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【旅のプロに聞く】ANA Xとジャルパック担当者が教えるハワイの最新事情とお勧めエリア(後編)

ANA Xとジャルパック担当者にハワイの最新事情を聞いた

 5月8日から新型コロナの感染法上の分類が5類に移行する。海外旅行に行きやすくなることが予想されるため、「今年の夏休みは待ちに待った海外旅行へ」と考える人も増えてくるのではないだろうか。

 トラベル Watchではそんな海外旅行を応援するため、旅行会社のプロフェッショナルに各国への渡航の現状やお勧めスポットを聞いていく。

 今回取り上げるのは海外旅行の定番・ハワイ。ANA Xとジャルパックの担当者にお話を伺った。後編では、SDGsの感度が高いハワイでの過ごし方や、両社お勧めのツアーについて紹介する。

⇒前編はこちら

参加者

ANA X株式会社

旅行商品部DP・素材チームマネージャー 百﨑鉄平氏
旅行商品部DP・素材チーム 藤本真帆氏

株式会社ジャルパック

Jalpak International Hawaii 江越大樹氏
海外企画商品事業部 海外ダイナミックパッケージグループ アシスタントマネージャー 白田真弓氏

――ハワイ州観光局は「マラマハワイ(ハワイを思いやる)」をスローガンに、サステナブルツーリズムやレスポンシブルツーリズムを推進ししてますが、現地で観光客として気を付けることはありますか?

ANA 'Aha Mele

百﨑:旅行を楽しみに行く方に対して、環境保全活動に貢献する活動、ゴミ拾いや植樹はなかなか提案しづらいですね。一方で、旅行者を含めてみんなでハワイを保全していくことは必要です。環境のよいハワイに行き続けられるような取り組みは、ハワイへの送客側としては考えるべきことです。

 私たちが考えているのは、旅行商品として組み込むホテルやオプショナルツアーに、環境保全活動に取り組んでいる会社のものを選ぶこと。お客さまが自由に滞在することで、ホテルやオプショナルツアー会社が売上の一部を環境保全活動に活用し、サステナブルな取り組みの一環になるような仕組み作りをしていければと考えています。

 能動的に植樹やゴミ拾いのツアーを作るのはこれからのことですが、機運醸成として、年に1回音楽イベント「ANA 'Aha Mele」で文化交流を行ない、そこで植樹をしています。環境保全にご興味がある方は参加していただきたいです。

 また、ハワイは文化継承にも力を入れており、ホテルなどでプログラムが用意されています。もともと文化を楽しみながら紹介するオプショナルツアーはあるので、それを今後Webサイト上でお客さまに積極的に紹介していくのも私たちの役目だと考えています。

ANA X株式会社 旅行商品部DP・素材チームマネージャー 百﨑鉄平氏

江越:「マラマハワイ」というと分かりにくいかもしれませんが、シンプルに日本からくる観光客として、「ハワイにお邪魔している」と考えてみてはどうでしょうか。普段、お友だちのお家にお邪魔したときと同じようにちょっとした気遣いの気持ちがあれば、おのずと自分の行動に責任を持てるようになってくるのではないでしょうか。

 相手のことを考えるには相手を知ることが大切です。海で遊ぶハワイではなく、ハワイの歴史や文化など、カメハメハやフラダンスといった日本人になじみがあるところから興味を持って知っていただきたいですね。渡航前から知ることで、実際にハワイに来たら何十倍も楽しめると思っています。旅行前に好奇心を持って知ってもらい、ハワイで今まで以上に楽しんでもらい、また来たいという気持ちになってもらいたいですね。

株式会社ジャルパック Jalpak International Hawaii 江越大樹氏
ビーチクリーンアップ

 Jalpak International Hawaiiでは、ビーチクリーンアップを定期的に実施しています。1月には大学のゼミでハワイにきたという学生達も参加してくれましたが、とても反応がよかったです。SDGsに感度が高い学生などの若い人に訴求していきたいですね。

――貴社の一押しのハワイ旅行商品を教えてください。

ジャルパック「ハワイシェラトンホテルズ」パンフレット

白田:パッケージツアーですと「ハワイシェラトンホテルズ」パンフレットがお勧めです。コロナ前からかなり人気の商品で、コロナ後は内容を変えてパワーアップしました。全コースに先ほど(※前編)紹介した「ワイキキルアウ」を組み込んでいます。

 さらに、マリオット系のシェラトンホテルズ4軒で共通して使えるリゾートパスを1泊1室あたり100ドル進呈しています。宿泊していないホテルで朝食や昼食を楽しむのも素敵ですよ。

 ダイナミックパッケージでは月に1回タイムセールを開催し、1万円~3万円ほど割引いています。「びっくりオプションセール」として、100ドル近いオプショナルツアーが1000円、2000円で楽しめるセールも今年から始めました。クルーズやオアフ島の名所を巡りながらサンライズシェルを探す「ノースショアの宝物ツアー」が人気ですね。

ANAのオプショナルツアー

藤本:ダイナミックパッケージとホテル&送迎パックがお勧めです。毎月29日は「ぜんにっくう=29」にちなんで「ANAの感謝の日」として、タイムセールやクーポンの配布などを実施しています。思わず「キュン!」となるようなワクワクする企画を月替わりでお届けするので、ぜひチェックしてみてください。かなりお得ですよ。

 また、ANAのマイルをためて特典航空券を利用する人には、ホテル&送迎パックがお勧め。コロナ禍のお買い物などでたまったマイルをぜひ活用してください。

 お勧めのオプショナルツアーはダイヤモンドヘッド日の出ハイキングツアー。事前予約制のダイヤモンドヘッドにお客さま自身での予約は不要ですし、初心者も気軽に参加できる早朝ツアーです。日の出を見て登山を楽しんだあとには人気のレストランでローカルフードの朝食を堪能できるプランもありますよ。

百﨑:セーリング ホロカイ・カタマラン号(双胴船)でのクルーズはいかがでしょう。海からお酒を飲みながらワイキキの街やダイヤモンドヘッドを眺めるのは最高ですよ。コースではウミガメに会えることも。船酔いすることもあるので注意しながら楽しんでください。

ANA X株式会社 旅行商品部DP・素材チームマネージャー 藤本真帆氏

――お互いの商品やサービスを見て「いいな」と思っていることを教えてください。

白田:広告を拝見していて、いいなと思います。月に1回決まった日に実施しているキャンペーンはすごくよいですね。目につく形になりますし、露出方法もうまいなと思って見ています。

百﨑:パッケージツアーを展開されているのがすごいと思います。今私たちはインターネット化・DX化で動いていますが、誌面を作ってお客さまに届けるのはよいですね。コンテンツとしても手間暇と予算をかけて、SDGsを大切にしながら文化に触れる機会をお客さまに紹介されていて、細やかな取り組みをされていると思います。

藤本:ジャルパックさんはワイキキにラウンジが2つあるのも素敵ですね。ラウンジをのぞかせていただいた際、とてもきれいで入りやすい印象を受けました。

株式会社ジャルパック 海外企画商品事業部 海外ダイナミックパッケージグループ アシスタントマネージャー 白田真弓氏

――2社で現地で協業することもあるんですか?

百﨑:現地では各種会合やイベントなどでよく顔を合わせる機会があります。例えば、ハワイではSDGsの観点から、各社のトロリーをどうするのかという問題があります。排気ガス対策などもあるので、将来はみんなで一緒にできればと思っています。これからの話になりますが、問題提起、課題認識としてはありますね。とはいえ、各社の差別化にもなるので難しいところですが……。

江越:分かりやすく協業はできていませんが、ハワイでは航空会社や旅行会社が協力してハワイ州側に要望し、改善すべきところは協力しています。

 よい例が、ホノルル空港の団体用出口にある日本の旅行会社のカウンターですね。団体用出口を利用するのはもちろん日本人だけではありませんが、あそこには日本の旅行会社のカウンターがずらっと並んでいます。これは現地の横のつながり、ハワイ州への働きかけの成果であり、ハワイ側が日本のお客さまを待っている、日本市場を重視しているという表われではないでしょうか。

――ありがとうございました。


担当者のイチオシ「ANAエクスプレスバスなどのサービス」

ANAエクスプレスバス

 百﨑さんが現地情報の入手などに使ってほしいと勧めるのがアプリ「ANAハワイ」。ハワイの現地情報を検索できるほか、オプショナルツアーの予約も可能。ANAマイレージクラブ会員なら誰でも無料で利用可能なワイキキ~アラモアナ間のノンストップバス「ANAエクスプレスバス」の無料パスも提示できる。

 さらに4月からはワイキキショッピングプラザ2階の「マハロラウンジ」の対象者を拡大。これまではANAトラベラーズの旅行者専用だったが、他社のツアーを利用した場合でもANA便名の東京~ホノルル線に搭乗するマイレージクラブ会員も無料で利用できるようになった。

担当者のイチオシ「JALオリジナル『虹色散歩』」

虹色散歩

 江越さんがお勧めするのが、ジャルパックオリジナルのお散歩ツアー「虹色散歩」。ハワイスペシャリスト上級試験合格者からなる現地スタッフが、60分~90分程度のワイキキの徒歩観光をご案内するツアーを独自に企画。

「カピオラニパーク周辺歴史散歩」「ローカルスタッフと巡るお買い物散歩」など曜日ごとに異なるツアーを実施しており、パッケージツアー参加者は無料で参加できる。SDGsの観点で観光地の混雑緩和やハワイ現地をよく知ってもらいたいという思いで企画したといい、1日6名までの少人数でじっくり散歩が楽しめる。