ニュース

上空1万2500mで見た皆既月食! 成田発着フライトに乗ってみた

2022年11月8日 実施

20時7分。長野県上空での皆既月食

 全国的に晴天に恵まれた11月8日、成田空港を発着するチャーターフライト「皆既月食アートフライト」が開催された。

 今回の皆既月食は同時に天王星食も起こるレアな事象で、土星食が同時に起きた1580年7月26日以来のこと。ちなみに次回、惑星食が同時に起こるのは、こちらも土星食で2344年7月26日だという(※国立天文台発表の資料による)。加えて搭乗ゲートや機内でのジャズライブ、チャリティーオークションなども開催され、アート&エンタテイメントが楽しめるフライトとなった。

 このイベントは同空港を拠点に空港サービスやツアーの企画・販売などを手がけるグリーンポート・エージェンシーが販売企画を、ANAおよびNAA(成田国際空港)などが特別協力、Webメディアの記念企画として行なわれたもの。

 受付をすませた参加者は国内線用の保安検査場を通過したあと、搭乗ゲートとなるバスラウンジへ。ジャズライブやトークショーなどとともに、ANA 執行役員 成田空港支店長 兼 ANA成田エアポートサービス 代表取締役の岡功士氏が「(今回の皆既月食と惑星食は)442年ぶりということで織田信長も同じ状況を見たんじゃないかという状況を、一番高い空から今日見ていただければと思います」とあいさつ。17時を過ぎるとバスで搭乗機が待つ425番スポットへと移動した。

 今回のフライトとなるNH2022便に使用されたのは、国際線仕様のボーイング 767-300ER型機(登録記号:JA627A)。関係者を含め141名(うち幼児1名)が搭乗し、18時1分にブロックアウト。部分食がスタートした18時15分に成田空港を離陸、CAからの「これより付に一番近い場所にご案内します」とのアナウンスとともに進路を西へと取った。

 途中、高度を最高で4万1000フィート(約1万2500m)まで上げつつ名古屋、和歌山、高知をまわって再び名古屋へ。19時59分に最大食を迎えた岐阜県上空などでは、参加者が窓際に集まり機内から赤く染まった月を満喫。その後、新潟、いわきと飛行し20時59分に成田空港に着陸し3時間あまりのフライトが終了。月食はまだ終わりを迎えていないものの、自然の起こしたアートやアーティストによるエンタテイメントを存分に楽しんだ参加者は家路についた。

受付カウンターには専用のバナーが用意された
今回のフライトはNH2022便で18時発となった
搭乗ゲート前でジャズライブを開催
ライブで参加者を楽しませてくれた佐藤洋祐氏(写真左、サックス)、楠井五月氏(同中央、ベース)、TOKU氏(同右、トランペット)
ゲート上のモニターにも専用の案内を用意
全日本空輸株式会社 執行役員 成田空港支店長 兼 ANA成田エアポートサービス株式会社 代表取締役 岡功士氏
バスゲートから空を見ると満月が浮かんでいた。見えているのは搭乗機とは違う機体
11月ということもあり空気が澄んでいて美しい満月が見られた。
タラップで機内へ
出発前にも機内でライブ演奏が実施された
離陸するころになると部分食がスタート。機内からも欠けつつある月が見られた
東京都心を右手に見つつフライトがスタート。夜景が美しい
奈良県上空は少し雲が掛かっていた。右手に伊丹空港が見えるが月は後方で見ることができない
名古屋に戻り北に進路を変えると機内からも赤銅(しゃくどう)色の月が見られた
国内線ながら機内食を提供。ハワイ線エコノミーと同様の内容だという
メインディッシュは「ビーフハンバーグ イタリアントマトソース」
当日の飛行経路
3時間あまりのフライトを終え成田空港に戻ってきたNH2022便