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ジブリパーク開業を控える愛・地球博記念公園でリニモ駅~公園など結ぶ自動運転実証。魔女の谷を見下ろす眺望施設なども整備へ

2022年2月1日 発表

愛知県は愛・地球博記念公園で実施する自動運転実証実験や整備計画を発表した

 愛知県は2月1日、愛・地球博記念公園において、自動運転の実証実験を2月10日から実施することを発表した。一般の試乗も2月12日/13日の両日実施。併せて、園内で走行位置に合わせた情報提供やエンタテイメント体験などを提供する“ライドアトラクション”用バスの実証実験も行なう。

 自動運転の実証実験は公道と園内(非公道)の2つのルートで、最大4台の自動運転車両を同時に運行。ルート上や車両内に設置したカメラを5G・LTE経由で映像転送し、NTTドコモのAI映像解析技術で歩行者や車両を自動かつリアルタイムに認識。遠隔管制室で一元的に監視する。

 公道は、リニモ(愛知高速交通 東部丘陵線)公園西駅から愛・地球博記念公園 西駐車場までを結ぶ約1.5kmのルートで、約15分かけて走行。時刻表に従った定時運行を行なう。

 園内は、西エントランス広場北を発着地として、愛知県児童走行センターなど6か所の乗降ポイントを経由して走行する全周約1.9kmのルート。オンデマンド運行管制システムによるデマンド運行の実証が特徴で、利用者は乗降ポイントに設置された端末から配車リクエストができ、リクエストに応じてルートやダイヤ、配車台数を自動設定するものとなる。

 実証実験は2月10日から開始され、12日と13日の両日は事前予約した一般の体験も可能。事前予約は専用サイト(NTTドコモ Coubic)で受け付けている。

自動運転実証実験の走行ルート
自動運転実証実験の使用車両

 併せて、公園内において車窓の透明ディスプレイ、3D音響システム、音響振動シートなどを搭載したライドアトラクション用バスと、車室空間でのバーチャルツアーなどの実証実験(車室空間体験実証)も実施。こちらは知事や関係者などのみで実施する。

 ライドアトラクション用バス「MOOX on FCバス」は、車両の位置情報、乗員の属性、ジェスチャーに合わせて、車窓の透明ディスプレイと3D音響システム、照明、音響振動シートなどが連動するコンテンツを最大6名まで同時体験可能。

 また、停車状態で利用する新たな車室空間コンセプト「SQUAL(スクォール)」は、遠く離れた観光地にいるツアーガイドと愛・地球博記念公園を5G接続し、リアルタイムに双方向コミュニケーションができるオンラインバーチャルツアーを実施。者室内には調光型を含む3面ディスプレイを設置している。

ライドアトラクション用バスの使用車両と走行ルート

2022年度の愛・地球博記念公園の整備計画

 愛知県は同日、ジブリパークに関連した愛・地球博記念公園の施設や周辺道路の整備の、2022年度の実施計画も発表。

 2021年度から継続実施する公園北エントランスの広場舗装や北駐車場の入口変更、案内所設置などは9月末までに完成。公園西口案内所や休憩所、ジブリパークの各エリア間を連絡する園路や休憩スポットも完成を予定している。

 駐車場の拡充も計画しており、「知の拠点」の西に約570台の東駐車場、愛・地球博記念公園駅の北側に約300台の駐車場を整備。北側駐車場は計約900台への拡張も計画しており、自然環境に配慮した設計を実施。県道力石名古屋線や県道田籾名古屋線の交差点の渋滞緩和のための車線追加や左右折車線延伸工事も引き続き行なわれる。

 また、新たに「魔女の谷」を見下ろす位置に眺望施設を設置するための工事に着手予定。1階/2階計30名を収容できる眺望施設、施設までの昇降設備も設置。2023年度の完成を予定している。

2022年度に実施する愛・地球博記念公園の整備計画
北エントランス、西エントランスの各施設や眺望施設の概要と、駅北側駐車場の整備・拡張イメージ