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ボーイング、今後10年の航空市場予測。国際長距離線がコロナ前水準に戻るのは2023~2024年

2021年9月14日(現地時間) 発表

ボーイングが民間航空機と防衛宇宙市場の予測を発表

 ボーイングは9月14日(現地時間)、民間航空機と防衛宇宙市場の予測を発表した。

 新型コロナウイルスからの回復の兆しが見えることから、今後10年間の市場規模を9兆ドルと予測。これは、2020年(8兆5000億ドル)と2019年(8兆7000億ドル)の予測を上回っている。

 特に民間航空機市場では、各国で国内線需要から回復が進み、防疫措置や渡航制限の緩和で国際線も回復すれば、2023年~2024年には長距離路線がコロナ以前の水準に戻ると見ている。

 民間航空機の新造需要は、今後10年間で1万9000機、金額ベースでは3兆2000億ドルと予測。2040年までの新造需要は4万3500機以上、7兆2000億ドルの見込み。

民間航空機市場ハイライト

・ワクチン接種の普及が短期的な航空需要の回復の要に
接種率が高い国ほど、国内制限や渡航・入国規制などの緩和などにより航空旅行需要の早期回復が見られる。

・今後20年間で、航空旅客数は毎年平均4%の増加見込み

・2040年までの世界の民間航空機数は4万9000機超
新造機の納入先は、中国、欧州、北米、アジア・太平洋地域がそれぞれ20%で、残り20%は新興国市場。

・単通路(ナローボディ)機の需要は3万2500機以上
今後20年間の民間航空機の納入で、単通路機は75%を占める。

・双通路(ワイドボディ)機の需要は2040年までに7500機以上
エアラインによる機材の更新、長距離路線市場への長期的な旅客および貨物需要の増加が要因。

 なお、コロナ禍からの回復によって民間航空業界が必要とする人材は、今後20年で210万人以上の見込みで、内訳はパイロットが61万2000人、整備士が62万6000人、CAが88万6000人としている。