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ANA Payリニューアル、1マイル=1円で端数でもApple Payに即チャージできる衝撃。さっそく使ってみた
日常の小額タッチ決済に
2023年5月23日 19:34
- 2023年5月23日 発表
ANA Xは5月23日、スマートフォンによる決済サービス「ANA Pay」(iOS版)の大幅リニューアルを行なった。新バージョンでは、1マイル単位で即座にチャージしたり、チャージしたマイルを1マイル=1円として決済したりできるようになっている。
これまでANA Payはスマホで使うコード払い(QRコード決済)のペイメントサービスとして展開してきたが、リニューアル後はタッチ決済に対応。iPhone(iOS)ではWalletに登録することで、同じようにWalletに登録しているクレジットカードや交通系ICカードと同じようにApple Payとして使えるようになる(Android版のリニューアルは近日中に実施)。
チャージ手段は次の4通り。
・保有しているANAマイルから
・Visa/Mastercard/JCB/Dinersのクレジットカードから
・アプリ内でApple Payから
・セブン銀行ATMで現金から
ANAマイルからのチャージは、最低1マイルから1マイル単位で端数でも交換できる。Apple Pay登録済みのカードを含むクレジットカードとセブン銀行ATMでのチャージは最低1000円からで、以降は1円単位でチャージ可能。
リアル店舗の決済は、iDまたはVisaのタッチ決済に加盟している全国200万か所以上のコンビニやスーパーなどで利用でき、支払い時はほかのApple Pay同様、「iDで」「Visaのタッチ決済で」などと告げて端末にかざせばよい。オンライン通販も、Visa加盟店ならバーチャルプリペイドカードとしてANA Pay残高の分だけ利用できる。
マイルとキャッシュ(クレカ・現金)からチャージできるという性質上、互いを混ぜて1つの残高にすることはできないため、ANA Payのアプリ内ではチャージ残高が2つのお財布に分かれており、実際に画面をスワイプして切り換えつつ使うことになる(1会計での合算不可)。
さっそく使ってみた
貯めたマイルを1マイル単位で小額決済に利用できるとなれば、期限の迫っているマイルや特典航空券に交換するほど貯まっていないという場合のマイル消費に最適で、日常的なポイントサービスの感覚で使えることになる。
そこでさっそく、発表会の会場になった「TOCHI-DOCHI 東京駅八重洲口店」(東京都中央区八重洲2-1-1)で5月末まで実施している宮崎県物産フェアで、米良食品の「ゆず塩」(438円)を購入してみた。
レジで金額を確認して、今回は試しに購入額ぴったりの438マイルをチャージ。保有マイル残高から438マイルが差し引かれて、アプリ上に「ANA Pay マイル残高」として登録されたことを確認したら、普段のApple Pay利用時のように右サイドボタンをダブルクリックして、Walletを呼び出してFace IDなどで認証。支払い待機状態になったらレジの端末にかざすと、いつもの買い物と同じように利用できた。
もっとも、実際の利用シーンではレジに行ってからチャージしているとさすがにもたつくので、金額を把握した時点でチャージするか、普段から少し多めにチャージしておくというのが現実的な使い方になるだろう。それでも、1マイル=1円単位で端数でもチャージできて、日常的に小額のマイルが利用できるという衝撃は大きい。
ANA Payはこれまでどおり「ANAマイレージクラブアプリ」の1機能として用意されているため、別途新しいアプリをダウンロードする必要はない。ただしアップデートは必要で、5月23日現在アプリストアで「バージョン4.0.0」と表記されている。アプリを立ち上げると画面下に「Pay」という丸いアイコンがあるので、ここから会員情報の登録などを進める。
また、すでにコード払いのANA Payを利用している場合は画面右上から設定に入り、「ANA Pay使用設定」でタッチ払いに切り換えればよい。
コード払いでは電話番号、メールアドレス、パスワード、支払い通知の4つを設定する必要があったが、タッチ払いでは電話とメールアドレスを登録するだけ。免許証やマイナンバーカードなどを使って本人確認を行なえばチャージ・残高の上限が上がったり、クレジットカードからオートチャージが可能になったりといったメリットもある。
轟木社長「マイルで生活できる世界の骨格が完成」
発表会に登壇したANA X 代表取締役社長の轟木一博氏は、今回のANA Payの機能拡充をもって「マイルで生活できる世界の骨格が完成した」と表現。小額のマイル利用が日常的に行なえるようになることで、これまでの「たくさん貯めて特典航空券に交換する」という使い方だけでなく、「より身近なポイントプログラム」として存在感が大きく変化したことをアピールした。
ANAグループは以前から「マイルで生活できる世界」と「スーパーアプリ化による機能の集約」を掲げているが、それが今回一気に進んだ印象を受けた。