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関空T1の新国内線エリアに行ってみた。商業施設は約5倍の面積に拡大、ANA/JALラウンジは統合

国内線の出発口は集約

2022年10月26日 先行オープン

新国内線ゲートエリア内に誕生した商業エリア

 関西国際空港を運営する関西エアポートは10月26日、大規模リノベーション工事中の第1ターミナルのうち、工事の完了した「新国内線エリア」を先行オープンした。

 今回のリノベーション工事は1994年の開港以来初となる大規模なもので、国際線エリアのリノベーションを含めたグランドオープンは大阪・関西万博の開催にあわせた2025年春を予定している。

 今回オープンした国内線エリアのリノベーションでは、ターミナル中央東側に配置されていた国内線スポットを南側へ。南北に分かれていた国内線の出発口を2階南側の1か所に集約することで動線が整理された。

 国内線出発口の集約に伴い保安検査場には6台のスマートレーンを導入。同時に複数人の保安検査が可能となり、保安検査の待ち時間短縮、集約による混雑緩和とスムーズな手荷物検査が可能となる。

保安検査通過後の制限エリアにお好み焼きやてんぷら店

 国内線エリアの移設に伴い、一般商業エリアもレイアウトが見直され、フードコート「Tasty Street」がオープンしている(10月1日より先行オープン)。リノベーションの目玉となる保安検査通過後の商業エリアは従来の約5倍の広さに拡充され、飲食店やコンビニエンスストアなど6店舗が新たに出店。大阪のお好み焼き専門店「ぼてじゅう」や、京都祇園の「天ぷら八坂圓堂」直営プロデュースの「天ぷら圓堂」などが出店。関西ならではの味が楽しめる。

京都に本店をおく天ぷら専門店「天ぷら圓堂」
大阪のソウルフード。お好み焼き専門店「ぼてじゅう」
日本各地のご当地グルメを提供する「Japan Traveling Restaurant by BOTEJYU」
アルコールも提供するカフェ「サンマルクカフェ+R」
近畿関西圏ゆかりのお土産物などを中心に販売を行なう「関西旅日記」
明るく開放的な商業エリア
あると便利なコンビニエンスストア「ローソン」
ゲートエリア内の見取り図

 そのほか、自社運営されていたJALとANAのステータスラウンジは「Lounge KANSAI」として統合され、JALとANA両航空会社のラウンジ利用可能ステータス保持者にサービスを提供する。

商業エリアの階上、3階に位置する「Lounge KANSAI」。エプロンエリアに面した明るく開放的な空間。JALとANAのラウンジ利用可能ステータス保持者が利用できる

新国内線の搭乗口は遠くなったので移動時間に要注意

 新国内線の搭乗口はターミナル東側に面した24番から27番。そしてターミナル西側に面した38番から41番のスポットがアサインされる。保安検査場通過後から一番南に位置する38番スポットまでは545m(公称値)の距離があり、国内線利用者はこれまでより移動距離が長くなる。これまでより5分程度多く移動時間を要するため、利用者は注意が必要だ。

保安検査場を通過後、商業エリアまで続く長い通路。「動く歩道」が片側2基、計4基設置されている
明るく開放的な搭乗待合席。エプロンサイドは全面ガラス張りで見晴らしもよい

 この大規模リノベーションでは、2025年に開催予定の大阪・関西万博の開催を見据え、インバウンドの増加に対応するため、国際線のキャパシティ拡大に主眼がおかれている。国際線および国内線エリアの配置を大幅に見直すことで国際線施設の中央集約化を進め、増加が見込まれるインバウンド旅客に対してスムーズでストレスのない動線を確保するのが狙いだ。