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OCVB、2020年の沖縄観光重大ニュース。新型コロナで暦年の観光客数は例年の3割程度に

2020年12月23日 実施

2020年の締めくくりと2021年の展望を語った一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 会長 下地芳郎氏

 OCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)は12月23日、12月度定例記者懇談会を開催し、2020年の重大ニュースを発表した。主なトピックは次のとおり。

 トップは、「新型コロナウイルス感染症の影響による入域客数の激減」。ゴールデンウイーク、夏休みの緊急事態宣言、年末年始のGo To トラベルキャンペーンの一時停止など、沖縄観光にとって重要な時期に大きな影響が出た。歴年の観光客数は370万人ほどと見られており、これは2019年の3割程度である。

 その対策として、「旅行者専用相談センター沖縄(TACO)」の設置や新型コロナ対策パーソナルサポートLINEアプリ「RICCA」のリリースなどを行ない、旅行需要の早期回復に向けて「おきなわ彩発見キャンペーン」などの事業を展開したことを挙げた。

 首里城関連では、再建に向けた取り組みが加速しており、OCVB賛助会員・観光業界などから寄せられた支援金(793万8822円)を沖縄県へ贈呈したことを発表した。

 OCVBの事業関連では、管理運営を担ってきた「旧海軍司令部壕」「ブセナ海中公園」が開業50周年を迎えたことを挙げた。資料館展示の充実化や特設Webサイトの公開などを実施。OCVB会長の下地芳郎氏は、「もっと大きなキャンペーンが展開できたはずだったが、残念」とコメントしている。

 3月には那覇空港 第2滑走路が供用開始。離着陸回数がこれまでの約13万5000回から1.8倍の約24万回に増大した。しかしながら、新型コロナの影響で各社減便。2021年から大いに活用したいとのこと。

 10月には「ツーリズムEXPOジャパン旅の祭典 in 沖縄」が開催。ニューノーマル時代のMICEモデルを発信するイベントとして注目された。また、同イベントに関連して実施された第6回ジャパン・ツーリズム・アワードにて「リスクマネジメント賞」をOCVBが受賞。2021年1月に授賞式が予定されている。

年度内の修学旅行は856校が実施済み・実施予定

 続いての発表は、国内プロモーションおよび海外プロモーションの実施報告。

 国内プロモーションの「憩うよ、沖縄。」プロジェクトでは、航空会社との連携と修学旅行の誘客に注力。12月にはJAL(日本航空)、ANA(全日本空輸)、スカイマークを訪問し、沖縄路線の早期再開、減便幅の減少、機材の大型化などについて要請を行なった。航空会社側からは、旅行需要のマインド・ニーズは高いため、タイミングを見計らい需要喚起を強化したいとの回答があったとのこと。

 修学旅行については、年度内(2021年3月まで)の実施済み・実施予定校が856校。3月の予約が混みあっている状態ながら、修学旅行フェア・説明会により、さらに誘致を図る。1月22日にはオンラインでの修学旅行フェアを開催するほか、静岡、大阪、東京、岡山では対面での説明会を予定している。

 海外プロモーションでは、12月12日~13日に台湾で沖縄体験イベント「沖縄ガーデン」を実施したことを報告。毎年台湾ではオリオンビアフェスタが開催されているが、2020年は中止。その代わりに、沖縄県産業振興公社台北事務所が主催となり、同イベントを開催した。首里城復興や美ら海水族館の様子を伝える動画の上映などを行ない、2日間で約2万人が来場したとのこと。

 会の最後に下地氏は、「Go To トラベルの一時停止は残念だが、Go Toだけが沖縄旅行の要素ではない。ラグジュアリーなホテルではすぐさまキャンセルされることはなかったと聞く。もちろん大規模なホテルにとっては影響は大きいが旅行が禁止というわけではないので、来てくれる人にはしっかりしたホスピタリティが大事。

 2020年は厳しい1年だったが、来年以降は感染状況を見ながら沖縄の魅力を国内外に発信し誘客につとめていきたい。観光客数も大事だが、消費額、人泊数を増加していくような計画事業も観光業界の皆さんと詰めていきたい。ワーケーションなど新しい流れに対しても全県的な推進体系を作る必要があるだろう。国の予算措置も活用しながら質の高い観光を作っていきたい」と締めくくった。

会の冒頭では比屋根化成からOCVBへのマスク贈呈式が行なわれた。沖縄ファミリーマートで販売中という