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ジェットスター・ジャパンが就航8周年。片岡社長「お盆時期は100%の国内線運航を予定」

2020年7月3日 実施

ジェットスター・ジャパンが就航8周年を迎え、成田発~新千歳行き便のお見送りを実施した

 ジェットスター・ジャパンは7月3日、2012年の就航から8周年を迎えたことを記念し、成田(12時00分)発~新千歳(札幌)行きのGK109便のお見送りを実施した。

 この日のGK109便は成田空港第3ターミナルの163番搭乗口に長蛇の列ができるほど多くの人が利用し、代表取締役社長の片岡優氏が搭乗客に感謝の言葉を述べながらお見送り。

 また、飛行機の出発時には地上からも片岡氏のほか、横断幕を持ったスタッフが手を振って出発機を見送った。

出発を待つGK109便
成田空港第3ターミナル163番搭乗口を利用
搭乗口に立つジェットスタージャパン株式会社 代表取締役社長 片岡優氏(左)
搭乗客にお礼を述べる片岡氏
2種類の横断幕を掲げて出発機をお見送り
出発機を見送る片岡氏やジェットスター・ジャパンのスタッフ
ジェットスター・ジャパン株式会社 代表取締役社長 片岡優氏

 就航8周年と昨今の新型コロナウイルスの影響などについて、ジェットスター・ジャパン 代表取締役社長の片岡優氏による説明も行なわれた。

 就航8周年については、「2012年7月3日に3機のエアバス A320でスタートし、現在まで大きな事故もなく無事に8周年を迎え、25機体制に成長できた」と利用者や関係者に感謝を示し、「大々的にお祝いしたかったが、イベントも縮小させていただく」と情勢に配慮した規模でのイベントとなったことを説明した。

 新型コロナウイルスの影響については、まず国際線について説明。2月から減便し、3月以降は現在まですべて運休。成田~香港線を8月末まで、成田/セントレア(中部)/関空~マニラ線、成田~桃園(台北)線、成田~浦東(上海)線は7月末までの運休を決めており、「8月以降は今後決めていく」とした。

 国内線は「3月までは大きなマイナスはなかったが、4月以降に徐々に影響で出て、5月から6月が底の時期となった」と影響の大きかった時期について説明。現状については、「緊急事態宣言解除後は予約も増え、6月末から便数を増やしている。7月下旬は計画の7割以上へ復便する」とし、8月についても「お盆の期間は計画の100%を運航する予定。8月全体では8割近い便を運航できるのではないかと思っている」と、「新型コロナウイルスの状況次第」という注釈は付いたものの、8月はかなりの便を再開するとの見込みを示した。

 さらに、同社の体制については、「もともと国内線が9割、国際線が1割で、国内線に比重を置いた運航だった。復便や需要回復に対してエネルギーを傾けるのは国内線が中心になると考えている」とした。

 一方で、海外のグループ会社ではリストラなども行なわれているが、「日本国内の需要は海外よりも早く回復するとの見込みがあり、(ジェットスター・ジャパンは)機材を減らすことより、需要回復に合わせていかに飛行機を飛ばせるかを考えている。機材やスタッフのリストラは考えていない」と説明。資金繰りについても「5月、6月と収入が減ってキャッシュが減っているのは確か。財務状況を安定させるために銀行からの融資をお願いしている」との状況を明かした。

 このほか、LCCである同社は、国際線を夜間に運航することで、機材の稼働率を上げるようにしているが、国際線の運休が続くなかでの稼働率対策については「夜に使える国内線がないため、現在の状況を続けざるを得ない」としている。

 今夏導入予定だったエアバス A321LR型機は「固定費を抑えるために導入を遅らせている」とのこと。導入時期については「新しい機材が来てもフルに使えないのが分かっている状況なので、新型コロナウイルスが落ち着くまで延期できるよう交渉している」と説明した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止対策について、同社は5月20日から国内他社に先駆けて乗客のマスク着用義務を明示したほか、現在は安心安全な旅のための取り組みとして「Fly Well」プログラムを推進している。そのなかで、今後の多客期を見据えた感染対策について、6月に利用者から募ったアンケートの数字を提示。「マスクの着用要請があれば利用したい」が87%、「距離が保たれないのであれば利用しない」が36%といった数字を挙げ、「お客さまはマスクと検温を一番気にしている」と、この点を徹底する考えを示した。