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WILLERの最強4列シート「プライム」乗ってみた。大型カノピーは肩まで隠れてほぼ個室!
東京~大阪、東京~名古屋の夜行バス
2023年7月23日 12:00
WILLER EXPRESSは、同社が“歴代最強”と呼ぶ新しい4列シートを採用した高速バスの運行を4月に開始した。
新シート「プライム」は、顔を覆うカノピー(キャノピー、天蓋のこと)を既存シートのものより大型化することで、引き下ろした際の圧迫感の低減・空間の確保を実現したほか、内部にスマホホルダーを設けて、まわりの席への光線漏れを気にすることなく操作できるようになっている。
この新シートに試乗する機会を得たので、そのインプレッションをお伝えしたい。
新4列シート「プライム」のカノピーは“包まれ感”がすごい!
新シート・プライムを搭載した車両は現在、東京~大阪と東京~名古屋の夜行バスに投入している。夜行バスに最も求められるのは、当然「眠れること」だ。
東京を夜に出て早朝に大阪に着いて、朝イチからUSJで遊びたいとか、名古屋を夜に出て早朝に東京へ着いて、1日めいっぱい都内を観光したいとか、活動時間を最大化できるうえに運賃も同区間の新幹線よりぐっと安いのが高速バスの魅力。しかし、まわりの座席が気になって眠れなかったのでは元も子もない。
そこでWILLERの高速バスの一部には、顔を覆うフード状のカバーを頭上から引き下ろして、まわりの視線と光を遮断するカノピーという装備が用意されている。
既存の4列シート「リラックス(Relax)」で好評だったカノピーは、顔をすっぽり覆ってあご先まで隠せるサイズになっており、車中で寝顔やすっぴんを見られたくないというニーズに応えるものだった。
アイマスクやタオル、パーカーなどでも似たような効果は得られるが、カノピーのメリットの1つに、アイマスクなどのような装着による圧迫感・締め付け感がない点が挙げられる。違和感なく快適に眠りにつくためには大事なポイントだ。
一方、新4列プライムのカノピーは、内部空間をリラックスの約1.5倍に大型化している。数字だけ聞くとピンとこないかもしれないが、高さ方向を広げたことで顔の前の空間に余裕が生まれ、下端が首の下まで覆うような形状になったことで、すっぽりと包まれる感覚がより強くなっている。
従来型の4列「リラックス」と新型4列「プライム」を比べてみる
リラックスとプライムはともに4列×10の40席で、座面44cm(肘掛け含む50cm)、シート間隔91cm、リクライニング最大角が約130度という数字上の仕様はまったく同じ。
しかしカノピーを大型化したことで、実際に座って下ろしてみると、プライムの方が「包まれている安心感」が強い。顔から肩にかけて前方に十分なスペースがあるので、寝る前にメイクを落とす・到着前にメイクするというのも十分可能だろう。
リクライニングを倒すとヘッドレスト付近を支点にカノピーの下端がややせり上がった格好になるが、プライムのカノピーは下方向にも大型化しているので、背もたれを倒しても包まれ感の印象は変わらない。リクライニング角も相まって、すぐに眠りに就けそうだと感じた。
なお、プライムのカノピーは内側の素材をポリエステルにしたことで防音性能を高めたほか、清掃のしやすさも改善しているという。