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Googleが日本人の旅行意向を調査、旅行アイデアは「ストックして活用」

2022年11月24日 発表

過去1年間の旅行経験と今後1年間の旅行意向

 Googleは11月24日、最新の日本人の旅行意欲と情報行動の特徴に関する説明会を開催した。その概要は同社のマーケティング情報発信サイト「Think with Google」でも公開されている。

 同社ビジネスインテリジェンス担当 アナリティカルコンサルタントの中島美月氏によれば、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」や博報堂生活総合研究所の「新型コロナウイルスに関する生活者調査」といった調査において、コロナ禍で落ち込んでいた旅行意欲が回復傾向にあることが示されたことから、同社としても今の日本人の旅行に対する意識について理解を深めるために、インタビューやアンケートで調査分析を行なうことにしたという。

ライフスタイルの変化が旅行意識にも影響

 中島氏によると、過去1年間の旅行経験は国内旅行で49.2%、海外旅行で3.1%となっていたが、今後1年間の旅行意向は国内が76.9%、海外が32.0%へと増加。別途調査した1回の旅行での1人あたりの予算感は、国内が5.1万円、海外が16.2万円となっており、旅行頻度とかけあわせて市場規模を推計すると、国内は12.6兆円、海外は11兆円になる見通し。

 国内旅行に誰と行くかについては、「パートナーと」が34.7%と最も多いことは変わらないが、増加率では「1人旅」や「友人・知人と」が大きく伸びており、コロナ禍における意識の変化が見て取れる。

 実際に「ひとり旅館」「ひとり温泉」などの「ひとり○○」の検索ボリュームが増加しており、1人で過ごす時間が増えたことを前向きに捉え、1人旅の良さを見出す人が増えた結果とも言える。

国内旅行の形態

 一方で、「友人・知人と」という意向を示す人たちは、1人で過ごす時間が増えた反面、友人・知人との交流時間が減ったとして、交流の機会を取り戻すために旅行したいと考えている様子が見て取れる。

 行き先については、過去1年ではコロナの影響が色濃く、関東・関西・中部といった大都市圏が多かったが、今後1年では北海道、沖縄、九州といった居住地から離れた観光地への旅行が増加する見込み。検索ボリュームにおいても、北海道や沖縄を調べる量が2019年の水準まで戻ってきている。海外については、アジア、ハワイ・グアム・サイパン、ヨーロッパへの旅行が増加すると予測されるという。

旅行情報をストックして有効活用

 旅行情報の調べ方については、「詳しいテキスト情報」を好む人の割合よりも「直感的に見れる画像」を好む人の割合が多い傾向があることが分かったが、どの世代においても半数が「どちらも大切」と回答。若い世代ほど直感的な画像に引っ張られる傾向があると考えられがちだが、実際には年代別の差はほとんど無いことが確認された。

 そうして見つけた情報は、すぐに旅行計画として活用するのではなく、いつか旅行する時のためにストックしておくと考える人が多く、旅行情報を積み立てている様子がうかがえる。情報源については、ネット検索、地上波のテレビ番組、旅行予約サイトの順に多く、若い世代ではSNSやYouTube、オンラインマップの活用率が高くなっている。

 中島氏は「多くの人は鮮度の高い情報かつ今の状況に即して、事前にある程度期待値をコントロールできるように情報源を駆使している。旅行に関しては特にその特徴が顕著に表われている」と分析する。

 旅行時のアクティビティに対する意向についても、温泉や食べ歩きといった旅の定番とも言える楽しみ方が一層増えるとされているが、検索量としては体験系のアクティビティの増加が見込まれるとのことで、陶芸、カヌー、座禅、気球、ガラス細工の順で検索量の増加率が高かったという。