ニュース
富士スピードウェイ併設ホテルの詳細を解説。宿泊予約もスタート。日本初進出「アンバウンド コレクション by Hyatt」
2022年7月8日 15:00
- 2022年10月7日 開業
富士スピードウェイホテルは都内でメディア向けの説明会を開催し、開業日を10月7日と発表するとともに、7月7日12時から宿泊予約を開始した。
同ホテルはトヨタ不動産とハイアットの運営受託契約により、トヨタ不動産が所有・経営しハイアットが運営する。客室タイプはデラックスルーム、スイート、ビュールーム、専用ガレージなどを備えたヴィラの4タイプ。年内の宿泊料金の目安は平日で1泊1室あたり5万5650円から(税込、入湯税・サービス料別)。
富士スピードウェイホテル(Fuji Speedway Hotel)
所在地: 静岡県駿東郡小山町大御神645
建物: ホテル棟 地上9階地下1階建て
ヴィラ 平屋建て
ウエルネス棟 地上2階建て
客室数: 120室
駐車場: 120台(充電スポット3台)
客室
デラックスルーム: 46室、約55~60m2(大人3名、子供1名)
スイート: 21室、約86~145m2(大人3名、子供2名)
ビュールーム/ゲストルーム: 6室/42室、43m2(大人2名、子供1名)
ヴィラ: 5室、約143~150m2(大人4名、子供2名)
富士スピードウェイホテルは、日本初導入となるハイアットのブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」に加わる新たな1軒。「パリシ ウドバー ホテル ブダペスト」(ハンガリー)、「グレート スコットランドヤード」(イギリス)など、歴史的な場所や目を見張る建造物に隣接といった唯一無二の環境で29軒(2022年3月31日現在)を展開している。
同ホテルはその名のとおり、富士スピードウェイに隣接して開業するもので、モータースポーツとホスピタリティの融合がコンセプト。富士スピードウェイのダンロップコーナーから最終コーナー、そしてホームストレートを望むサーキットビューはもちろん、一方では四季折々の富士山を眼前に望める富士山ビューと、ダイナミックな眺望が楽しめるのが大きな魅力となる。
飲食はメインダイニングとなるイタリアンレストラン「TROFEO(トロフェオ)」では地元静岡の食材をふんだんに使った料理が楽しめるほか、コーヒーや軽食が楽しめるロビーラウンジも併設。炉端焼きをイメージしたダイニング「Robata OYAMA」、ゆったりとした時間を過ごすことができる「BAR 4563」が用意されている。
ホテル横には一棟すべてをウエルネスに特化した「Omikami Wellness&Spa」が隣接しており、富士山を望める半露天風呂が用意された温泉浴場、スパ、屋内プール、ジムを楽しむことができる。
また、ホテル内には「トヨタ博物館」が監修する「富士モータースポーツミュージアム」を併設。ホテル棟1階、2階に設けられた展示スペースにはレーシングカーなど約40台が展示され、モータースポーツの歴史とドラマを感じることができる。3階にはテラスとショップ&カフェが併設されており、富士スピードウェイの眺望が楽しめる。
なお、開業を記念したオトクなプランが用意されており、こちらは朝食付きとなるほか1泊1室あたり5000円分のホテルクレジット、富士モータースポーツミュージアムの入場券、隣接するガソリンスタンドで利用可能な4563円分のガソリンチケットがプレゼントされる。宿泊期間は10月7日から2023年2月28日まで。公式サイトのオンライン予約と電話予約(0550-20-1237、8時~20時)で受け付ける。
富士モータースポーツフォレストの中核となるホテルとミュージアムがオープン
説明会では、まず富士スピードウェイを中心とした周辺一帯に展開する「富士モータースポーツフォレスト」の概要を、トヨタ自動車 BRフォレスト準備室長の西塚淳氏が説明した。同施設について西塚氏は「国際サーキットの富士スピードウェイを中心に新たに開発が進む体験型の複合施設」で、「大人の遊び場・社交場」がコンセプトと前置き。「クルマを愛する多くの方々がここに集い、モビリティとモータースポーツの魅力を知り楽しみ語り合うことで童心に帰って笑顔溢れている、そういった場所にしていきたい」と展望を述べた。
そのうえで、富士スピードウェイホテルと富士モータースポーツミュージアムは「コンセプトを実現するうえで大変重要で欠かせない場所」であり、レース観戦をはじめとした富士スピードウェイのさまざまなコンテンツ、そして周辺観光施設など、ホテルを起点として「今までは点と点であった体験が1つになって連動して結びつくことができる」ようになっていくとコメント。また、「ホテルのさまざまな設備、そしてミュージアムの存在はご友人やご家族をお連れしてフォレストを訪れていただいても、それぞれの方がそれぞれに大変楽しい時間を過ごすことができる」ことも魅力的なポイントだと述べた。
さらに、これら施設や体験を通じて周辺地域のつながりもさらに活発になっていくことに期待するとともに、「自然豊かで食材の宝庫である静岡県を、この魅力について多くの方々にさらに知っていただくことで、地域全体の盛り上げにもつなげていきたい」との展望も語った。最後に「今年の秋のホテルの開業を皮切りに来年以降さまざまな施設やコンテンツを拡充」していく予定となっており、「多くの方がここに来て体験が広がっていく、そんな施設になっていくことを期待しております」と締めくくった。
続いて富士スピードウェイホテル 総支配人の吉川源太氏が登壇。同ホテルについて「今回が日本初上陸となりますハイアットブランド『アンバウンド コレクション by Hyatt』のホテル」であり、「ハイアットのブランドのなかでは独立系のホテルコレクションにあたり、各ホテルそれぞれが唯一無二の存在として強い個性を放ち、個性のその先にある価値あるストーリーを打ち出しております」と説明。
同ホテルの場合は「モータースポーツとホスピタリティの融合」をコンセプトに掲げており、「目の前には日本を代表する国際サーキットの1つでもある富士スピードウェイがございまして、もう一方には豊かな森林と雄大な富士山が広がります。サーキットから立ち上るモータースポーツの音や疾走感に対して、富士山のもたらす恒久的な静寂という相反する要素が融合しており、ここでしか味わえない魅力を感じていただける」ことから、まさに唯一無二の場所であると述べた。
また、ホテル棟の1階と2階にある富士モータースポーツミュージアムでは「(ホテルと)シームレスに共生することでモータースポーツの歴史、文化、芸術と、ホテルのホスピタリティを同時に味わっていただける魅力溢れるエクスペリエンス」になっているとした。
ホテル棟の4階から8階までが客室フロアとなっており、21室のスイートと離れとなる5室のヴィラを含めて全120室。温かみのある落ち着いた色合いのインテリアで構成され、全室バルコニーまたはテラス付きとなる。大きな特徴となるのが2つのユニークなビューが選べることで、1つは富士スピードウェイの3分の1にあたるセクター3を一望することができるサーキットビュー。「最終コーナーからホームストレートを駆け抜けるレーシングカーのスピード感と、これまでにないアングルでモータースポーツ観戦を存分にお楽しみいただけます。サーキットを疾走するレーシングカーが生み出す空気の振動を感じて、モータースポーツの興奮を客室に居ながらにして体験できる」のはこのホテルならではの魅力だとコメント。もう一方の富士山ビューも「大きな窓から豊かな自然と四季や時刻によって異なる趣が楽しめる霊峰富士の絶景をご覧になることができます」と述べた。
離れにある5つのヴィラでは143m2以上の広さを持ち、「ご自身の愛車をリビングルームから眺めて過ごすことができる専用のショーガレージ」を備えていることから、「ご自宅で寛いでいるかのようなプライベートな時間」を過ごすことができるという。また、すべてのヴィラにはキッチンやダイニングスペース、芝が敷き詰められた屋外テラス、ベッドルームに加え、2か所のバスルームが用意されていることから、ファミリーだけでなく「プライバシーを確保したい友人同士の集い」にも適していると述べた。また、ヴィラには専用のシャワースペースやテラスが用意され愛犬と一緒に泊まることが可能。小型犬のみで3頭まで、中型や大型犬を含めると2頭まで受け入れが可能だという。
朝食、ランチ、ディナーを提供するイタリアンレストラン「TROFEO」は、「活気溢れるオープンキッチンを構え、気兼ねなく食事が楽しめる」とし、家具やアートワークはクルマの要素をさりげなく取り込んでおり、見た目にも楽しめる空間に仕上げられているという。厳選された静岡の食材をふんだんに使ったスタイリッシュな炉端焼きを提供する「Robata OYAMA」、レーシングコースの全長を名前に冠した「BAR4563」も用意されている。
ホテル棟2階から渡り廊下でつながるウエルネス棟にあるOmikami Wellness&Spaには、富士山を望む個室のあるスパ、屋内プール、ジムのほか、地下1500mから汲み上げた半露天風呂付きの「富士大御神温泉」では、「美肌効果があると言われている硫酸塩泉の温泉をごゆっくりとご堪能いただけます」という。
レストラン&バーを統括する富士スピードウェイホテル 総料理長の石井順氏は、静岡の食材を追求してみたいと県内の農家などを訪問。規格外の食材や知られていない食材をリサーチ。そのなかで見つけたのが、ストレスを掛けて育成する「アメーラトマト」、朝霧高原の牛乳から作る七富チーズ工房の「モッツァレラチーズ」、藤枝クレアファームの「エキストラバージンオリーブオイル」。これら静岡県産の食材で整えた「静岡カプレーゼ」を、同ホテルのシグネチャー料理として提供していくという。
そのほか、イタリアンレストランでは静岡県のシグネチャーフィッシュ「金目鯛」を使ったパスタやピッツァなどを、炉端焼きでは抗生剤を使わず日数を掛けて育てた「御殿場太陽チキン」を使った焼き鳥や駿河湾の魚介を、そのほか、アメーラトマトを使った冷やしおでん、黒はんぺんを使ったフィッシュ&チップスなどを用意しているという。
また、持続可能なレストランを営業することを目指し、フードロスやフードウェイストを削減していくほか、敷地内にハーブガーデンを設置してフレッシュで安心安全なハーブを提供することも視野に入れていると述べた。
富士モータースポーツミュージアム 館長の布垣直昭氏は、コンセプトを「モータースポーツがクルマを鍛え、クルマを進化させた熱い歴史を辿る」と紹介。19世紀に始まったレースがアメリカ、アジア、日本など地域の特色を持ちつつ成長していく様を凝縮して紹介していく」といい、さらに「これまで非公開だった貴重な歴史的なクルマもこの機会に紹介していきたい」と述べた。また、館内では「130年に渡るモータースポーツの歴史を世界のレーシングカー約40台で辿って行く」ことになるが、同時に「携わった人の熱い想い」も紹介するほか、「今はもうなくなってしまった幻のレーシングカーをもう一度再現する復刻プロジェクト」も進めているそうだ。2階エリアでは24時間帯九レースをフィチャーしたスペースを用意しており、こちらはメーカー各社全10社が賛同、車両や資料を提供していただいたという。こちらも要注目となる。