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JAXAとANAが大気成分の観測で共同研究。旅客機内から大気成分の濃度分布観測

2020年9月28日 発表

JAXAとANAHDは人工衛星と旅客機による大気成分などの分布をリモート・センシングする共同研究を開始する

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)とANAHD(ANAホールディングス)は9月28日、人工衛星と旅客機から、都市域の大気成分などの分布を観測する共同研究を開始することを発表した。

 JAXAでは2009年から温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」から地球全体の温室効果ガスの増加を捉えてきた。今回の検証は、このいぶきのリモート・センシング技術を応用してANA機内に持ち込み、主要都市における大気成分(二酸化炭素、二酸化窒素)などの詳細な濃度分布を観測するもの。まずは羽田~福岡線で観測実験を開始する予定としている。

 旅客機内で取得したデータと人工衛星が取得したデータを組み合わせることで、地球全体を観測する人工衛星だけでは把握が困難だった、都市域における人間活動に伴う温室効果ガスの排出量を、交通・産業などの発生源別に評価する。

 本研究を通じ、JAXAでは旅客機からのリモート・センシングの有効性検証や、衛星単独での観測よりも詳細なエリアごとの温室効果ガス排出量を評価・検証する手法の構築を目指し、ANAHDは旅客機を活用したリモート・センシングの可能性や実現性などを検討する。