摘。福岡県糸島市や香川県直島町、石川県の金沢21世紀美術館など動画映えする観光地だけではなく、YouTuber「東海オンエア」の聖地である愛知県岡崎市などこれまで注目されていなかった地域も人気が高まっているという。

 また宿泊施設では、ラウンジの利用やウェルカムドリンクなどのサービスがすべて宿泊費に含まれている「オールインクルーシブ」や、夜食のぶぶ漬け・舞妓さんとのお座敷遊びといった文化体験がトレンド。

 グランビスタ ホテル&リゾート 統括部長の岡田武則氏は、「インバウンドでは90~120日前の予約で平均2.5泊である一方、国内旅行者は20~30日前の予約で平均1.3泊。早めの予約かつ連泊することで、旅行全体の満足度が上がるのではないか」と提案した。

 最後は「Z世代」「さとり世代」などの流行語を生み出してきた原田氏が、新たなトレンドワード「等身大風自己ブランディング」を考案し、発表会を締めくくった。

芝浦工業大学教授/マーケティングアナリスト 原田曜平氏(左)、株式会社グランビスタ ホテル&リゾート 統括部長 岡田武則氏(右)