ニュース
航空機の地上作業などの事業者50社が「空港グランドハンドリング協会」設立。人材不足の解消、認知度向上に向け連携
2023年8月25日 18:02
- 2023年8月25日 設立
航空業界各社は8月25日、共同で「空港グランドハンドリング協会」を設立、記者会見を行なった。会員社はANA、JALほか、両社でグランドハンドリングを担当する事業者など50社(3万1886名)。
グランドハンドリングとは、航空機を運航する際の支援業務を総称するもので、乗客の搭乗に関わる旅客サービス、手荷物や貨物の預け入れ・機内清掃などに携わるランプサービス、運航サポートのオペレーションなど多岐にわたる。
すでに知られているように、コロナ禍で旅客便の運休が長く続いた際に多くの離職が起こっており、その人手不足などによって特に地方空港での国際線の復便が進んでいないという現状もある。初代会長に就任したANAエアポートサービス 代表取締役社長の小山田亜希子氏は、これまで競争一辺倒だった各グランドハンドリング事業者が「人材不足」という共通課題に対して手を取り合い、業界の発展や認知度の向上のために協会を設立した、とその背景を説明する。
また、協会の設立には、空港業務の基礎的データの収集や、(旅客サービスは女性約8割、地上作業は男性約8割といった)男女比の極端な偏りの解消に向けた取り組みを進める狙いがあるほか、資格や車両仕様などにかかる業界ルールの整備と生産性の向上、専門学校等教育機関との連携なども視野に入れている。
例えば、ANAとJALでは地上作業のレギュレーションが異なるため、認定を受けた人員でなければ作業に当たれないという。大きな空港では各航空会社のグランドハンドリング事業者が作業に当たるため問題はないが、人材不足の小さな空港ではこうした制限が大きなハードルになる。協会ではこうした部分についても航空会社に申し入れを行なって、改善を進めていきたいという。