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新名神6車線化事業、7月22日運用開始の亀山西JCT~甲賀土山ICの片側3車線区間を見てきた! 土山SAの分合流がスムーズに

2022年7月14日 公開

7月22日17時に供用開始する片側3車線化の完成区間。新名神高速道路土山SA付近

 NEXCO中日本 名古屋支社は、新名神高速道路(E1A)亀山西JCT~甲賀土山IC間で進めている6車線化事業で、上り線一部区間の工事が完成し、7月22日17時から片側3車線の供用を開始する。運用を始めるのは、亀山西JCT~甲賀土山IC(上り)の一部区間約4.1km。

工事中の土山SA前(写真提供:NEXCO中日本)
土山SA前(著者撮影)

 新名神の6車線化対象区間は大津JCT~亀山西JCTの約41kmに渡る区間で、NEXCO中日本 名古屋支社およびNEXCO西日本 関西支社によって2021年5月より工事が開始された。

 すでに3月29日にNEXCO西日本 関西支社が受け持つ区間、甲賀土山IC~大津JCT(約28km)のうちの一部区間(金勝山トンネル前後、約5kmの上り車線、甲南トンネル前後、約4.5kmの下り車線)の運用を開始している。

 今回完成したのは、NEXCO中日本 名古屋支社が受け持つ区間で、亀山西JCT~甲賀土山IC間の約13kmのうち、上り路線土山SA前後合わせて約4.1kmの区間となる。

 運用開始に先立ち、完成区間の一部が報道陣に公開された。公開されたのは、土山SA入口分岐付近の完成部分。すでに大部分の工事は完了しており、最終的にレーンマークの引き直しを待つのみとなっている。この作業は集中工事期間中に行なわれる予定。

 亀山西JCT~甲賀土山IC間の工事では、仮設防護柵を設置。2車線で供用する車線と工事範囲を分けて作業を実施。また2車線供用部分に影響が出ないように、一般道路側から工事用道路を整備。作業員の入退場、工事車両・部材の搬入出も、この工事用道路から行なわれ、工事に伴う交通規制回数を減らすなどの配慮がなされた。

 そのほか、ドライバーの安全性向上への取り組みとして、最新の逆光対策標識の採用や、点検・保守の効率化に寄与するケーブルトラフの採用など、さまざまな工夫が盛り込まれているという。

新たに逆光対策標識板を採用。逆光時、案内標識に陰が落ち、表示面全体が暗くなるため、ドライバーは表示内容を判別することが難しくなる。そのため、標識表示面の白い文字部分に小さな孔をあけ、太陽光を透過させることで視認性が向上する
車線拡幅に合わせ移設された情報板や非常電話
従来地中に埋設処理されていたケーブル類を、将来の保守管理作業時の効率化を図るため、ケーブルトラフへ移設。将来の工事の際に埋設ケーブルの損傷を防ぎ、維持管理性に配慮

 NEXCO中日本 名古屋支社 四日市工事事務所所長の姫野氏は「今回の完成区間、土山SA前後の3車線化により土山SAの分合流がスムーズになる。4.1kmの区間ではあるが、土山SAの分合流に対しては安全が確保されるのではないかと思っている」と語った。

 今後は、甲賀土山工事・鈴鹿トンネル照明他工事・錐ヶ瀧橋拡幅工事など、多段切土やトンネル内設備の3車線化対応そして、橋梁の拡幅工事に順次とりかかる予定。利用者や工事関係者の安全を最優先に作業を進めていくとしている。