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JAL、無人ヘリコプターによる空港間目視外飛行で貨物輸送実験

2020年2月25日 発表

実験で用いられた無人ヘリコプター

 JAL(日本航空)は、長崎県の自治体などの協力の下、2月18日に離島空港間で無人ヘリコプターによる貨物輸送実験を実施した。19日には、JALの定期便と組み合わせ、長崎県長崎県新上五島町で朝収穫された鮮魚を東京都内のレストランまで輸送する実験も実施された。

 実験で使用されたのは、ヤマハ発動機製の産業用無人ヘリコプター「FAZER R G2」。航続距離は90kmで、航続時間は100分、最高速度は72km/hで、積載重量は35kg。離着陸は現地で目視操作を行なうが、海上は静岡県のヤマハ発動機都田事業所から衛星通信経由での遠隔操作で飛行した。

 18日の実験では、保冷容器に医薬品を想定した模擬貨物を入れ、冷温を保ったまま上五島空港~小値賀空港間の往復約46kmを飛行。輸送中の温度の確認などを行なった。

 19日の実験では、上五島産のクエなどの鮮魚約20kgを上五島空港から九州本島の西海市崎戸までの約35kmを無人ヘリコプターで運び、長崎空港までを陸送。12時45分発のJL610便で羽田空港まで空輸し、都内のレストランまで輸送。こちらも輸送中の温度の確認などを行なった。

 同社では、無人ヘリコプターにより空港間を目視外飛行で輸送したものとしては国内初の実験で、今後の環境整備と機体の大型化の実現を視野に事業化の可能性を探っていくとしている。

実験経路
実験の模様