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横浜・港の見える丘公園の拡張部から「旧アメリカ海軍病院」の建物基礎発掘。現地保存のため埋め戻し、今後の計画で遺構活用を検討

2022年2月15日 発表

横浜市は「港の見える丘公園拡張事業」における埋蔵文化財発掘調査において、旧アメリカ海軍病院の建築基礎が発見されたことを発表した

 横浜市は2月15日、「港の見える丘公園拡張事業」における埋蔵文化財発掘調査において、旧アメリカ海軍病院の建築基礎が発見されたことを発表した。

 旧横浜税関山手宿舎跡地を、横浜みどりアップ計画の「シンボル的な緑の創出・育成事業」により、港の見える丘公園の拡張部として整備する計画のなかで、2020~2021年度に埋蔵文化財発掘調査を実施。その調査のなかで発見されたもの。

 旧アメリ海軍病院は、東洋艦隊のための医療施設として1872年(明治5年)に建設され、今回発見されたものは1909年(明治42年)に建て替えられた2代目のもの。下田菊太郎設計によるコロニアル様式の2階建て建物で、1923年の関東大震災で倒壊した。

 発見された遺構は約500m 2 で、建物の基礎、床面、ライフラインが良好に残っており、白一面のタイル壁や「U.S NAVEL HOSPITAL」の印が施された磁器片などアメリカ海軍病院ならではの特徴を示す遺構・遺物が発見されているという。

 遺構については、文化財保護法に基づき記録を行ない、現地で保存するために埋め戻しを実施。今後の公園計画のなかで、遺構の一部を活用することについても検討していく。また、出土品の詳細は現在調査中で、2022年度にとりまとめ、報告書を閲覧できるようにする予定。

位置図
旧アメリカ海軍病院
発掘された遺構や出土品
港の見える丘公園(拡張部)埋蔵文化財遺構状況(CityOfYokohamaチャンネル)