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日本旅行業協会、新型コロナウイルスの影響を説明。3月1日営業再開の勝浦ホテル三日月に「“いいね”と思ったら泊まって」

2020年2月27日 会見

一般社団法人日本旅行業協会 理事・事務局長 越智良典氏

 JATA(日本旅行業協会)は2月27日、東京・霞が関の本部で定例会見を開き、理事・事務局長の越智良典氏と総務部 調査役の池畑孝治氏が、新型コロナウイルスの観光業への影響と対応について話した。JATAでは「新型コロナウイルス感染症に対するJATA対策室」を設置しており(関連記事「日本旅行業協会、新型コロナウイルスの対策室立ち上げ。「需要は落ちるがその後のリカバリーが重要」と認識示す」)、池畑氏はその室長を務めている。

 対策室では新型コロナウイルス関連の情報をまとめた特設サイトを公開しており、旅行業界向けに需要回復に向けた参考になる過去の事例、日本政府の対応、諸外国の対応、経営支援情報などを提供している。

 厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた雇用調整助成金の特例を実施しており、経済上、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練、出向などで、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金などの一部を国が助成するといった旅行業者を助けるシステムが存在すると紹介。

 しかし特例は、「中国人観光客の宿泊がなくなった旅館・ホテル」「中国からのツアーがキャンセルとなった観光バス会社など」「中国向けツアーの取り扱いができなくなった旅行会社」など中国からのインバウンド業が主な対象となっており、一方で過度な出控えが起きている日本においては「旅行業界はキャッシュフローが滞っている状況」であるため、雇用調整助成金の特例枠をさらに大きくしてほしいと国に向けて発言・アピールしていく必要が業界団体としてあるという。旅行業者には、従業員と利用客の安全を確保する万全の対策を行なってもらいつつ、「経営継続できる融資であるとか雇用調整助成金の枠拡大のお願いをしていくことが今のフェーズでは大事」だと話した。

「新型コロナウイルス感染症に対するJATA対策室」室長を務める、一般社団法人日本旅行業協会 総務部 調査役 池畑孝治氏

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、中国・武漢から政府チャーター機で帰国した人たちを受け入れていた勝浦ホテル三日月が3月1日に営業を再開することについては、越智氏が先週行ってきたばかりであるとし、状況を説明した。

 勝浦ホテル三日月では日本ペストコントロール協会による徹底した消毒作業が実施され、その後はさらにダスキンが館内を清掃。さらに重ねてホテルの従業員が清掃したという。武漢からの帰国者らは使用していないバンケットルームのシャンデリアの1本1本まで丁寧に拭いていたことを紹介し、「すごいですよ、ここまでやるかと涙が出ました」と越智氏は述べた。

 しかし、営業再開の3月1日の予約状況は芳しくなく、「(勝浦ホテル三日月は)よく引き受けてくれたと思う。しかし、引き受けたからお客さんが来なくなってしまったでは、今後こういった企業がでてこなくなる。ホテルのこの行動を“いいね”と思ったら、応援をして、実際に泊まっていただけたら」とも話した。勝浦エリアも含めて多かれ少なかれ今回の風評被害が出ているそうで、越智氏ら約15名は会議や地元との意見交換のため、さっそく3月1日から勝浦ホテル三日月を利用することになっているという。

3月1日に営業を再開する勝浦ホテル三日月

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